2020/07/31

2020年6月に調査を終了したケース

2020年7月1日、同年6月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、同年7月15日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(2020年6月)に調査を終了したのは6件で、このうち4件で調査結果が通知されている。また、残る2件のうち、1件は申し立ての取り下げ、1件は調査しない旨が通知され、調査が終了している。

ところで、今回の公開分には、特別定額給付金に関するものが2件ある。このうち1件は、入金に時間がかかっているという苦情であるが、苦情を申し立ても入金が早まることはない等の説明を受け、申し立てが取り下げられた(第2019-12号)。もう1件は、この事業を実施するにあたっての札幌市の対応に関し、複数の点について苦情が申し立てられた(第2019-10号)。

オンブズマン制度の利用方法としては、自らが申立人として苦情を申し立てる(一時利用)のが一般的な利用方法である。これに対し、当ブログ開設者が行っているように、札幌市がどのような業務を行っているか知るためにオンブズマン調査に関する文書の公開請求を行う利用方法(二次利用)は、札幌市がどのような業務を行っているかを可視化する効果を有している。

このことは、札幌市情報公開・個人情報公開審査会も、公文書一部部公開決定に対し当ブログ開設者が行った審査請求への答申において、「市民が、市に対する苦情内容や当該苦情に対する市の対応を知ることは、(札幌市情報公開)条例の目的である、市政についての市民に対する市の説明責任の全うと、市民の参加と監視の下にある公正で民主的な市政の発展に資するものである」ことを認めている(2019年12月12日付・札情審査第34号)。

このような観点からは、特に第2020-10号の申立人は、札幌市における特別定額給付金事業がどのように実施されたかを可視化することに大きく貢献することになった。また、市にとっても、調査の過程において、業務の実施状況を説明する機会が付与されることになったが、その説明内容が、申立人に対してだけではなく、不満を抱えながらも苦情を申し立てるまでには至らない市民に対しても、説得的なものであることを期待する。

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①第2020-7号
 2020年に実施された第71回さっぽろ雪まつりにおいて「アイヌ文化魅力発信イベント」が開催されたが、札幌アイヌ協会に所属するアイヌ民族の方々が「このイベントから外された」という不満を抱いているとして、このイベントの経緯や市の見解についての説明を求めて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

②第2020-9号
 申立人の自宅隣の幼稚園が幼保連携型認定こども園へ移行するに際し、地域住民の意向が十分に反映されていないとして、市が事業者に対しどのような指導をしているのか明らかにすることを求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

③第2020-10号
 特別定額給付金の振込先口座確認書類についての説明が総務省の説明と食い違っていること、申請書が届くのが遅いことのほか、申請書の配送業務を民間に委託したこと等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

④第2020-11号
 生活保護を受給する申立人が、ケースワーカーによる家庭訪問が行われていないことを監査の対象とするよう保護自立支援課に依頼したにもかかわらず、監査が行われなかったこと等が苦情として申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)


⑤第2020-12号
 特別定額給付金が2週間たっても振り込まれないという苦情について、振込に当初の見込み以上に時間がかかっていること及び苦情申立てをすることで振り込みが早まることはないこと等を説明したところ、申立てが取り下げられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

⑥第2020-15号
 申立人の債権者には収入があるにもかかわらず生活保護を受給している旨通報したが、生活保護の審査がずさんであるとしてあるとして苦情が申し立てられたケース。申立人の債権者が生活保護を受給することに申立人は利害関係がないとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

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