2026/10/01

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札幌市オンブズマンによる調査内容を紹介するこのブログ、平成28年(2016年)4月以降に調査を終了した案件を紹介しているが、本ブログの開設者としては、このような作業には、主として以下の3つの意義があると考えている。

(1)オンブズマン「活動状況報告書」に掲載されない案件を紹介する
(2)オンブズマン「活動状況報告書」に掲載されない「市の回答」部分を紹介する
(3)「活動状況報告書」が発行されるよりも早くオンブズマン調査の内容を紹介する

以上を目的として、各月ごとに、調査を終了した案件を紹介するエントリーを作成してきた(なお、ブログ開設の意図については、「札幌市オンブズマン観察記はじめます」において、より詳しく説明している)。

しかしながら、このような紹介方法ではインデックス機能が弱く、同種の内容の苦情調査であっても、その終了月が異なる場合には両者を比較するのは困難であった。そこで、各年度に終了した調査を分野別に分類するエントリーを作成したものの、こうしたエントリーもまた、各月ごとのエントリーに埋没することが懸念されるところである。

以上のことから、このエントリーでは、これまで作成したエントリーを類型別に整理することで、読者の利便性を高めることを試みる。

各リンク先では、苦情の概要を紹介し、調査結果通知書等の全文のpdfファイルのリンクを張り付けてある。また、各月ごとに調査を終了した案件を紹介するエントリーにおいては、調査結果通知書等の1枚目の画像データも掲載してある。

読者諸氏においては、本ブログで紹介するデータを通じ、札幌市オンブズマンの活動状況を「観察」していただきたい。

〇オンブズマン調査の分野別分類

〇オンブズマン調査の調査終了時期別リスト
・2026年度
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・2025年度
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・2024年度
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・2023年度
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・2022年度
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・2021年度
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・2020年度
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・2019年度
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・平成30年度(2018年度)
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・平成29年度(2017年度)
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月
・平成28年度(2016年度)
 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月

〇オンブズマン調査の処理日数の状況
 ・年度別
  2022年度まで(最新版)
 ・オンブズマン別
  2022年度まで(最新版)


〇活動状況報告書・非掲載案件リスト
 2025年度(最新)

2026/09/30

2026年7月に処理を終了した案件

2026年8月1日、同年7月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、決定期間延長のうえ、2026年9月16日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(2026年7月)に処理を完了したのは12件で、このうち8件で調査結果が通知された。また、残る4件のうち2件については苦情について調査しない旨が通知され、1件については苦情申立ての取り下げに基づいて調査中止が通知された。さらに、1件については「明らかな間違い申立て」という条例に根拠のない取り扱いがなされている。

ところで、当ブログ開設者は、過去に札幌市オンブズマン制度の存在意義が「住民自治の実質化」にある、と論じたことがある(このエントリー)。どのような論理でその結論が導かれるのは当該エントリーで確認していただくとして、それはいわば、オモテの制度の存在意義である。

その一方で、制度のウラの存在意義として、「オンブズマンが何を理解していないかが可視化される」、という指摘もできるかもしれない。ただし、これはあくまでも札幌市オンブズマンの場合であるが、オンブズマンが何を理解していないかが可視化されることを契機として、行政担当者がオンブズマンにも理解できるか説明を考えることが、行政の「改善」(とりわけ、市民に向けた説明の改善)をもたらす可能性があると当ブログ開設者は考えている。

そして、今回公開を受けた案件にもそうした案件が存在するのである。

1.保護開始決定までの医療ニーズにどのように対応するのが適切か
まず紹介するのは、生活保護申請後、保護開始決定がなされるまでの期間において、当該申請者の医療ニーズにどのように対応するが適切かを考えさせる第2026-10号である(担当オンブズマン:梶井祥子)。

この案件では、生活保護の支給を申請した申立人が、申請後の医療・調剤の取扱いについて十分な説明を受けられなかったため、今後の取扱いについて説明を求める文書を提出したにもかかわらず提出後1週間が経過しても回答がないとして、今後の対応方針や回答時期についての説明を求めて苦情が申し立てられた。

この点、生活保護の開始が申請された場合、申請内容の審査をしたうえで要保護と判断された場合には、申請日にさかのぼって保護開始が決定される。したがって、申請日が「保護開始日」であるとすれば、申請日以後に「保護開始決定日」が存在するわけである。そして、保護が開始された場合には、必要に応じて「医療扶助」が給付されることになる(その手続については「市の回答」を参照されたい)。

ところで、国民健康保険法は国民皆保険の理念の下、「都道府県の区域内に住所を有する者は、当該都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険の被保険者とする」(同法5条)と規定するが、生活保護には「医療扶助」が存在することから、「生活保護法による保護を受けている世帯」(同法6条9号)は国民健康保険の適用除外とされている(このほか、健康保険をはじめとする被用者保険の被保険者等も適用除外とされている)。

そうすると、生活保護の開始を申請した者の場合はどうなるか。その者が国民健康保険の被保険者の場合には、申請時点では未だ「生活保護法による保護を受けて」いないことから、保護開始決定までの期間は「国民健康保険」の被保険者としての医療を受けることができる。

前述の用語を用いると、「保護申請日」から「保護開始決定日」までの間は国民健康保険による医療を受けることができるが、「保護開始決定日」以後は医療扶助の対象となるのが原則であり、「保護開始日」(=「保護申請日」)から「保護開始決定日」までの期間に国民健康保険から受けた医療の費用については、国民健康保険と「医療扶助」の間で清算される、ということである。

この点、本件調査においても、「市の回答」において以下の説明がなされている。

「保護申請後、保護開始決定までは、生活保護が適用されておらず、健康保険の状況に何ら変更はないことから、従前の健康保険証で受診した場合、その時点で保有している健康保険の負担率で受診となる場合もあります。」
「その後、保護の開始決定が行われると、保護から医療機関に医療券を送付し、被保護者が医療費を自己負担していた場合には、医療機関から被保護者に自己負担分を返還するよう依頼します。」

上記の説明にある「健康保険」は「国民健康保険」の誤記であると思われるが(健康保険の被保険者に対する保護開始が決定された場合には、その者は引き続き「健康保険」の被保険者にとどまる)、その点はともかくとして、本件苦情の前提事実においては、保護開始決定までは国民健康保険の被保険者証を提示することで医療を受けられる旨の説明がなされないまま、受診する医療機関によっては100%自己負担となる場合もあるという説明がなされるのみであった。この点、本件申立人の保護開始申請時点の担当者の説明は改善の余地があったと当ブログ開設者は考えている。

もっとも、市の回答においては、今後も、保護開始決定までの期間には国民健康保険の利用が可能である旨の説明をするという趣旨の記述はない。調査担当オンブズマンの梶井祥子も、(保護開始申請の時点で)「従前の保険証の負担率で受診できる可能性についても申立人に説明したうえで、医療機関への確認を提案するということもできたではないか」という、あくまで今回の個別案件についての見解を披瀝するにとどまっている。

しかしながら、当ブログ開設者は、保護開始申請の時点で医療ニーズの高い国民健康保険の被保険者に対しては、保護開始決定まではなお国民健康保険による受診が可能である旨を積極的に説明するのが適切だと考えている。また、申請が却下される可能性もあるのであり、保護開始決定があるまで申請者を「無保険状態」として取り扱うのは望ましいことではない。

なお、梶井祥子の判断にある「従前の保険証の負担率で受診できる可能性」や「医療機関への確認を提案する」という記述は、国民健康保険により受診する場合の自己負担割合があたかも受診医療機関の判断により左右されうることを前提としていると思われる。このような見解は、保護開始決定前に保護を受給できることを前提とした医療機関における取り扱い(したがって、国民健康保険を利用しない場合)との混同があり、妥当ではないだろう。

2.申立人の苦情の即した「市の回答」とは
次に紹介するのは、オンブズマンによる「調査の組み立て」に違和感を禁じ得なかった第2026-4号である(担当オンブズマン:梶井祥子)。

この案件では、申立人が居住する住宅の水道メーターに疑義があることに端を発して当該住宅の貯水槽が市に登録されておらず、保健所からは飲用を避けるようにという話あったものの、当該住宅の管理者による住民への周知がなされていないことについて、保健所が「住民への直接の周知は市の権限外」という対応であるほか、水道水の安全が確保されない住宅に居住することについて保護課の対応も不十分であるとして苦情が申し立てられた。

本件調査においては、当初、水道局の給水部と区の生活保護担当課を対象として調査が開始された後、保健所が調査対象部局に追加されている。このような展開になったのは、「札幌市水道事業給水条例」に小規模貯水槽水道(申立人の居宅の貯水槽はこれに該当する)の管理責任者の努力義務が定められているところ、調査過程において、適正な管理がなされていなかった場合に指導を行うのは、水道局ではなく保健所であることが判明したためと思われる。

そして、ここからが違和感を覚えた要因である。本件調査においては、区の生活保護担当課は別にして、水道局および保健所が実際に申立人および申立人の住居の貯水槽の管理責任者に対し具体的にどのような対応を行ったかについて、「市の回答」が欠落しているからである。

そのため、「調査結果通知書」の「市の回答」を読み進めても、小規模貯水槽水道の管理についての一般論は展開されるものの(その内容は「調査結果通知書」で確認されたい)、本件において担当部局が実際にどのような対応を行ったのかについては、「市の回答」における区の生活保護担当課が保健所とやり取りした経緯において間接的に触れられているに過ぎない。

こうした「市の回答」の構成は、申立人が貯水槽の管理の不備に対し市の権限行使が適切なされていないとして苦情を申し立てていることからすると回答として不十分であり、当ブログ開設者は、市の担当部局が実際にどのような対応を行ったかについての説明が必要不可欠であったと考えている。

ところで、以上の「オンブズマン」による調査の組み立てとは別に、当ブログ開設者には「市職員はもうひと工夫できたのではないか」の感じられた点がある。それは、それは生活保護を受給する申立人の居宅を担当者が訪問した際、「生活調査のために訪問した」旨をドア越しに告げたところ、居宅への立ち入りを拒否されたという経緯である。

この点、市の回答によると、申立人が「メガネを購入するための保護費の請求をしたい」というニーズを「市民の声を聞く課」に伝えていたために、担当者はそのニーズを把握していた模様である。で、あるならば、担当者は「生活調査のために訪問した」と伝えるよりも、「メガネの件で訪問した」と伝えていたならばどうだったか。少なくとも、申立人に対しては、「あなたがメガネの購入を希望していることは把握した」というメッセージを伝えることができたのではなかろうか。

もちろん、だからといって申立人の居宅に立ち入ることができたとは限らないとはいえ、市の回答における(立ち入ることができなかったため)「メガネの支給の要否について判断できなかった」という事情説明は、後づけの「いいわけ」だという印象を禁じ得ない。あくまで可能性に過ぎないが、ドアを開けるとメガネの購入費用が支給されるかもしれない(開けないと支給されない)と、申立人にドアを開けるよう誘引する働きかけ方はできたのではないか、と感じた次第。

3.何らの通知もなく処理を終了することは条例に抵触するのではないか
次に紹介する第2026-35号は、洗濯機が故障した生活保護受給者が家具什器費を請求したところ理由の説明もなく担当者に拒否されたとして、家具什器費を請求するための書面の交付を求めて苦情が申し立てられたケースである(担当オンブズマン:樋川恒一)。

担当オンブズマンは、様式の請求はオンブズマンによる苦情調査の対象にならないこと等を説明して申立人の了承を得たとして、「明らかな間違い申立て」という札幌市オンブズマン条例に何ら根拠がない取り扱いにより処理を終了した。

ところで、札幌市オンブズマン条例はオンブズマンの調査について、申立てに係る苦情およびオンブズマンの自己の発意に基づく事案について調査を実施することを規定している(同条例4条1号、同条2号、同条例17条2項)。また、何人もオンブズマンに苦情を申し立てることができるとされている(同条例14条)。

そして、申立てを受けたオンブズマンは、苦情申立人に対し調査しないとき(同条例17条1項)および調査を開始したが調査を中止したとき(同条例18条2項1号)には、理由を付してその旨を通知するとされている。また、調査を終了したときには、調査結果を通知することになっている(同条例21条1号)。

また、「調査しないとき」と「調査の中止」の異同は、オンブズマンが調査を開始する旨を調査対象部局に通知する(条例17条2項)前ならば「調査しないとき」、調査対象部局に通知した後ならば「調査中止」の扱いとなる(条例18条1項)点にある。

このように、札幌市オンブズマン条例は、いったんオンブズマンが苦情申立てを受け付けたからには、苦情申立人に対し何らかの「通知」がなされることを規定しているところ、本件苦情については「明らかな間違い申立て」であるとして、いずれの通知もされないまま調査が終了している。当ブログ開設者が「条例に何ら根拠ない取り扱い」と論ずる所以である。

当ブログ開設者は、こうした取り扱いについての疑義をオンブズマン事務局に対し照会しているものの、未だ納得できる回答を得ていない。機会があれば、その顛末を当ブログで紹介したい。

以上の疑義とは別に、本件苦情申立てには注目すべき点がある。それは、申立人が「この件について審査請求を行うため、まずは各什器費を書面で申請したく、様式を頂戴したい」と主張している点である。すなわち、請求を却下されないことには審査請求も行えないことを理解しているのであろうということである。

この点、当ブログ開設者は当初、本件苦情申立てを「審査請求」のための書面交付を求めているものと誤認した。どうやら、当ブログ開設者よりも本件申立人の方が制度に詳しい模様である。

なお、担当オンブズマンは、「まずは担当課あてに書式の請求を行い、提供に応じない場合はオンブズマン調査の対象になる」旨の説明を行ったうえで、申立人の了承のもと本件苦情を「明らかな間違い申立て」という処理をしているが、むしろ「申立ての取下げ」として扱う方が穏当であったと思われる。ただし、その場合も条例の規定上は「調査しない旨」の通知の発送が必要となると当ブログ開設者は考えている。

4.そのほかの注目案件
そのほかの案件では、令和7年度札幌市物価高対策臨時給付金(以下、「本件給付金」)について苦情が申し立てられた第2026-21号が興味深い(担当オンブズマン:樋川恒一)。

この案件では、令和8年1月1日の時点で生存し一人世帯主として市内に住民登録していた申立人の母(その後死亡)に本件給付金が支払われなかったとして、苦情が申し立てられた。

本件給付金をめぐっては、すでに別件の苦情が申し立てられている(第2026-7号、担当オンブズマン:梶井祥子)。この案件では、本件給付金に関するはがき(「支給のお知らせ」)が届いたところ、そこに記載された振込口座の氏名が「旧姓名」であったことから振込されない可能性を顧慮してコールセンターに連絡したが、そもそも「電子政府・マイナポータル・公金受取口座」を利用していればこのようなことにはならなかったとして苦情が申し立てられた。本件調査と併読すると、本件給付金支給のための「工夫」が垣間見えると当ブログ開設者は考えている(別件を紹介しているのはこのエントリー)。

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①第2026-4号
 申立人が居住する住宅の水道メーターに疑義があることに端を発して当該住宅の貯水槽が市に登録されておらず、保健所からは飲用を避けるようにという話あったものの、当該住宅の管理者による住民への周知がなされていないことについて、保健所が「住民への直接の周知は市の権限外」という対応であるほか、水道水の安全が確保されない住宅に居住することについて保護課の対応も不十分であるとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

②第2026-10号
 生活保護の支給を申請した申立人が、申請後の医療・調剤の取扱いについて十分な説明を受けられなかったため、今後の取扱いについて説明を求める文書を提出したにもかかわらず提出後1週間が経過しても回答がないとして、今後の対応方針や回答時期についての説明を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

③第2026-11号
 生活保護を受給している申立人が、すでに別件で申し立てている案件(第2025-121号)へ追加して、定期的に収入申告しているにもかかわらず複数月まとめて収入認定されたり、自立更生費の申請をしたにもかかわらず未だ決定がなされない等の点について苦情が申し立てられたケース。なお、別件は「自立更生計画書」を提出したにもかかわらずその後の処理状況についての説明や回答がなされない、という苦情である。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

④第2026-15号
 生活保護を受給する本人の「代理人」が、本人が施設に入所するにあたり、代理人への連絡も同意もなく本人の自宅の家財がすべて処分されたとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑤第2026-16号
 (おそらく町内会の役員を務める)申立人が、地域にある福音の狭い生活道路の除排雪が適切になされていないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑥第2026-17号
 マイナンバーカードの住所欄が満蘭になった申立人が、当初は再交付は無料と説明を受けていたにもかかわらず、その後の手続きで費用を請求されたとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑦第2026-20号
 生活保護を受給する申立人が、十分な説明や確認を受けることなしに住宅扶助の支給方法が代理納付から本人支払いに変更された結果、家賃を滞納し退去を求められているとして、変更の経緯の説明や代理納付の再開等を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑧第2026-21号
 令和8年1月1日の時点で生存し一人世帯主として市内に住民登録していた申立人の母(その後死亡)に令和7年度札幌市物価高対策臨時給付金が支払われなかったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑨第2026-22号
 市発注の歩道部の改修工事により、申立人が所有する月極駐車場の縁石が施工前より高いものになるとともに切り下げ部分が縁石の数が減る等、出入庫の際に支障が生じるようになったとして、縁石の変更を求めて苦情が申し立てられたケース。苦情申し立ての取下げにより、調査中止が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑩第2026-26号
 小学校の管理体制において、学校保健安全法に定められた「安全配慮義務」および「札幌市子どもの権利条約」(「条例」の誤記か?)への配慮が著しく欠如しているとして、苦情が申し立てられたケース。本件「苦情申立てについて、オンブズマンが調査することは簡易迅速に苦情を処理を行うこと(ママ)とする制度の趣旨と合致しません」として調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑪第2026-28号
 札幌市に在職中に受けたパワーハラスメントの通報を目的として苦情が申し立てられたケース。パワハラがあったのは1年以上前の出来事であるとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑫第2026-35号
 洗濯機が故障した生活保護受給者が家具什器費を請求したところ理由の説明もなく担当者に拒否されたとして、家具什器費を請求するための書面の交付を求めて苦情が申し立てられたケース。様式の請求はオンブズマンによる苦情調査の対象にならないこと等を説明して申立人の了承を得たとして、オンブズマンは「明らかな間違い申立て」という札幌市オンブズマン条例に何ら根拠がない取り扱いにより処理を終了した。(担当オンブズマン:樋川恒一)


2026/09/22

やっぱり梶井祥子には支援が必要なようだ(エクストライニング)

 「やっぱり梶井祥子には支援が必要なようだ」と題するエントリー、(上)(下)で完結させたつもりだった。しかし、それらの公開後にさらに展開があったので、その顛末を紹介する。「完結」と考えたのは、いささかせっかちだったようだ。

 紹介する内容は、①「札幌市オンブズマン室」に送った照会メッセージの内容、②それに対する「オンブズマン事務局」からの返信の内容、③オンブズマン事務局からの返信へのお礼、④札幌市市民文化局男女共同参画室男女共同参画課に宛てた照会に対する回答へのお礼(兼今回の発意調査に対する感想)である。時系列としては、①を送信後に④を送信し、②の返信を受信後、③の返信へのお礼を送信している。

 なお、オンブズマン室および男女共同参画課に対する照会は、2025年度に梶井祥子が実施した「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」と題する発意調査に関する事項である。

① 「札幌市オンブズマン室」宛の照会メール
 まずは、「札幌市オンブズマン室」に宛ててwebの問い合わせフォームから送った内容である。

「件名:発意調査における「基本方針」および「支援調整課」についての照会

 今般実施された札幌市オンブズマンの「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」と題する発意調査に関し、調査結果の市民向けた広報のあり方について苦情を申し立て、すでに調査しない旨の通知を受けたところではありますが、あらためて調査の内容につきまして、以下の3点について照会いたします。回答をよろしくお願いいたします。

(照会事項1)
 「調査の目的」には、「厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室によれば、国の基本方針として、民間団体を支援のプロフェッショナルと位置づけています」(結果通知書2頁、活動状況報告書51頁)とある。
ア ここでいう「基本方針」とは困難女性支援法7条1項に基づいて定められた「困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針」(令和5年3月29日・厚生労働省告示第111号)のことか。
イ 上記基本方針(厚生労働省告示)には「支援のプロフェッショナル」という記述はないが、「国の基本方針として、民間団体を支援のプロフェッショナルと位置づけて」いることを確認できる文書はあるか。あれば、当該文書の記載内容または当該文書を特定するために必要な情報。

(照会事項2)
 「調査の目的」には、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ、本市における困難な問題を抱える女性の支援の現状について調査を行ないます」(結果通知書2頁、活動状況報告書51頁)とある。
ア 「困難女性支援法に示された基本方針」とは具体的にどのような内容か。すなわち、同法は厚生労働大臣に基本方針を定めることを義務づけているものの、基本方針が「法に示された」わけではないのではないか(基本方針は「厚生労働省告示」である)。それとも、同法が「基本方針」そのものだということか。

(照会事項3)
 上記発意調査は、「調査の趣旨」、「市の回答」および「オンブズマンの判断」、の3部から構成されているところ、「調査の趣旨」、「市の回答」のいずれにおいても、「支援調整課」についての言及がないにもかかわらず、「オンブズマン判断」において突然「支援調整課」についての言及がある。
ア 本件発意調査の担当オンブズマン梶井祥子は、どのようにして「支援調整課」を知りえたのか
イ 「調査の趣旨」および「市の回答」において「支援調整課」についての言及がないのはなぜか。」

・・・いずれの照会事項も、(下)で論じた梶井祥子は基本方針を確認しているのか、さらに、「ワンストップ・サービス」が必要不可欠と論じるならば札幌市の庁内連携についても調査事項とする必要があったのでないか、という当ブログ開設者の疑念に基づいている。

② 「オンブズマン事務局」からの返信
 続いて、①の照会に対する返信である。オンブズマン本人からの回答がないことは折り込みずみであるが、事務局からの回答は「梶井祥子が基本方針を確認していない」という疑念を強めるものであると考えている(その理由は③で)。

「ホームページからのお問い合わせに対する回答について

 令和8年9月13日付けでホームページからお問い合わせいただいた「発意調査における「基本方針」および「支援調整課」についての照会」につきまして、下記のとおり回答いたします。

記

 オンブズマン調査に対する個別のご質問について、オンブズマンが回答することはありません。

 なお、ご質問について事務局では分かりかねますが、厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室が作成した資料「女性支援における都道府県・市町村・民間団体の役割分担(基本方針より)」において、民間団体は「都道府県・市町村と対等な立場で協働し、互いの活動を補完しながら支援を行う存在」「民間団体←プロフェッショナル」と記載されております。


 また、支援調整課を令和7年4月から全区へ設置することは、札幌市公式ホームページで公表されております。


③ 「オンブズマン事務局」からの返信へのお礼
 以上の返信(②)に対し、当ブログ開設者が送信したお礼の内容が以下である。

「2026年9月18日付回答文書(札オ第615号)へのお礼

 2026年9月18日付のオンブズマン事務局長名による回答文書(札オ第615号)を拝受いたしました。まずは、照会内容に関する資料2点についてご教示いただいたことにお礼申し上げます。

 このうち、厚労省の資料「女性支援と障害福祉との連携について」については、発意調査の苦情等調査結果通知書記載の2026年6月5日よりものちの同月17日の日付が記載されており、梶井祥子オンブズマンが発意調査を実施するにあたり、この資料そのものを参照することができなかったことは明らかです。
 しかしながら、同資料9頁記載の「女性支援における都道府県・市町村・民間団体の役割分担」のマトリクス図(民間団体について「支援のプロフェッショナル」という記載あり)は、従来、他の資料においても使用されてきているものと推察いたします。

 次に、札幌市における支援調整課の全区展開について記載された「令和7年度定数・機構編成の概要」については、「令和7年1月27日臨時市長記者会見記録」の「配布資料」であることが確認できました。
 頂戴した回答文書には直リンクの記載があるだけでしたが、このような記載の場合は、当該資料がどのような性格のものであるかわかりません。したがいまして、「札幌市公式ホームページで公表されております。」ということでご紹介いただきましたが、直リンクを張るだけでなく、市のwebサイトの階層構造をどのようにたどるとそのファイルを見ることができるか、明示する必要があると考えます。
 その一方で、今回の回答が「札幌市のwebサイトにアップロードされた資料から確認できます」といった記述ならば、直リンクのみで階層構造の説明は不要になりますが、その場合には当該資料がどのような資料であるか不明となることは前述のとおりです。

 なお、最後になりますが、今回の回答によっても、梶井祥子オンブズマンが「困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針」(令和5年3月29日・厚生労働省告示第111号)本文を確認していないのではないか、というわたくしの疑念を解消することはできませんでした。​」

・・・当ブログ開設者が梶井祥子は「基本方針」を確認していないのではないかという疑念を抱く理由の一つが、本件発意調査の「調査目的」において、「厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室によれば、国の基本方針として、民間団体を支援のプロフェッショナルと位置づけています」という記述があるものの、「基本方針」本文にはプロフェッショナルという文言が用いられていないからである。

 のみならず、「調査目的」には、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ、本市における困難な問題を抱える女性の支援の現状について調査を行ないます」という記述もある。しかしながら、「困難女性支援法」が「基本方針」を示しているわけではない。同法はあくまで厚労大臣に「基本方針」を定めることと義務づけていることにすぎない(同法7条1項)。このことも、梶井祥子が「基本方針」を確認していないのではないかという疑念を抱かせるものである(また、苦情等調査結果通知書においても、同項は参照条文への記載がない)。

 それが今般のオンブズマン事務局からの返信によって、厚労省の資料に「プロフェッショナル」の文言が用いられていることが明らかになった。これは大きな成果である。この点、オンブズマンの発意調査の苦情等調査結果通知書の日付(2026年6月5日)からすると、オンブズマン事務局から教示された厚労省資料(2026年6月17日)を参照することは不可能であるというおまけ付きである。

 それにもかかわらず、当ブログ開設者がオンブズマン事務局あてのお礼において「従来、他の資料においても使用されてきているものと推察」するという紳士的な対応をした。それは、(下)において、「厚労省の女性支援室が『基本方針』の解釈として民間団体は『支援のプロフェッショナル』であるという見解を示しているということだろうか」という推測が、まさにそのとおりという手ごたえを得たからである(なお、当ブログ開設者がお礼メールにおいて「支援のプロフェッショナル」という記載あり、と書いたのは明らかな誤りである)。

 結局のところ、厚労省資料の該当ページには、「女性支援における都道府県・市町村・民間団体の役割分担(基本方針より)」というタイトルが付されているが、そこにある「基本方針より」とは、基本方針に記載された内容をひとことで言うならば、都道府県が司令塔、市町村が最前線、民間団体が(支援の)プロフェッショナルという役割分担が図られる、といった趣旨、あるいは、「基本方針」においては、その前提として民間団体は(支援)のプロフェッショナルという位置づけである、といった趣旨と思われる。

 以上の次第で、当ブログ開設者は、梶井祥子が「基本方針」を確認していれば、そこで市町村にはどのような役割を果たすことが期待されているかを把握したうえで、より適切な調査項目を立てることができた可能性があると考えている。

 また、「支援調整課」の設置に関する文書(令和7年度定数・機構編成の概要)の記載内容も興味深い。そこには、「区支援調整課の全区展開 《 区)保健福祉部 》」について、「複合的な福祉課題等を抱えた市民に対する支援体制を強化するため、組織・分野横断的な調整を行う支援調整課を、試行導入していた4区から全区へ拡大」という記載がある。

 これに対し、梶井祥子は本件発意調査のオンブズマン判断において、「本市では複合的な福祉課題を抱える要支援者に対応する組織横断的な支援を行うための「支援調整課」を令和7年4月から全区役所の保健福祉部内に設置しています」と記述するが、このような記述では、「試行導入」なしに全区でいっせいに支援調整課を設置したかのような「誤読」を招く可能性がある。

 この点、(上)で紹介したように、当ブログ開設者から男女共同参画課に対して「支援調整課」を設置した日付と全区での設置にいたる経緯について照会したところ、同課の所管でないにもかかわらず、実に丁寧な回答を受けている。これは、オンブズマンが発意調査において適切に調査項目を立てていれば、同内容もしくはさらに詳細な市の回答を受けられたことを示唆していると思われる。しかしながら、梶井祥子がそうした調査項目を立てることがなかった要因の一つが、前述したように、「基本方針」を確認しなかったことにあると当ブログ開設者は考えている。

④ 「男女共同参画課」へのお礼
 それでは最後に、男女共同参画課に宛てて送信したお礼のメッセージを紹介する。これまでの一連のやり取りを経た当ブログ開設者の「到達点」(の一つ)が示されていると考えている。

「札幌市市民文化局
 男女共同参画室

 男女共同参画課 御中

 2回にわたる照会に対し、丁寧な回答をありがとうございました。2回目の照会への回答を頂戴した後、 (照会内容は、オンブズマンの発意調査の過程で「支援調整課」について説明を行った事実はあるか)困難女性支援法7条1項に基づき定められた「基本方針(以下、「基本方針」)」と、「第5次男女共同参画さっぽろプラン」を確認いたしました。

 また、再度、今回の発意調査における「本市における女性支援施策について」も確認し、感じたことをお伝えしようと考えました。そこで、このメールを認めております。

 まず、ひとくちに「困難女性に対する支援」といっても、①「女性ならでは」の事情によって困難に直面している当事者に対する支援、②なんらかの事情により「困難に直面している」女性に対する支援という、性格の異なる支援があるのだろうと感じました。

 そのうえで、札幌市の男女共同参画室の所管はおもに①である一方で、②については、他の局の扱いになるところ、札幌市における庁内の連携をいかに行うかが、今後の課題なのだろうと感じた次第です。

 それと申しますのも、まず、「基本方針」では、「市町村は、支援対象者にとって最も身近な、支援の端緒となる相談機能を果たすとともに、困難な問題を抱える女性の支援に必要となりうる児童福祉、母子福祉、障害者福祉、高齢者福祉、生活困窮者支援、生活保護等の制度の実施主体であり、支援の主体でもあることから、支援に必要な制度を所管する庁内関係部署はもとより、幅広い部署がそれぞれに主体性を発揮し、相互に連携の上、支援対象者が必要とする支援を包括的に提供する」と書いてあります。

 その一方で、「男女共同参画さっぽろプラン」および今回の発意調査に列挙された「事業」や「支援策」は、上記①の支援に傾いている印象を受けました。

 そして、それはおそらく男女共同参画室の所管がおもに①であることに由来するからであろうというのが、わたくしの感じたところです。

 この点、子ども未来局が所管する「単親世帯」に対する支援は、「単親世帯」においては圧倒的にシングルマザーの割合が高いため、①の性格が強く、そのため、「男女共同参画さっぽろプラン」および今回の発意調査に列挙された「事業」や「支援策」に含まれる一方で、障害者や高齢者に対する支援のような、保健福祉局の所管については②の性格が強く、「女性ならでは」の事情による支援という①の性格が強くないため、そこから漏れたのだろうと推測しています。

 なお、この点に関しては、保健福祉局においては、局内において制度横断的な支援を行うことを目的として、「支援調整課」を設置したという状況であると思われます。

 以上、縷々述べてまいりましたが、必ずしも「女性ならでは」の性格が強くない施策は、男女共同参画室の視野に入りにくいかもしれないと感じたわけですが、これはあくまでも、わたくしの仮説です。

 それでもなお、前述の①②の区分は、わたくしが今後、行政による困難女性に対する支援を考える上で、有効な区分になるだろうと考えております。

 最後になりますが、今回の発意調査に接し、調査担当の梶井祥子は基本方針の内容を把握しているのか、疑問が残りました。

 しかし、それでもなお、梶井祥子の目に何が見えていないかを考えることは、わたくし自身の理解を深めたと考えております。

 以上の次第で、今般のわたくしの照会に対し、親切な回答を頂戴したことへのお礼を込めて、わたくしの所感をお伝えしようと考えました。このたびは、本当にありがとうございました。

追記
 もし上記の内容に明らかな事実誤認があれば、その旨、ご指摘頂けると幸いです。」

2026/09/14

やっぱり梶井祥子には支援が必要なようだ(下)

 このエントリーは、もともと1件のエントリーとして公開した内容が長くなりすぎたので、(上)(下)に分割した後半である。

 (上)では、梶井祥子が行った「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」に関してオンブズマンに苦情申立てを行うとともに、当該調査の調査対象部局等に対する照会を行った顛末について執筆した。(下)では、当該発意調査に対する批判を展開する。

3 梶井祥子は「基本方針」を確認しているのか
 予定どおり続くことになったこのエントリー、続いての論点は、本件発意調査における「基本方針」の位置づけについての疑義である。

 まず、困難女性支援法7条1項は、「厚生労働大臣は、困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない」と規定する。また、基本方針においては、「市町村基本計画の指針となるべきものを定めるものとする」(同条2項)とされている。

 これに対し、梶井祥子は本件発意調査の「調査の目的」において、「厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室によれば、国の基本方針として、民間団体を支援のプロフェッショナルと位置づけています」と論じている。

 しかしながら、困難女性支援法7条1項に基づいて定められた「基本方針」(「困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針」令和五年三月二十九日・厚生労働省告示第百十一号))において、「支援のプロフェッショナル」という言い回しは使われていない。これは、厚労省の女性支援室が「基本方針」の解釈として民間団体は「支援のプロフェッショナル」であるという見解を示しているということだろうか。それとも、梶井祥子のいう「国の基本方針」とは、困難女性支援法7条1項に基づいて定められる「基本方針」とは別ものなのだろうか。

 また、梶井祥子は同じく「調査の目的」において、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ、本市における困難な問題を抱える女性の支援の現状について調査を行ないます」と論じている。

 しかしながら、基本方針は「困難女性支援法に示された」わけではなく、困難女性支援法7条1項に基づき定められ「厚生労働省告示」として公示されたものである。したがって、梶井祥子は「基本方針」の法的性格自体を理解していないことを推測させる。

 このことは、「苦情等調査結果通知書」記載の【参照条文等】に困難女性支援法7条1項および2項が引用されていないことからもうかがえる。

 ところで、すでに2で紹介したように、本件調査において梶井祥子は、「調査の趣旨」にも「市の回答」にも記述のない「支援調整課」について、突然、「オンブズマン判断」で論じ始めている。そこでは、「庁内横断的な連絡網として、支援調整課を活用している民間団体の例もあり、これはワンストップセンター機能のモデルになるものと考えます」と、梶井祥子は同課に一定の意義を認めている。

 この点、「基本方針」において、「第2 困難な問題を抱える女性への支援のための施策の内容に関する事項」の「2 国、都道府県及び市町村の役割分担と連携」において、「市町村は、(中略)支援に必要な制度を所管する庁内関係部署はもとより、幅広い部署がそれぞれに主体性を発揮し、相互に連携の上、支援対象者が必要とする支援を包括的に提供する」こと、さらに、「庁内での情報連携及び支援方針の決定が円滑に行われるよう、関連部署が参加する会議の開催等の工夫に努める」ことが示されている。

 梶井祥子も、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ」て調査を行うというならば、札幌市が「幅広い部署が(中略)相互に連携の上、支援対象者が必要とする支援を包括的に提供する」ためのしくみや、「関連部署が参加する会議の開催等の工夫」について、調査してしかるべきであったと思われる。

 しかしながら、今回の発意調査の「調査事項」からは、札幌市における庁内連携のしくみがすっぽりと抜け落ちている。当ブログ開設者が、梶井祥子は「基本方針」を確認していないのではないかと考える所以である。

 しかも、梶井祥子は「困難な問題を抱える女性に対し、必要な支援を切れ目なく提供できる体制の構築のためには、包括的なハブとなる『ワンストップ・サービス』の機能が必要不可欠」という「問題意識」を享有している。

 「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ」て調査を行うというからには、「基本方針」における「ワンストップ・サービス」の位置づけについて、その旨の記述があるか否かを含めて、予め確認してしかるべきだったと思われる。しかしながら、当然ながら、本件発意調査にはそのような作業を行った形跡はない。

 以上の次第で、当ブログ開設者は、梶井祥子には本件発意調査を実施する以前に、調査をどのように設計するかの支援が必要だったと考えるのである。

4 「ワンストップ」を定義せよ
 本件発意調査の致命的な欠点はほかにもある。それは、「調査の趣旨」の段階で、「ワンストップ・サービス」の定義がなされていないことである。

 すなわち、梶井祥子は「困難な問題を抱える女性に対し、必要な支援を切れ目なく提供できる体制の構築のためには、包括的なハブとなる『ワンストップ・サービス』の機能が必要不可欠である」という問題意識を享有している。

 しかしながら、ここでいう「包括的なハブ」とは、いったい何を意味しているのか。また、なぜ「ワンストップ・サービス」の機能が必要不可欠なのか、あるいは、「ワンストップ・サービス」の機能があれば「必要な支援を切れ目なく提供できる」理由についても説明がない(提供可能な支援に「切れ目」があれば、「ワンストップ・サービス」が提供されても支援の「切れ目」を埋めることはできないということである)。

 この点、「ワンストップ」という概念については、「オンブズマン判断」において、「『相談窓口の一本化』や『様々な情報が一元的に集約している場所』といったワンストップ機能」という記述にその答え(の一部)が見出される。しかし、そこで論じられているのは「ワンストップ機能」についてであり、「問題意識」で示された「ワンストップ・サービス」についての説明ではない。

 また、「調査の趣旨」で用いられていた「ワンストップ・サービス」の用語は「オンブズマン判断」においては消滅し、「オンブズマン判断」では、「ワンストップ機能」「ワンストップセンター」「ワンストップセンター機能」という用語が用いられている。しかしながら、それらの用語がどのような含意で区別されているのかは、必ずしも明確ではない。おそらく、「概念は文脈から読み取れ」、ということなのであろう。

 そして、「ワンストップ機能」の延長線上で、「必要な関係各部署に連絡できるキーパーソンの配置」や「庁内横断的な連絡網」といった民間の支援団体からの要望は紹介されるものの、「ワンストップ・サービス」の必要不可欠性や、「ワンストップ・サービス」により必要な支援が切れ目なく提供できる理由についての説明は、なされないままなのである。

 とはいえ、オンブズマン判断においてようやく、ワンストップセンターを設置することについて、「支援される側としての大きなメリットは、アクセスがスムーズにできるようになることです。どこへ相談してよいかわからないという対象者の最初の受け皿として、交通整理の役割が期待できる」と同時に、「支援する側である支援団体にとっても、一時保護所やシェルターの空室情報がすぐにわかるといったメリット」が指摘されている。しかし、これらは本来、「調査の趣旨」ではじめに論じておくべきことであろう。

 なお、当ブログ開設者は、相談を受けて情報提供を行う窓口を設けたとしても、「解決」のためには次の窓口で相談する等のステップを踏む必要があるならば、相談・情報提供を行う窓口を「ワンストップ」と呼ぶのが適切か、という疑問をいだいている。

 もっとも、このような理解はできるかもしれない。梶井祥子のように要領を得ない話を延々と垂れ流す人物に対しては、その要所をクリティカルに理解するためにも辛抱づよく話に耳を傾け、多様な可能性に思いを至らせることこそが、「ワンストップ」なのである、と。だとすると、梶井祥子の本件発意調査は、「ワンストップ」の重要性を世に示す実践と評価することができるかもしれない。

5 どのように調査を設計すべきであったのか
 それでは、最後に調査をどのように設計すべきであったか、当ブログ開設者の見解を示してこのエントリーを締めくくりたい。

 おそらく梶井祥子は本件発意調査において、総花式に多様な論点を指摘したかったのだと思われるが、むしろ論点を絞り込んだほうが有益な調査になったと思われる。また、論点を絞り込むならば、①困難女性へのワンストップ対応のために市がどのような取り組みをしているか 、あるいは、②官民連携の実効性を高めるために市はどのような取り組みをしているか、いずれかにすると、梶井祥子の問題意識をよりいっそう掘り下げることができたと思われる。

 いずれにしても、オンブズマンの調査としては、「札幌市の取り組み」をその対象にするということである。

 この点、梶井祥子は札幌市オンブズマンの役割を誤解しているのではないか、という印象を当ブログ開設者は抱いている。それは、梶井祥子が2025年度の活動状況報告書の巻頭言において、「2025 年4月1日に『札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例(つながるさっぽろ条例)』が施行されました。オンブズマン室の活動は、多様な人々のつながりを途切れさせないためにも重要な役割を果たしています」と書いているからである。

 しかしながら、同条例に基づいて「多様な人々のつながりを途切れさせない」ための重要な役割を果たすべきは市であって、オンブズマンは市がそうした役割を適切に果たしているか、監視し、改善を図ることなのではないか。

 また、「人々のつながりを途切れさせない」という割には、「オンブズマンの負担が荷重(ママ)になる」であるとか、「家庭裁判所で相手方と係争中である」のように、条例解釈として妥当性が疑わしい理由によって苦情調査を行わなかったのは梶井祥子である。オンブズマンの調査対象となりうる苦情の申立人と市のつながりを途切れさせたのは、他ならぬ梶井祥子といってよいだろう。

 それにもかかわらず、「重要な役割を果たしている」という自己認識が導かれるのは、「今回の発意調査は、行政の施策と民間団体の実践をより有効に架橋する方法を模索する試みでもありました」(オンブズマン判断の「総括」)という、梶井祥子の「自負」に由来するのかもしれない。その一方で、「庁内連携」への興味関心が希薄なことを見逃すことはできない。

2026/09/12

やっぱり梶井祥子には支援が必要なようだ(上)

 先日アップしたブログエントリー(支援が必要なのは他ならぬ梶井祥子かも)において、梶井祥子が行った発意調査(タイトルは、「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」2025-発1号)に関して苦情申立てを行ったことと、発意調査の担当課に「男女共同参画室男女共同参画課」対する問い合わせをしたことを紹介した。このエントリーは、その顛末である。

1 オンブズマンへの苦情申立て
 まず、オンブズマンに対する苦情申立てである。この苦情は、発意調査の「苦情等調査結果通知書」記載の【参照条文等】と、「札幌市オンブズマン活動状況報告書」記載の発意調査の【参照条文等(抜粋)】に齟齬がある、とくに、活動状況報告書記載の条文は(抜粋)したものであるのに、オリジナルの調査結果通知書にその条文の記載がないのはいったいどういうことなのか、疑念を抱いたことに端を発している。

 この点についてオンブズマン事務局に照会したところ、「梶井祥子オンブズマンが掲載するように横車を押した」という趣旨の回答を受けた。また、「横車」を押したのは、「当該報告書を読んでいただく市民の方に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の目的及び理念をお伝えするため」ということであった(なお、オンブズマン事務局は「横車」という表記をしていないので念のため。「横車」はあくまで、当ブログ開設者の「評価」である)。

 そこで、当ブログ開設者は、梶井祥子が横車を押したことおよび活動状況報告書には未記載だが調査結果通知書には記載されている市民によって有益と思われる条文をwebに掲載することを求めて苦情を申し立てたわけである。

 当該苦情の担当オンブズマン樋川恒一は、予想していたとおり調査を実施しなかった。なお、調査を実施しなかった理由は以下のとおり。

「申立人は、令和7年度活動状況報告書に掲載された発意調査の 【参照条文(抜粋)】という記述が、読むものに誤解を与える可能性が高いことから、市のオンブズマン制度のwebサイトに、当該発意調査の【参考条文(抜粋)】を掲載した理由を明示するとともに、 当該webサイトに調査結果通知書の【参考条文等】に記載された他の条項も紹介することを求めて、本件苦情を申し立てられました。

 オンブズマンの活動状況は、毎年、市長と議会に報告し (札幌市オンブズマン条例(以下、「条例」という。)第26条)、これを公表することとなっています(条例第27条第1項)。この報告や公表は、「苦情申立ての件数、苦情申立てに係る調査の件数、オンブズマンの発意に基づく調査の件数、勧告、意見表明及び是正等の措置の状況の報告の要旨その他オンブズマンが必要と認める事項について行うものとする」とされています (札幌市オンブズマン条例施行規則第16条及び第17条)。活動状況報告書は、上記報告や公表のために作成されています。

 本件苦情申立ては、活動状況報告書を読む方々が理解しやすい掲載の在り方に関する提言であると認められ、申立人が、市の機関や職員の行政上の行為によって、その権利または利益を侵害されたものではないと考えます。このため、本件は、苦情申立人が「申立ての原因となった事実についての利害を有しないとき」(条例第16条第1項第1号)に該当すると認められることから、同条第1項に基づき調査しないことといたしました。どうぞご理解いただきたいと思います。」

 ・・・・・「苦情申立てに成果あり!」である。それは、当ブログ開設者は札幌市オンブズマン条例施行規則16条はノーチェックだったからである。なるほど。「オンブズマンが必要と認める事項」であれば、活動状況報告書の記載内容についてオンブズマンが「横車」を押すことも正当化されるようだ。

 成果はもう一つある。それは、苦情申立てにおいては、「【参照条文等(抜粋)】は、(中略)『オンブズマンから(中略)掲載するよう指示を受け、掲載した』旨を明示すること」を求めているのに対し、「オンブズマン判断」においては、申立人が「発意調査の【参照条文(抜粋)】を掲載した理由を明示する」ことを求めたことになっているからである。

 これは樋川恒一オンブズマンにとっては、【参照条文等(抜粋)】の掲載についての「オンブズマンの指示」は、直視できない事実だったのかもしれない。しかし、「オンブズマンの指示によって掲載した」という事実を明示することを求める苦情について、「【参照条文(抜粋)】を掲載した理由」を明示することを求める苦情と解するのは、「苦情申立ての趣旨」をねじ曲げたと解する余地はありそうである(が、ねじ曲げざるを得なかった、との評価も可能かもしれない)。

 結局、本件苦情は「活動状況報告書を読む方々が理解しやすい掲載の在り方に関する提言」であるとして、申立人に権利利益の侵害がないことを理由に調査は実施されなかった(梶井祥子は樋川恒一オンブズマンから大きな「支援」を得た、といえようか)。

 もっとも、「オンブズマンの行為」というオンブズマンの所轄外の事項であることが調査をしない理由とされなかったのは、前述したように、本件における「オンブズマンの指示」という「オンブズマンの行為」は、樋川恒一オンブズマンからみても是認できないという前提があったからではないかと当ブログ開設者は推測している。もちろん、牽強付会であるという批判は甘受する。

2 発意調査の担当課等への照会
 つづいて、オンブズマンが発意調査を実施した担当課(市民文化局男女共同参画室男女共同参画課)に対し、今回の発意調査において、オンブズマンはこの点についても調査すべきだったであろうと当ブログ開設者が感じた3点について照会した。

 照会した内容は、①札幌市における女性支援相談センターの設置について、②札幌市が各区に「支援調整課」を設置した時期、③個別案件の取扱い時の個人情報の取扱い、についてである。

 このうち、②支援調整課の設置時期については、照会してから「しまった!」と思ったものの、この点を含めて、実に丁寧な回答を得られた。「しまった!」と思ったのは、支援調整課については、発意調査の「調査の趣旨」(オンブズマンによる論述)にも「市の回答」(担当部局による説明)にも一切登場しておらず、「オンブズマン判断」になって突然登場しているところ、「男女共同参画課」の所轄する業務ではないと気づいたからである。

 それでは、回答内容である。

「日頃より、本市の女性支援行政に深いご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。ご質問いただきました内容につきまして、以下のとおり回答いたします。

①
ア 札幌市における女性相談支援センターの設置の有無
 現在、本市に女性相談支援センターは設置しておりません。

イ 設置していないならばその理由および今後の設置予定の有無
 広域自治体である北海道が既に「北海道立女性相談支援センター」を設置し、専門的な判定や一時保護といった機能を担っております。本市が新たに同等のセンターを設置することは、北海道との二重行政を招く懸念があるため、設置しておりません。
 本市では、最も身近な相談窓口として各区保健センターに母子・婦人相談員(女性相談支援員)を配置して相談対応を行い、一時保護等の対応が必要と判断した場合には、適切に道のセンターへ引き継ぐこととしています。
 現時点において新たに市独自のセンターを設置する予定はございませんが、引き続き北海道や関係機関、民間団体等と連携し、包括的な支援体制の強化に努めてまいります。

②
ア 各区で支援調整課を設置した日付
 令和4年4月1日に北区及び東区の2区でモデル的に設置し、令和5年4月1日には厚別区及び南区を加えた計4区へ拡大いたしました。その後、令和7年4月1日に残りの6区へ設置し、全市展開を行いました。
 なお、札幌市公式ホームページに記載されている内容は、令和5年度の情報から更新されておりませんでした。誠に申し訳ございません。現在は情報の更新が完了しております。

イ すべての区で支援調整課の設置に至るまでの事情
 少子高齢化や核家族化の進行といった社会的な変化を背景に、複合的な福祉課題等を抱えた世帯が増加する中、これまでの区役所の組織体制では十分な対応が難しいことが課題となっておりました。
 そこで、区保健福祉部における組織横断的なマネジメントや、支援に携わる関係課職員へのバックアップ機能を担い、複合的な福祉課題のある方々への支援を推進する支援調整課を設置することとなり、前述のとおり、一部の区でのモデル実施を経て、令和7年度から全市展開を行っております。
 なお、「支援調整課」に関しては、保健福祉局総務部総務課が所管しております。
 今回は男女共同参画課より併せてご回答申し上げましたが、今後同件に関しましてご不明な点や追加のご質問がございましたら、恐れ入りますが下記担当課へ直接お問い合わせいただきますようお願いいたします。

【お問い合わせ先】
保健福祉局総務部総務課
電 話(略)
メール(略)

③
ア 市が困難女性に関する個別案件を民間団体に取り次ぐことの有無
 相談者の状況に応じて、個別案件を民間団体へ取り次ぐことがございます。

イ その場合に個人情報の取扱いに留意している点
 困難女性支援法に基づく国の基本方針では、関係機関による情報共有にあたり本人同意等の適正な取扱いを求めていることから、本市では事前に本人の同意を得ることを原則としております。
 同意のない情報共有は、個人情報保護や相談者との信頼関係を損ねるため原則として行っておりません。今後も個人情報の適正な管理のもとで連携に努めてまいります。

 今後とも、本市の女性支援行政につきまして、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

札幌市市民文化局男女共同参画室男女共同参画課
TEL:(略) FAX:(略)」

 ・・・・・いかがであろうか。実に丁寧な回答である。

 さて、そうすると次の疑問である。「調査の趣旨」にも「市の回答」にも記述のない「支援調整課」について、オンブズマンはどこでその知見を得たのであろうか。そこで、本件発意調査の過程で、市の担当部局がオンブズマンに「支援調整課」について説明した事実の存否について、男女共同参画課および保健福祉局総務部総務課に照会することにした。

 まず、照会翌日に【保健福祉局総務部総務課】から回答があった。

「日頃より本市の市政に対し、ご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。お問合せいただいた件について回答いたします。

 保健福祉局総務課からオンブズマンに対し、「支援調整課」について説明を行った事実はありません。

 どうぞよろしくお願いいたします。

札幌市保健福祉局総務課
メール:(略)
電話:(略)」

 つづいて、照会翌々日の【男女共同参画課】からの回答である。

「日頃より、本市の女性支援行政に深いご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。また、先般の回答につきましてご丁寧なご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

 今回の調査過程の状況を改めて振り返り確認いたしましたが、当課から『支援調整課』について説明を行った事実はなく、ヒアリングの席で『支援調整課』が話題にのぼった認識もございません。したがって、お問合せいただいたご認識のとおりで相違ございません。

 今後とも、本市の女性支援行政につきまして、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

札幌市市民文化局男女共同参画室男女共同参画課
TEL:(略) FAX:(略)」

 ・・・・・というわけで、どちらの部局もオンブズマンに「支援調整課」について説明した事実はない。おそらく、オンブズマンは本件発意調査に際し独自に実施した民間の支援団体に対するアンケートおよびヒアリングによって、「支援調整課」について知見を得たのであろうと当ブログ開設者は考えている。

 とはいえ、そのオンブズマンの知見には問題がある。それというのも、発意調査の「オンブズマン判断」には「本市では複合的な福祉課題を抱える要支援者に対応する組織横断的な支援を行うための『支援調整課』を令和7年4月から全区役所の保健福祉部内に設置しています」という記述があるからである。こうした記述は、全区が同時に「支援調整課」を設置した趣旨であると理解するのが、もっとも一般的な理解である思われる。

 しかしながら、「男女共同参画室」から1回目の回答にあるように、「支援調整課」は段階的に設置されてきたのである。オンブズマンがそのことを認識していれば、「オンブズマン判断」のような記述はしなかったであろう(この点を問い合わせると、「全区への設置が完了したのが『令和7年4月』ということを述べたものであり、同月にいっせいに設置したことを述べているわけではない」という「言い訳」が返ってくるか、まったく対応しないかのどちらかになるだろう)。

 また、所管部局に説明する機会を設けることもなく、「本市では複合的な福祉課題を抱える要支援者に対応する組織横断的な支援を行うため」の支援調整課を設置したと論ずるのも、慎重さに欠けると思われる。

 むしろ、オンブズマンの「問題意識」として、「困難な問題を抱える女性に対し、必要な支援を切れ目なく提供できる体制の構築のためには、包括的なハブとなる『ワンストップ・サービス』の機能が必要不可欠である」という見解を示し、オンブズマン判断において支援調整課は「ワンストップセンター機能のモデルになるものと考え(る)」ならば、本件発意調査において、「支援調整課」の設置の経緯や現実に行っている職務内容について担当部局からの説明を受けなかったのは、本件発意調査には致命的な設計ミスがあったからだと当ブログ開設者は考えている。梶井祥子が調査を設計するための「支援」が不十分だったのではなかろうか。

 ・・・・・このエントリー、ここでいったん公開することにするが、おそらく、さらに続くことになるはず。

【2026.9.14追記】
 結局その後、エントリーを分割し、(下)を執筆した。そこでは、梶井祥子の本件発意調査に対する批判を展開している。