例年、年度ごとに札幌市オンブズマンの苦情処理日数の状況を紹介してきたところ、2022年度の状況については半年以上も放置してきた。その事情については機会があれば「言い訳」するとして、遅ればせながらとりまとめた処理日数の状況を以下に紹介する。
まず、(表1)の「結果通知処理件数」は、「苦情申立件数」のうち、オンブズマンが「苦情等調査結果通知」を発送して調査を終了した案件の件数である。ここでいう「処理日数」とは、原則として苦情申し立てを受理した日から、「苦情等調査結果通知書」の発送までに要した日数である。申立人に苦情の内容を確認するために要した日数等は算定から除外している。
また、札幌市オンブズマンの制度が発足した初年度の2000年度は、3月に制度がスタートしたため運用期間が1か月間にとどまっている。そのため、この期間は便宜的に2001年度と合算し(13か月間)、以後の各年度は当該年度の12か月間に申し立てられた案件の処理状況を計上している。なお、件数は申立時点が基準である。
さて、2022年度における札幌市オンブズマンの苦情申立件数は、2年ぶりに100件を切り94件となった。このうち、調査を実施し苦情等調査結果通知書を通知したのは71件である。したがって、「苦情申立件数」に対する「結果通知処理件数」の割合は、75.5%となっている。
まず、(表1)の「結果通知処理件数」は、「苦情申立件数」のうち、オンブズマンが「苦情等調査結果通知」を発送して調査を終了した案件の件数である。ここでいう「処理日数」とは、原則として苦情申し立てを受理した日から、「苦情等調査結果通知書」の発送までに要した日数である。申立人に苦情の内容を確認するために要した日数等は算定から除外している。
また、札幌市オンブズマンの制度が発足した初年度の2000年度は、3月に制度がスタートしたため運用期間が1か月間にとどまっている。そのため、この期間は便宜的に2001年度と合算し(13か月間)、以後の各年度は当該年度の12か月間に申し立てられた案件の処理状況を計上している。なお、件数は申立時点が基準である。
さて、2022年度における札幌市オンブズマンの苦情申立件数は、2年ぶりに100件を切り94件となった。このうち、調査を実施し苦情等調査結果通知書を通知したのは71件である。したがって、「苦情申立件数」に対する「結果通知処理件数」の割合は、75.5%となっている。
このパーセンテージは、4年連続で80%を割り込んでいるが、2019年度に77.0%を記録するまでは、2005年度から2018年度にかけては80%台を維持していた。
当ブログ開設者は、オンブズマン調査は市政の一端を可視化するという点において、申立人のみならず市民一般にとっても有益であり、できる限りオンブズマンは調査を実施することが望ましいと考えている。
当ブログ開設者は、オンブズマン調査は市政の一端を可視化するという点において、申立人のみならず市民一般にとっても有益であり、できる限りオンブズマンは調査を実施することが望ましいと考えている。
その反面、たとえオンブズマン調査が実施されたとしても、調査で扱うべき論点を見出す視点が貧弱ならば、実質的に有意義な調査は期待できない。制度の根本的な課題といえるかもしれない。
次に、2022年度の処理日数は、「処理日数中央値」が前年度の42から36に大きく改善しているものの、「平均処理日数」は2年連続で40日を超えており、「30日以内処理率」も2年連続で10%である。「市の業務に関する苦情の申立てを受け付け、簡易迅速に処理する」(札幌市オンブズマン条例4条1号)という制度趣旨に照らすと、大いに改善の余地があると当ブログ開設者は考えている。
次に、2022年度の処理日数は、「処理日数中央値」が前年度の42から36に大きく改善しているものの、「平均処理日数」は2年連続で40日を超えており、「30日以内処理率」も2年連続で10%である。「市の業務に関する苦情の申立てを受け付け、簡易迅速に処理する」(札幌市オンブズマン条例4条1号)という制度趣旨に照らすと、大いに改善の余地があると当ブログ開設者は考えている。
(表1)
苦情申立
件数
|
結果通知
処理件数 |
結果通知
平均処理
日数
|
結果通知
処理日数
中央値
|
結果通知
30日以内
処理率
|
|
00/01年度
|
177
|
120
|
43.69
|
29
|
52.5%
|
2002年度
|
111
|
88
|
31.14
|
28
|
65.9%
|
2003年度
|
113
|
83
|
30.07
|
30
|
54.2%
|
2004年度
|
93
|
74
|
30.78
|
28
|
63.5%
|
2005年度
|
103
|
88
|
24.78
|
26
|
83.0%
|
2006年度
|
115
|
92
|
25.32
|
25.5
|
92.4%
|
2007年度
|
111
|
90
|
24.40
|
23
|
88.9%
|
2008年度
|
117
|
108
|
32.45
|
28
|
73.1%
|
2009年度
|
133
|
109
|
36.62
|
32
|
44.0%
|
2010年度
|
130
|
109
|
34.79
|
32
|
49.5%
|
2011年度
|
125
|
111
|
38.94
|
37
|
32.4%
|
2012年度
|
135
|
110
|
29.16
|
28
|
71.8%
|
2013年度
|
122
|
104
|
29.84
|
28
|
68.3%
|
2014年度
|
129
|
107
|
33.45
|
30
|
51.4%
|
2015年度
|
130
|
109
|
33.05
|
31
|
47.7%
|
2016年度
|
100
|
88
|
35.36
|
31.5
|
45.5%
|
2017年度
|
82
|
67
|
35.76
|
33
|
38.8%
|
2018年度
|
77
|
66
|
*40.06
|
*37
|
15.2%
|
2019年度
|
122
|
94
|
38.84
|
37
|
23.4%
|
2020年度
|
90
|
60
|
34.50
|
34
|
38.3%
|
2021年度
|
112
|
79
|
43.71
|
42
|
16.5%
|
2022年度
|
94
|
71
|
44.56
|
36
|
12.7%
|
全期間
通算 |
2521
|
2027
|
*34.08
|
*30
|
52.7%
|
*を付したデータは、2018年度の案件のうち1件について推定値に基づくことを示している。
上記の(表1)のうち、年度別の平均処理日数をグラフにしたのが以下の(グラフ1)である。この2年、苦情処理日数が高止まりしていることがみてとれる。もちろん、時間をかけ丁寧に調査しているならば格別問題視するまでもないのかもしれないが、調査のクオリティについての当ブログ開設者の評価については、過去のエントリーを参照していただきたい。
(グラフ1)
次に、以下の(表2)は、制度発足以来の処理日数の度数分布を取りまとめたものである。2022年度は2年ぶりに処理日数が90日を超える案件こそなかったものの、処理日数が60日を超えた件数は前年度より増えており(8件→9件)、処理の遅滞化傾向に歯止めがかかっていないことがよみとれる。
(表2)
20日
以内
|
21日〜
30日
|
31日〜
45日
|
46日〜
60日
|
61日〜
90日
|
91日
以上
|
30日
以内
処理率
|
30日
超
処理率
| |||||||
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
| |||
00/01
年度
|
20
|
16.7%
|
43
|
35.8%
|
26
|
21.7%
|
10
|
8.3%
|
9
|
7.5%
|
12
|
10.0%
|
52.5%
|
47.5%
|
2002
年度
|
20
|
22.7%
|
38
|
43.2%
|
17
|
19.3%
|
5
|
5.7%
|
7
|
8.0%
|
1
|
1.1%
|
65.9%
|
34.1%
|
2003
年度
|
13
|
15.7%
|
32
|
38.6%
|
33
|
39.8%
|
5
|
6.0%
|
0
|
0.0%
|
0
|
0.0%
|
54.2%
|
45.8%
|
2004
年度
|
7
|
9.5%
|
40
|
54.1%
|
21
|
28.4%
|
4
|
5.4%
|
2
|
2.7%
|
0
|
0.0%
|
63.5%
|
36.5%
|
2005
年度
|
20
|
22.7%
|
53
|
60.2%
|
15
|
17.0%
|
0
|
0.0%
|
0
|
0.0%
|
0
|
0.0%
|
83.0%
|
17.0%
|
2006
年度
|
21
|
22.8%
|
64
|
69.6%
|
5
|
5.4%
|
1
|
1.1%
|
0
|
0.0%
|
1
|
1.1%
|
92.4%
|
7.6%
|
2007
年度
|
21
|
23.3%
|
59
|
65.6%
|
7
|
7.8%
|
2
|
2.2%
|
1
|
1.1%
|
0
|
0.0%
|
88.9%
|
11.1%
|
2008
年度
| 7 |
6.5%
|
72
|
66.7%
|
15
|
13.9%
|
8
|
7.4%
|
4
|
3.7%
|
2
|
1.9%
|
73.1%
|
26.9%
|
2009
年度
|
7
|
6.4%
|
41
|
37.6%
|
34
|
31.2%
|
20
|
18.3%
|
7
|
6.4%
|
0
|
0.0%
|
44.0%
|
56.0%
|
2010
年度
|
14
|
12.8%
|
40
|
36.7%
|
35
|
32.1%
|
14
|
12.8%
|
5
|
4.6%
|
1
|
0.9%
|
49.5%
|
50.5%
|
2011
年度
|
6
|
5.4%
|
30
|
27.0%
|
51
|
45.9%
|
15
|
13.5%
|
8
|
7.2%
|
1
|
0.9%
|
32.4%
|
67.6%
|
2012
年度
|
20
|
18.2%
|
59
|
53.6%
|
20
|
18.2%
|
10
|
9.1%
|
1
|
0.9%
|
0
|
0.0%
|
71.8%
|
28.2%
|
2013
年度
|
8
|
7.7%
|
63
|
60.6%
|
28
|
26.9%
|
4
|
3.8%
|
1
|
1.0%
|
0
|
0.0%
|
68.3%
|
31.7%
|
2014
年度
| 1 |
0.9%
|
54
|
50.5%
|
39
|
36.4%
|
10
|
9.3%
|
3
|
2.8%
|
0
|
0.0%
|
51.4%
|
48.6%
|
2015
年度
|
8
|
7.3%
|
44
|
40.4%
|
45
|
41.3%
|
12
|
11.0%
|
0
|
0.0%
|
0
|
0.0%
|
47.7%
|
52.3%
|
2016
年度
| 0 |
0.0%
|
40
|
45.5%
|
33
|
37.5%
|
13
|
14.8%
|
2
|
2.3%
|
0
|
0.0%
|
45.5%
|
54.5%
|
2017
年度
|
0
|
0.0%
|
26
|
38.8%
|
31
|
46.3%
|
8
| 11.9% |
2
|
3.0%
|
0
|
0.0%
|
38.8%
|
61.2%
|
2018
年度
|
0
|
0.0%
|
10
|
15.2%
|
40
|
60.6%
|
14
| 21.2% |
2
|
3.0%
|
0
|
0.0%
|
15.2%
|
84.9%
|
2019
年度
|
3
|
3.2%
|
19
|
20.2%
|
46
|
48.9%
|
20
| 21.3% |
6
|
6.4%
|
0
|
0.0%
|
23.4%
|
76.6%
|
2020
年度
|
1
| 1.7%
| 22
| 36.7%
| 30
| 50.0%
| 7
| 11.7% | 0
| 0.0%
|
0
|
0.0%
| 38.3%
| 61.7%
|
2021
年度
|
1
| 1.3%
| 12
| 15.2%
| 36
| 45.6%
| 22
| 27.8% | 6
| 7.6%
|
2
|
2.5%
| 16.5%
| 83.5%
|
2022
年度
|
1
| 1.4%
| 8
| 11.3%
| 32
| 45.1%
| 21
| 29.6% | 9
| 12.7%
|
0
| 0.0%
| 12.7%
| 87.3%
|
全期間
通算 | 199 |
9.8%
|
869
|
42.9%
|
639
| 31.5%
| 225
|
11.1%
|
75
|
3.7%
|
20
|
1.0%
|
52.7%
|
47.3%
|
さらに、以下の(グラフ2)は、(表2)よりも度数分布を細かく区分し、度数分布の経年変化を示した。
(グラフ2)
※なお、オンブズマン別の処理日数の状況については、このエントリーで紹介している。
0 件のコメント:
コメントを投稿