2022年11月2日、同年10月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、公開決定期限延長のうえ、11月30日付で一部公開決定がなされた。
上記の期間(2022年10月)に調査を終了した全5件で、調査結果が通知されている。
さて、今回公開された案件のうち最も興味深い案件は、眠れるオンブズマンこと原俊彦担当の第2022-41号である。この案件では、介護保険給付を受けてショートステイを利用した際、当該事業所で何らかのアクシデントがあったことを契機として、当該事業所に対する市の権限行使及び申立人への市職員の対応について苦情が申し立てられている。
ところで、この調査を担当した眠れるオンブズマンこと原俊彦は、かつて介護保険制度の住宅改修費に関する苦情において、「ケア・マネージャー」の対応について縷々見解を開陳したことがある(第2021-17号)。そのため、当ブログ開設者はこのエントリーにおいて、「居宅介護支援事業所に所属するケア・マネージャーの行為は、オンブズマンの所轄事項たる「市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為」(札幌市オンブズマン条例3条)に該当せず、その判断はオンブズマンの所轄事項を逸脱していると思われる」旨指摘した。
これに対し、今回公開を受けた第2022-41号では、調査担当オンブズマンは「事業所や担当ケアマネに対する市の監督責任という観点から検討」を行っている。このような観点は、札幌市オンブズマンの調査権限に即し適切であると当ブログ開設者は考えている。眠れるオンブズマンこと原俊彦がようやく目覚めの時を迎えたのならば、大いに歓迎すべきことである。
なお、当ブログ開設者は、介護保険の住宅改修費に関する第2021-42号が公開された際(上記の第2021-17号が公開された翌月である)、「(札幌市オンブズマンは)今後、介護保険に関する苦情が申し立てられた場合に備え、「市の機関の業務の執行」という観点から、介護保険法に定められた市の権限を把握しておく必要があると思われる」と論じたことがある(このエントリー)。今後も札幌市オンブズマンには、何がオンブズマンの調査対象事項であるかを適切に把握したうえで、「市民の意向が的確に反映された市政運営に資する」(札幌市オンブズマン条例1条)べく、職務を遂行されることを期待したい。
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①第2022-26号
生活保護を受給する申立人が、大学進学の際に世帯分離していた子が卒業したことにより世帯分離が解除されるとともに、保護が廃止されたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
②第2022-36号
申立人が納税のために市税事務所を訪問した際に同行した者がいることについて、日常的に市税事務所と連絡を取っている同行者とは別の人物に市職員が伝えたのは個人情報の漏洩であるとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
③第2022-38号
自宅裏の空き家の屋根から自宅敷地内に落雪があることについて、市が適切な対応をしないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
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