2024/02/08

2023年11月に調査を終了したケース

2023年12月1日、同年11月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、決定期限が延長され、2024年1月12日付で一部公開決定がなされた。

上記の期間(2023年11月)に調査を終了したのは6件で、このうち4件で調査結果が通知された。また、残る2件のうち1件は苦情申立てが取り下げられ、もう1件は調査しない旨が通知された。

今回公開された調査結果通知書のうち、市立図書館からはがきで通知を受けた予約図書の取り置き日数についての苦情である第2023-33号が興味深い。電子メールが一般化した今日、かつては迅速かつ簡便な連絡手段であったはずのはがきも、現在では非効率な連絡手段となったようだ。“昭和は遠くなりにけり”、といったところであろうか。

ところで、はがきで予約図書の通知がなされた場合の取り置き日数については、2022 年5月にそれまでの10日から12日に延長されている(当ブログ開設者の照会に対する中央図書館担当者からの回答)。このような対応は、2021年から22年にかけて、普通郵便およびはがきの配達日数が延長されたことにともなうものである。

この点、本件苦情のように、はがきによる通知の場合には他の連絡手段よりも実質的な受取可能日数が短くなる可能性があるとしても、すでに取り置き日数を延長しているという事情は、(さらに)「取り置き日数を延長することは困難である」という市の回答を正当化する根拠の一つとなるであろう。

もっとも、現在のはがきによる通知の運用は、通知ハガキの実物をいったん予約受付館から中央図書館に「庁内メール」で送付し、中央図書館から利用者に発送する場合もあるようだ。しかし、こうした手続きはいかにも効率が悪いといわざるを得ない。

そのため、当ブログ開設者は、予約受付館に予約図書が到着した旨を電子メールで中央図書館に通知し、中央図書館からはがきを発送すれば「庁内メール」の送付にかかる時間を短縮できると考える旨、中央図書館担当者に伝えたところである。

そのほか、今回の苦情を契機とする予約図書取り置き日数に関する利用者に向けた説明の改善内容については、通知書本体の「市の回答」部分で確認していただきたい。

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①第2023-28号
 申立人の子息が何某かの不始末をしでかしたこと(詳細は不明)にともなう学校の対応について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:田村智幸)

②第2023-32号
 札幌市外から札幌市に転入した申立人による市の児童相談所の一連の対応について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

③第2023-33号
 市立図書館から予約図書の連絡をハガキで通知された場合における取り置き日数について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:田村智幸)

④第2023-34号
 生活保護受給者がこれまで「稼働収入」として取り扱われていた収入が「臨時収入」とする取扱いに変更されたことにより控除額が減額されたことについて(その結果、支給される保護費の額が減少することになると思われる)苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

⑤第2023-39号
 市営住宅の入居者がさまざまな嫌がらせを受けているとして苦情が申し立てられたケース。嫌がらせの主体が不明であり、調査対象とすべき機関も特定できないとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑥第2023-44号
 職員が申立人の就職活動を記録する日付印の日付をボールペンで修正したことについて問い合わせた際の対応が不適切であるとして苦情が申し立てられたケース。当該対応がなされたのは札幌市ではなく、北海道労働局の施設であったとして申し立てが取り下げられた。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

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