2026/03/24

このブログの読み方

札幌市オンブズマンによる調査内容を紹介するこのブログ、平成28年(2016年)4月以降に調査を終了した案件を紹介しているが、本ブログの開設者としては、このような作業には、主として以下の3つの意義があると考えている。

(1)オンブズマン「活動状況報告書」に掲載されない案件を紹介する
(2)オンブズマン「活動状況報告書」に掲載されない「市の回答」部分を紹介する
(3)「活動状況報告書」が発行されるよりも早くオンブズマン調査の内容を紹介する

以上を目的として、各月ごとに、調査を終了した案件を紹介するエントリーを作成してきた(なお、ブログ開設の意図については、「札幌市オンブズマン観察記はじめます」において、より詳しく説明している)。

しかしながら、このような紹介方法ではインデックス機能が弱く、同種の内容の苦情調査であっても、その終了月が異なる場合には両者を比較するのは困難であった。そこで、各年度に終了した調査を分野別に分類するエントリーを作成したものの、こうしたエントリーもまた、各月ごとのエントリーに埋没することが懸念されるところである。

以上のことから、このエントリーでは、これまで作成したエントリーを類型別に整理することで、読者の利便性を高めることを試みる。

各リンク先では、苦情の概要を紹介し、調査結果通知書等の全文のpdfファイルのリンクを張り付けてある。また、各月ごとに調査を終了した案件を紹介するエントリーにおいては、調査結果通知書等の1枚目の画像データも掲載してある。

読者諸氏においては、本ブログで紹介するデータを通じ、札幌市オンブズマンの活動状況を「観察」していただきたい。

〇オンブズマン調査の分野別分類
 平成29年度(2017年度)終了分
 平成28年度(2016年度)終了分

〇オンブズマン調査の調査終了時期別リスト
・2025年度
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月、1月、2月、3月
・2024年度
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
・2023年度
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
・2022年度
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
・2021年度
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
・2020年度
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
・2019年度
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
・平成30年度(2018年度)
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
・平成29年度(2017年度)
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月
・平成28年度(2016年度)
 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月

〇オンブズマン調査の処理日数の状況

 ・年度別
  2022年度まで(最新版)

2026/03/23

「札幌市オンブズマン制度」についてのアンケート結果が公開される

札幌市では2021年度以来、「インターネットアンケート調査」を実施するようになった模様である。2025年度に実施したアンケートの結果はここから確認できるが、「札幌市オンブズマン制度」がテーマの一つとして設定されている。アンケートは、15歳以上の札幌市民500名を調査対象として、全25問のクローズ型のインターネットアンケートとして実施された。調査期間は、2025年9月11日~14日である。

このアンケートの特に「おもしろい」ところは、オンブズマンの調査結果が誰でも入手できることや、調査結果をwebで公開することについての質問項目が設定されていることである。つまり、当ブログ開設者が公文書公開請求で情報を収集することや、その結果を当ブログで公表すること自体に対する「市民の声」が可視化されているのである。当ブログ開設者は目がくぎ付けになった。それでは、アンケート結果をみていこう。


まず、Q12.では「調査結果を請求により誰でも入手できること」が問われている。回答は、「とても良いことだと思う」(21.0%)、「どちらかといえばよいと思う」(23.6%)と、半数近く(44.6%)が肯定的に受け止めている。これに対して、「どちらかといえば好ましくない」(6.2%)、「好ましくないと思う」(4.6%)という否定的見解は(10.8%)にとどまっている。

次に、Q13.は、「調査結果を入手した第三者がその内容をインターネットやSNSに掲載すること」が問われている。回答は、「とても良いことだと思う」(6.4%)、「どちらかといえば良いことだと思う」(12.8%)と、肯定的評価は2割弱(19.2%)であった。

これに対して、「どちらかといえば好ましくないと思う」(19.4%)、「全く好ましくないと思う」(24.2%)という否定的評価(43.6%)は、肯定的評価(19.2%)を大きく上回っている。このような回答は、当ブログにおいてオンブズマンの調査結果を紹介することは、必ずしも市民から肯定的に評価されない可能性を示している。

しかしながら、アンケートの結果は別の傾向も示している。それは、「実際の事例」を明らかにするニーズの存在である。

まず、Q19.では「今後オンブズマン制度をもっと知ってもらうために今一番重要だと思うこと」が問われている。そして、「実際の利用事例の紹介」という選択肢が13.2%(SA)から選ばれている。

また、Q22.では「25周年をきっかけに制度や広報に期待すること」が問われており、「実際の事例をもっと紹介してほしい」という選択肢が31.0%(MA)、Q23.では「オンブズマン制度の今後の方向性として必要だと思うこと」が問われており、「調査結果をわかりやすく公開する」という選択肢が31.8%(MA)から選ばれている。

したがって、このような回答は、個別案件を紹介することに対する一定のニーズがあることを示していると思われる。その一方で、当ブログ開設者のような「第三者」が公文書公開請求を通じて「実際の事例」や「調査結果」を紹介することはあまり歓迎されておらず、「実際の事例」や「調査結果」を紹介するにしても、それは制度運用者側が行うべきだというのが市民の受け止め方だと評価できるかもしれない。

ただし、留意すべき点もある。それは、アンケート回答者が現在、オンブズマン調査の「実際の事例」や「調査結果」がどのように紹介されているか、どの程度認識したうえで回答しているか、必ずしも明らかではないからである。

すなわち、毎年度公表される「札幌市オンブズマン活動状況報告書」に一部の案件が掲載されていることや、当ブログにおいて個別案件が(批判的に)紹介されていることは、必ずしも広く認知されていない可能性があるということである。この点、いささか自嘲的であるが、アンケート回答者が当ブログの存在を知って回答した場合、「否定的評価」がさらに高まる可能性があると当ブログ開設者は考えている。

ところで、当ブログ開設者は、「札幌市オンブズマン観察記はじめます」と題するエントリー(リンクはここ)において、当ブログの目的を以下のように論じている。

(1)オンブズマン「活動状況報告書」に掲載されない案件を紹介する
(2)オンブズマン「活動状況報告書」に掲載されない「市の回答」部分を紹介する
(3)「活動状況報告書」が発行されるよりも早くオンブズマン調査の内容を紹介する

そして、2016年(平成28年)4月に調査を終了した案件の公開請求を皮切りに、公開を受けたオンブズマンの調査結果等を当ブログで紹介してきたわけである。余談ながら、この3月(2026年3月のことである)に処理を終了した案件の請求を完了すると、まる10年分の調査について公開請求を行ったことになる。われながら、よくぞここまで継続してきたものである。

また、当初は案件を紹介することに主眼を置いてきたが、近時は調査そのものに対する批判を加える傾向が強まっている。それは、調査担当オンブズマンが苦情対象となった制度について、理解が十分でないと思われる案件が見受けられるからである。

こうした傾向は、当ブログ開設者が札幌市オンブズマン制度の究極的な存在意義を「住民自治の実質化」であると考えるとともに、この制度が「適切な説明を受ける利益」を実現する制度として独自の存在意義がある、という制度理解に基づいている。

すなわち、適切な制度理解があればもっと異なるオンブズマン判断もありえるのではないかということ、そして、適切な制度理解に基づくオンブズマン判断は「市政の改善」につながる可能性を高めると、当ブログ開設者は考えているのである(なお、当ブログ開設者の「札幌市オンブズマン」制度の理解については、さしあたりこのエントリーを参照されたい)。

もっとも、上述の「ブログの目的」はあくまで「表向き」の理由である。当ブログ開設者が、オンブズマン調査に関する文書について公文書公開請求をするとともに、公開された文書を当ブログで紹介することに踏み切ったのは、「オンブズマンの調査内容を公開すること」によって、それを嫌う申立人が苦情申し立てを忌避する「抑制効果」が生じるのではないかと、問題提起するためであった。そして、そのような問題提起をするためには、抽象的な指摘よりも「実際の請求」を行うのが効果的だと考えたのである。

こうして10年が経過した。前述のように、当ブログ開設者は、もともとオンブズマンの調査内容を公開することにより「抑制効果」が生じることを懸念していた。しかしながら、実際に公開を受けることで、当初の想定とは別の「意義」を発見することになった。

すなわち、上述の「表向き」の(かつ抽象的な)ブログの目的は不変であるが、実際に調査内容を記録した文書の公開を受けることで、市民の生活を支えるために市職員が「縁の下の力持ち」として職務を遂行する姿が見えてきたのである。これは当ブログ開設者にとって、大きな収穫であった。また、そうであるからこそ、当ブログ開設者が公文書公開請求を継続してきたといえるかもしれない。

以上の次第で、今回のアンケート結果をふまえると、制度運用側は、オンブズマンの調査結果を現在よりも積極的に公表する必要があると、当ブログ開設者は考えている。その一方で、オンブズマン調査についての「公文書公開請求」も閉ざされるべきではない。それは、制度運用側から公表される情報は制度運用側にとって「都合がよい」情報に限定される可能性があるほか、そもそも「市民の知る権利」の実現は「住民自治」の第一歩だからである。

それでも、オンブズマンの調査内容を公表することは、それにより、苦情申し立ての「抑制効果」が生じることは考慮する必要があるだろう。したがって、オンブズマンの調査内容について「第三者」からの公文書公開請求がなされた場合、制度運用側からの公表(「活動状況報告書」の公表を想定している)がなされるまで、調査内容を記録した文書の公開を控えることも検討されるべきである。

この点、札幌市情報公開条例は、「事務又は事業の性質上、公にすることにより、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」(同条例7条4号ク)を非公開情報としている。したがって、オンブズマン調査が終了したのち一定期間は、公開することで苦情申し立てに対する「抑制効果」が生じる可能性を考慮し、この号に基づき調査結果を非公開とする一方で、制度運用側から調査内容が公表されて以降は「事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」がないという取り扱いをするわけである。

なお、同条例には次のような定めもある。「公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開しない旨の決定(中略)をした場合において、当該公文書の全部又は一部についての公開が可能となる時期が明らかであるときは、実施機関は、その旨をこれらの規定による書面に付記しなければならない」。この規定は、制度運用側からオンブズマン調査を公表するまでは「非公開」とする扱いの根拠となると思われる。

また、以上の取り扱いは、オンブズマンの調査内容を記録した文書については、「事務事業情報」(同条例7条4号ク)の記載を理由として「非公開決定」をするということ意味するのみである。制度運用側からの調査内容が公開されて以後も、「特定個人識別情報」(同条例7条1号)等に該当する情報は「非公開」とすることは当然である。

2026/03/21

2025年12月に処理を終了した案件

 2026年1月1日、2025年12月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、決定期間延長のうえ、2026年2月13日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(2025年12月)に処理を完了したのは7件で、このうち4件で調査結果が通知された。また、残る3件のうち、2件については苦情について調査しない旨が通知され、1件については苦情申立ての取下げという取り扱いがなされている。

1.梶井祥子にオンブズマンの職務は「荷が重い」(その3)
前月(2025年11月)に調査を終了した案件を紹介する前回のエントリーで(その1)(その2)を論じたが、今回の公開分は(その3)。やはり、「梶井祥子にオンブズマンの職務は『荷が重い』」ようである。

今回公開分においても、梶井祥子は札幌市オンブズマン条例の「調査対象外事由」の規定が「オンブズマンの負担が荷重になること」を避けるために設けられた規定である旨の見解を披歴している(また、「本来の利害関係人の意思にそぐわない申立てがなされる事態を避ける」という見解も披歴している)。こうした見解については、すでに前回のエントリーで批判しているので繰り返さない。

むしろ、今回公開分で「梶井祥子にオンブズマンの職務は『荷が重い』」ことを痛感した案件は、「障がいのある方を対象とした札幌市職員選考」の応募者が、試験当日に担当職員から補聴器を外すよう求められて受験を断念したことを理由として申し立てられた苦情である(第2025-76号)。

苦情申し立て後の顛末は通知書で確認していただくとして、本件苦情は、当該選考試験に際し市が障害者差別解消法7条2項が規定する行政機関に求められる「合理的配慮」を具体的にどのように行っているのかということや、市の障害者雇用促進法が規定する法定雇用率の達成状況(同法38条~40条参照)などについて、当ブログ開設者は興味を抱くことになった(札幌市における2025年6月1日現在の法定雇用率の達成状況は以下の画像データのとおり)。
また、2025年度の採用選考案内によると、採用予定数は「一般事務」「学校事務」とも1~2名程度とされており、なかなかの「狭き門」の模様である。

さて、この案件担当の梶井祥子は、オンブズマン判断の「(4) おわりに」において、札幌市の「ユニバーサル展開プログラム」や、「第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン(2023~2031年度)」の2件の行政計画について言及している。

この点、梶井祥子は「第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン」を策定する「審議会」の副会長を務めていたようだ。どうやら、オンブズマンの地位を利用して、自らが関与した行政計画の宣伝をしようとしたか、当該行政計画についての「知ったかかぶり」をしようとしたものと思われる)。

しかしながら、上述の障害者差別解消法が規定する「合理的配慮」や、障害者雇用促進法が規定する地方公共団体の法令上の義務について言及しなかった(「市の回答」には、「受験上の配慮の申出」を受けている旨の記述あり)。当ブログ開設者が、「梶井祥子にオンブズマンの職は荷が重い」と感じる所以である。

2.前提となる「制度」を知らないと振り回されることになる
現在、国レベルで「給付付き税額控除」の議論が始まったところであるが、今回公開分の第2025-65号は、2025年度に実施された「定額減税給付金」についての苦情である。申立人は、給付額が不足すること、また、問い合わせた際の案内が不正確であるとして、苦情が申し立てられた。

この案件も、制度の詳細については通知書を参照されたいが、前提となる「制度」を理解していると、必要な「手続き」の意味も理解できるところ、前提となる「制度」を理解しないまま「手続き」を取ることになると「振り回された」印象を抱くことになると思われる。また、実際に適切な手続きを取っていなかったために、苦情申し立てにつながることになった。

おそらく申立人は、過去の納税額の還付を申告する手続きと「定額減税給付金」受給のための手続きや、「国税」の手続きと「市税」の手続きの違いについて、明確に認識できていなかったと思われる。前提となる「制度」への理解を欠いたが故の不幸であると当ブログ開設者は考えている。

ただし、制度を存在を前提とすると、所定の手続きを取ることが当然視されることになるものの、過度に制度が複雑化したために必要な手続きそのものが不明確になることは、過去のオンブズマンに対する苦情から明らかである。制度や手続きの周知のあり方、さらに、前提となる制度設計のあり方は「永遠の課題」かもしれないが、当ブログ開設者は、市民の苦情が制度の周知や制度そのものの改善につながる契機となることを期待している。

3.複数回の申立てをする「超上客」をいかに「おもてなし」すべきか(その3
前回のエントリーで「複数回の苦情を申し立てる『超上客』へのおもてなしのあり方については、次回のエントリーでも取り扱うことにしたい」と論じた。それは、今回公開分の第2025-79号がまさにそうした案件だからである。

本件苦情の申立人は、前回のエントリーで紹介した第2025-74号において、市の担当課からの回答が「双方の主張に食い違いがあり、当時の記録が存在しないため判断できない」ということに不満を述べる一方で、「私が市に対して行ってきた複数の苦情申し立てに関し、『双方の主張が食い違い、記録がないため判断できない』という同一の理由により、すべてが実質的に判断不能として処理されている現状」について改善の必要性を訴えていた。

こうした主張からは、申立人が「担当課」と「オンブズマン」を混同していることが疑われたが、今回公開を受けた本件第2025-79号の記述から、申立人はオンブズマンに対する苦情申し立てのほかにも、「人事課」にも対応を求め、その対応に不満を抱いたことにより苦情が申し立てられたことが判明することになった(前回のエントリーにも記述したところである)。

本件担当オンブズマン神谷奈保子(今般の申立人の複数の申立ても担当している)は、本件の「調査しない理由」において、①申立人が人事課からの回答に不満を覚えて本件苦情を申し立てたこと、②申立人の当初の不満である担当ケースワーカーの対応についてはすでにオンブズマンが「前回調査」(第2025-57号)を実施していること、③『前回調査』において、オンブズマンは「双方の主張に食い違いがあり」「事実を確認することができず、本件ケースワーカーの行為が個人情報保護及びプライバシー尊重の観点に照らし不適切であるかどうかを判断することができません」という判断をしていることについて言及した。

こうした「事実関係」の整理は、複数回の苦情申立てがなされたケースにおいて、論点を明確化するために一定の意義を有することは間違いない。しかしながら、そのことがかえって、本件申立人の場合には、論点や対応を求める担当部局を拡散させることに「一役買う」結果になることを当ブログ開設者は懸念する。

そうすると、ケースによっては、オンブズマンが申立人の苦情申立ての論点を「ピンポイント」で絞り込み、その点についてオンブズマンの見解を示すことに徹するほうが「おもてなし」として適切なケースもあるのではないかと当ブログ開設者は考えている。

なお、当ブログ開設者は、市職員の対応に不満を抱いた市民が当該職員に懲戒処分を課すことを求めて「人事課」に情報提供した場合、人事課の対応の原理原則に興味があるが(一般論としては、懲戒処分の要否を判断するのは当該職員の直近の上長の模様である)、オンブズマンがこの点について調査するとなると「収拾がつかない」ことになりそうである(ので、やめておいたほうがいいだろう)。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

①第2025-65号
 令和7年度の定額減税補足給付金の申立てをしたが、必要書類の提出がないとして認められなかったことに納得がいかないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

②第2025-72号
 生活保護を受給する申立人が収入申告書を提出しに行った際、担当職員が不在のため担当外に職員が申立人に対応したところ、当該担当外の職員の対応に恐怖を覚えたとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

③第2025-76号
 「障害のある方を対象とした札幌市職員採用選考」の試験当日に補聴器を外すことを求められ、試験の受験を断念することになったとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

④第2025-77号
 生活保護を受給する申立人が、担当ケースワーカーの一連の対応に不満があるとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑤第2025-79号
 (申立人に対応した市職員の対応について申立人が人事課に不満を伝えたことを契機とする)人事課による市職員の対応に関する調査は、(市とは別組織である)社会福祉協議会への調査を行っていない点で不備があるとして、このような人事課の対応についてオンブズマンによる調査を求めて苦情が申し立てられたケース。本件苦情はすでにオンブズマンが実施した調査(第2025-57号)と同内容と思われるとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑥第2025-81号
 定期券で市電に乗車している申立人が車内の清掃状況について電車事業所に連絡したところ「4~5日おきに清掃している」という回答を受けたが、日常的に汚い状態で運転していることをオンブズマンにも確認してほしいとして苦情が申し立てられたケース。申立人に直接的な利害関係があるとはいえないとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑦第2025-83号
 (おそらく市立体育館で何らかのスポーツの教室の講師を務めていた申立人が当該教室の運営担当者から教室閉鎖を言い渡されたために)当該担当者の処分と教室の継続を求めて苦情が申し立てられたケース。本件苦情がオンブズマンの調査対象事項であることを伝えたところ、申立てを取り下げる意向が確認された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

2026/03/19

2025年11月に処理を終了した案件

 2025年12月1日、同年11月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、決定期間延長のうえ、2026年1月14日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(2025年11月)に処理を完了したのは11件で、このうち4件で調査結果が通知された。また、残る7件のうち、6件については苦情について調査しない旨が通知され、1件については苦情申立ての取下げという取り扱いがなされている。

1.梶井祥子にオンブズマンの職務は「荷が重い」(その1)
今回の公開分、写しの交付を受けてからこのエントリーを公開するまでにいつも以上時間がかかることになったのは、論ずべき点が盛りだくさんになったためである。そのうち、まず第一に指摘しておくべきことは、この3月からオンブズマン2期目に入った梶井祥子にとって、オンブズマンの職務は「荷が重い」のであろうことである。論より証拠、「苦情について調査しない旨の通知書(第2025-66号)において、梶井祥子は「オンブズマンの負担が荷重になる」旨の見解を示している。

この「荷重」という文字、業務が過重であるがゆえ梶井祥子が誤字に気づかなかったものと思われる。おそらく「オンブズマンの負担が過重になる」と書きたかったのであろうが、些細な誤字に気づかないオンブズマンがより重大だが難解、本質的だが複雑な市政の課題をそれと認識できるのか、疑問を抱かざるを得ない。

実際、この案件において、梶井祥子は札幌市オンブズマン条例が定める調査対象外の事項について、「本来の利害関係人の意思にそぐわない申立てがなされる事態を避けるために設けられている」という見解を示している。

しかしながら、条例が定める調査対象外の事項は、当該事項に該当する苦情が申し立てられた場合においてオンブズマンが当該苦情を調査しない根拠となるに過ぎない。したがって、「調査対象外の事項」を定めることが申立てを抑止することができるものではなく、抑止効果があるとすれば、それは「調査対象外の事項」を周知した結果であろう。

この点、札幌市オンブズマン条例は、「何人も、オンブズマンに対し、市の業務について苦情を申し立てることができる」(札幌市オンブズマン条例14条)ことを規定している。したがって、ひとたび苦情が申し立てられた場合、オンブズマンは条例が定める権限の範囲内で対応していくことになる。

また、梶井祥子のいう「本来の利害関係人」という記述もその趣旨は不明である。前述のように、何人もオンブズマンに対し苦情申立てができるのである。その苦情がオンブズマン所轄事項でない場合を含めて、「調査対象外の事項」である場合、オンブズマンは当該苦情に関する調査を実施しないことになる。

なお、この案件の苦情申立人は、過去に苦情を申し立てた(第2022-12号)「その後」の市の対応について、苦情を申し立てている。こうした場合において、「オンブズマンが一度調査して結果を通知している」ことは、そのこと自体が調査をしない理由とはならないと思われる。それは、調査を終了した後の「新たな事実」に基づいて苦情が申し立てられたと評価することができるからである。

以上のように、梶井祥子による札幌市オンブズマン制度の理解ははなはだ心もとない。「梶井祥子にオンブズマンの職務は『荷が重い』」と論ずるゆえんである(なお、今回公開分は2025年11月に処理を終了した案件であるが、梶井祥子は翌2025年12月終了分においても、「オンブズマンの負担が荷重になる」という見解を披歴している)。

2.梶井祥子にオンブズマンの職務は「荷が重い」(その2)
のみならず、今回公開分のうち、梶井祥子が調査を実施した別の案件(第2025-50号)も、梶井祥子にオンブズマンの職務は「荷が重い」と感じさせるものである。

この案件は、サービス付き高齢者住宅に入居していた申立人が施設で提供される食事を取らなかったにもかかわらず施設が当該サービス利用料の返金に応じないことを苦情申立ての前提とする案件である。そして、申立人は市が施設に返金を指導することを求めたにもかかわらず適切な対応がなされないとして、オンブズマンに苦情を申し立てた。

このような場合、市は施設に対し、法令等が定める基準が順守されているかを監督する権限を有する。その一方で、契約上のサービスが適切に提供されているか否かという問題については、基本的に関与できないことになる。

それは、事業者による法令順守と契約上の義務の履行はその実現を図るためのシステムが異なり、市の権限は前者を監督することであり、後者の契約上の義務の履行については、市の権限の範囲外になるからである。したがって、市が申立人が望むような対応をしなかったとしても、市の権限行使という観点からは、やむを得ないことになる。

ただし、このような場合にも、都道府県社会福祉協議会の「運営適正化委員会」による「苦情解決」の制度は、施設とサービス利用者間の紛争解決のために利用可能である(社会福祉法85条)。オンブズマンも「その職務の遂行に当たり、市民の権利利益を擁護し、並びに市政を監視し、及び市政の改善を図る他の諸制度と有機的な連携を図ることなどにより、その役割を効果的に果たすよう努めなければならない」(札幌市オンブズマン条例5条2項)ことからすると、オンブズマンは「運営適正化委員会」による「苦情解決」の制度を申立人に紹介することが期待されると当ブログ開設者は考えている。

しかし、残念ながら梶井祥子が上記の「紛争解決」の制度について言及することはなかったが(「事業の経営者による紛争解決」(社会福祉法82条)について言及するのみである)、梶井祥子は「札幌市社会福祉協議会会長」の肩書も有するようである。

「札幌市」社協の会長の肩書を有するにもかかわらず、「北海道」社協が設置する制度については知見を欠いていたということであろうか。仮にそうならば、当ブログ開設者は、梶井祥子にオンブズマンの職は「荷が重い」という思いを抱かざるを得ない(なお、オンブズマンと市社協会長の兼職は、「オンブズマンは、市と特別の利害関係を有する法人その他の団体の役員を兼ねることができない」と規定する札幌市オンブズマン条例9条2項との関係でも議論の余地がある)。

3.「フリーペーパー」の扱いはどうなる?
次は、市が管理する公園内で写真撮影をする際に「利用料」の支払いを求められたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられた案件である(第2025-39号)。この案件では、他の自治体における取り扱いを丹念に調査している点が興味深い。担当オンブズマン樋川恒一の「ファインプレー」かもしれない。

ただし、当ブログ開設者は、市条例が「業として写真を撮影する場合」には許可を得るとともに使用料の支払いを要することを規定している点について、市の回答への疑念を抱いている。それは、「有料刊行物に掲載するための撮影もこれに該当する」という記述があるからである。こうした記述は、広告収入に基づいて発行される「フリーペーパー」の取り扱いがあいまいになるきらいがあるのではなかろうか。

この点、調査担当オンブズマン樋川恒一も、どのような場合が「業として写真撮影をする場合」となるのか基準が明確でないとして、市に基準の明確化を求めている。このようなオンブズマン判断は、市の主張を鵜呑みにすることなく、オンブズマンの果たすべき役割を適切に果たしていると評価できると思われる。

惜しむらくは、苦情申し立てから調査結果通知書の発送まで、3か月以上かかっていることである。さすがに時間がかかりすぎという印象をぬぐえないが(調査実施通知書の発送からも2か月半程度要している)、オンブズマンが調査に習熟するにしたがい、迅速化が図られることを期待したい。

4.「会計年度任用職員」の任用手続きについて
さきほどの案件では樋川恒一オンブズマンの「ファインプレー」を紹介したが、こちらの「会計年度任用職員」の任用手続きに関する案件(第2025-71号)は、樋川恒一オンブズマンの「凡プレー」といえるかもしれない。

申立人は、会計年度任用職員の選考を一括で行わないことに対し苦情を申し立てた。現状、札幌市における会計年度任用職員の選考は、部署ごとの個別の対応になっているようだ。

この点、調査担当オンブズマン樋川恒一は、「本件申立ては、他の応募希望者も同様の取り扱いを受ける会計年度任用職員の『選考』という採用方法を問題としていることに鑑みると、他の応募希望者とは異なる申立人自身の利益にかかる事案とは認められません」という見解を示し、調査を実施しなかった。

しかし、である。申立人の調べたところによると、他の自治体では会計年度任用職員の選考を一括で行っているところもあるそうだ。このような運用がなされている場合、応募者は一度の応募で手続きを完了することができるのに対し、札幌市のように部署ごとの対応であれば、応募者は選考に漏れるたび、再度の応募を余儀なくされることになる。

調査担当オンブズマンの樋川恒一は、他の応募者も同様の取り扱いになるために申立人がことさら他の応募者より不利益な取り扱いを受けているわけではない、という見解のようである。しかしながら、当ブログ開設者は、「一括選考」しない理由の説明を受けること自体に「申立人の利害」が認められるべきだと考えている。

むしろ、調査担当オンブズマンの樋川恒一が従来の札幌市オンブズマン制度の運用と平仄をあわせるならば、「申立人が実際に複数回の応募を余儀なくされた事実は存在しない」ため「具体的利害」がない、という理由で調査しないほうが適切であったかもしれない(ただし、前述したように当ブログ開設者は、「説明を受けること」自体に「利害」があると考えている)。

5.行政内部文書と「保有個人情報の訂正請求権」
今回公開分にはもう1件、樋川恒一オンブズマンの「凡プレー」を疑われる案件がある。それは、市職員が申立人に対応した際の記録(公文書)に誤字があることを申立人が指摘した際の職員の対応について、苦情が申し立てられた案件である(第2025-73号)。

調査担当オンブズマンの樋川恒一は、当該公文書が「対外文書ではなく、対内文書であり、あくまで担当課での内部報告のため作成された文書である」として、「当該対応記録に誤字があったからといって、申立人に不利益が発生しているとは認められず、この点について申立人は利害を有しない」と判断した。

しかし、である。「個人情報保護法」は、行政機関の「保有個人情報」(同法60条1項)について、本人の「訂正請求権」を規定している(同法90条1項)。したがって、行政内部文書の記載が「保有個人情報」に該当する限り、当該文書に誤字があったとしても「申立人に不利益が発生してい(ない)」というオンブズマンの判断は、この「訂正請求権」の意義を没却すると思われる。

むしろ論ずべきは、申立人が本件苦情で申し立てた内容がオンブズマン制度を通じて実現すべき「利害」として適切か、という点ではなかったか。「誤字に対しての詫び、第三者(承認)を交えての面会を求める」等の申立人の主張は、いささか過大だという印象を禁じ得ないからである(ただし、当ブログ開設者の制度理解に基づくと、オンブズマンは「申立人の主張」の当否ではなく、「行政対応の適否」を判断すべきである。したがって、こうした印象論の適否については別途、議論の余地がある)。

6.複数回の申立てをする「超上客」をいかに「おもてなし」すべきか
今回のエントリーは、公開対象公文書の写しの交付を受けてからエントリーを公開するまで、およそ2か月の時間を要した。これから紹介する第2025-69号第2025-74号の2件をどのように紹介するのが適切か、頭を悩ませたこともその理由の一つである。この2件はいずれも、2025年10月に処理を終了した案件を紹介するエントリーで、「札幌市オンブズマン制度にとっては『超上客』であろう」と論じた申立人による苦情である(いずれの案件も、「苦情について調査しない旨」が通知されている)。

ところで、同一の申立人による複数回の苦情申立てがなされた場合、オンブズマンの取扱件数がかさ上げされたため、対外的にはオンブズマンが活発に活動を行っているような外観を呈することになる。しかし、同一の申立人による繰り返しの苦情申し立ては、オンブズマンの負担が過重になることは否定できないであろう(ただし、オンブズマンによるその旨の泣き言の適否については、別途論じる必要がある)。

その一方で、同一の申立人が繰り返しオンブズマンに苦情を申し立てることは、オンブズマンに対する「信頼」の証明であるという評価もできるかもしれない。なぜなら、オンブズマンをまったく信頼できないならば、苦情を申し立てることすらしないであろうからである。そうでなくても、改善は期待できないとしても、せめてひとこと、文句を言っておきたいというはけ口としてオンブズマンが選択される可能性はあるかもしれない。

それでは、具体的な検討である。上記2件の申立人は、過去に複数回の苦情を申し立てているが、まず第2025-69号では、調査時の担当部局によるオンブズマンへの回答が事実に反するものであるとして、再度担当部局から市社協に照会するようオンブズマンが担当部局に対する指導を求めて苦情が申し立てられた。

この案件で興味深い点は、申立人が「ケースワーカーに対し、個別具体的な貸付制度の確認を依頼した事実はありません」と主張していることである。これに対し、担当部局は先行案件(第2025-57号)で、「社協へ申立人の名前及び困窮している理由を説明したうえで問い合わせました」と回答し、調査担当オンブズマンもこの点を問題視することはなかった。

しかし、当ブログ開設者は、先行案件について、「本件のように申立人からの依頼があったような場合においても、ケースワーカーは申立人に対し、①社協に対する問い合わせは一般論としての問い合わせか、それとも申立人の具体的な事情に基づく問い合わせか、②申立人の具体的な事情に基づく問い合わせの場合には、申立人の個人情報を社協に説明することは差し支えないか、確認するのが適切であった」と当該案件を紹介するエントリーで論じたところである。

上記の指摘は申立人の不満にも通じると思われる。すなわち、先行案件でオンブズマンがこの点の指摘をしていれば、本件苦情申し立てはなされていなかったかもしれないからである。「超上客」のおもてなしとして、不十分だったのではあるまいか。

続いて、第2025-74号である。この案件では、申立人が「札幌市が組織全体として改善に取り組むよう、オンブズマンが助言や指導をいただければと強く希望している」として、申立人から「意見書を提出する」という名目で苦情が申し立てられた。申立人のオンブズマンに対する「信頼」が垣間見えるといえるかもしれない。なお、担当オンブズマンは、申立人に具体的な利害が発生していないという理由で調査をしない旨を通知した。

さて、この案件で興味深いのは、申立人が「現状の問題点」として、「私はこれまで4~5件の苦情申し立てを行ってきたが、市の担当課からの回答は、すべて『双方の主張に違いがあり、当時の記録が存在していないため判断できない』というものだった」と主張している点である。

ここでいう「苦情申し立て」とはオンブズマンに対する苦情であると思われる。しかしながら、申立人の苦情と当ブログ開設者が特定できた範囲では、「市の担当課からの回答」が「双方の主張に違いがあ(る)」という記述のある案件は見当たらなかった。むしろ、「双方の見解が異なっており、事実関係を確認できない」旨の言及は、オンブズマン判断の常套句かもしれない。たとえば、前述の第2025⁻69号にも、「その場にいないオンブズマンには事実を確認することができず、本件ケースワーカーの行為が(中略)不適切であるかどうかを判断することができません」という記述がある。

そこで、当ブログ開設者は、申立人が「市の担当課」と「オンブズマン」を混同しているのではないかと疑ったが、どうやらそうではなかったようだ。それというのも、今回の2025年11月終了分のエントリーの公開が遅々として進まない一方で、同年12月分の写しの交付を受けたところ、この案件の申立人による別件の苦情(第2025-79号)の存在が判明したからである。その案件において、申立人は市の職員課の対応にも苦情を申し立てている(この案件は、また次回のエントリーで紹介することにしたい)。したがって、申立人は「市の担当課」と「オンブズマン」の区分はできているようであった。

もっとも、、自らの不満が適切に対処されない不満を抱く市民がその不満を拡散させ、複数の部局に不満を伝えるのは、典型的な行動パターンの一つといえるかもしれない。ただし、あくまで当ブログ開設者が抱いた印象である(その典型的な受け皿が「市民の声を聞く課」である)。

なお、複数回の苦情を申し立てる「超上客」へのおもてなしのあり方については、次回のエントリーでも取り扱うことにしたい。ただし、オンブズマンには荷が重いかもしれない。そして、当ブログ開設者は気が重い。

-------------------------------------------------------------------------------------------------

①第2025-39号
 市が管理する公園内での写真撮影について、当該撮影が小冊子に掲載する公園紹介記事に利用するためのものであったとしても「使用料」の支払いが必要であること等について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

②第2025-50号
 サービス付き高齢者住宅の入居者が食事提供を断ったにもかかわらず事業者に支払った食事代の返還がなされないとして市の担当課に対応を求めたが、「役所には仲介する権限はない」として担当課による事業者への対応がなされないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

③第2025-51号
 札幌市電を定期券で利用している申立人が、イベントが開催されるたびに一部区間が運休されることを不服として苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

④第2025-58号
 生活保護を受給する申立人が、入居する居宅の修繕のために一時的に転居するための費用を保護費として支給することをを求める申請が妨害されたり、所持する金銭を保護課に申告するよう求める文書が送付されてくる等、一連の保護課の対応に納得がいかないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑤第2025-66号
 月寒体育館の利用状況に関して過去にオンブズマンに苦情を申し立て、調査結果を踏まえて担当課と協議したが、その際に決定された対応が徹底されていないとして苦情が申し立てられたケース。「オンブズマンが一度調査して結果を通知した事項」は「オンブズマンの行為に関する事項」(札幌市オンブズマン条例3条6号)に該当するとして調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑥第2025-67号
 生活保護受給者が現在居住する住居から退去を求められる可能性があるとして転居費用の支給を求めたが断られたとして苦情が申し立てられたケース。担当課に確認したところ転居費用が支給ずみであるとして調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑦第2025-69号
 オンブズマンの調査結果通知書を受領したが(おそらく第2025-57号)、オンブズマン調査に対する市の回答は事実と異なる点があるとして、市が事実関係を(申立人が訪問した際に対応に不信感を抱いた)社会福祉協議会に確認するようオンブズマンが市に対し助言または勧告することを求めて苦情が申し立てられたケース。「オンブズマンの行為に関する事項」はオンブズマンの所轄外であるとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑧第2025-70号
 生活保護受給者の生活品の移送を請け負ったがその対価が支払われていないとして、担当者から受給者に支払うよう伝えてほしいとして苦情が申し立てられたケース。オンブズマンから担当課と話し合うよう伝えたところ、苦情申立てが取り下げられた。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑨第2025-71号
 札幌市においては会計年度任用職員を各部署で個別に任用しているが、他の都市では一括で採用しているところもあるとして、一括募集ではない理由の説明を求めて苦情が申し立てられたケース。会計年度任用職員の「選考」という採用方法は、他の応募者とは異なる申立人自身の利益にかかる事案とは認められないとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑩第2025-73号
 市職員と申立人の対応記録に誤字があったことに関し、その後の市の対応が不十分であるとして苦情が申し立てられてケース。対応記録は申立人のために作成された文書でなく内部報告のために作成された文書であり、対応記録に誤字があったからといって申立人に不利益が発生しているとは認められないとして調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑪第2025-74号
 申立人が市職員の対応について担当課に苦情を申し立てた際(人事課の模様)、「双方の主張が食い違い、記録がないため判断できない」旨の対処がなされることに改善を求めるため、オンブズマンから市に対し指導や助言をすることを求めて「意見書」が提出されたケース。オンブズマンへの意見書として生活保護行政に関する「指導」を求める本件は、個別具体的な利害が発生しているとは言えないとして調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

2026/02/28

オンブズマン再任(2026年)

2026年2月27日、以下の議案が札幌市議会に提出され、同日、議会の同意を得た。これにより、梶井祥子氏(NPO法人理事、元大学教授)がオンブズマンとして2期目の委嘱がなされた(任期は2028年2月29日まで)。

2026年3月1日以降も引き続き1年間、神谷奈保子氏(オンブズマン2期目2年目・民事調停委員)、樋川恒一氏(オンブズマン1期目2年目・弁護士)との3名の体制で、札幌市オンブズマンの職務が遂行される。