2020年4月1日、同年3月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、2020年4月15日に一部公開決定がなされた。
上記の期間(2020年3月)に調査を終了したのは11件で、このうち7件で調査結果が通知されている。また、残る4件のうち2件は調査しない旨が通知され、2件は調査中止により、いずれも調査が終了している。
今冬の札幌は、1月までは平年値を大幅に下回る小雪であったが、2月以降の帳尻を合わせるような降雪で、ひと冬の降雪量は昨冬の335cmを上回る427cmとなった(4月30日現在)。冬の到来とともに、札幌市オンブズマンに対し、除雪に関する苦情が申し立てられるのが例年の風物詩であるが、今回紹介する第2019-101号、第2019-103号(第2019-97号も参照)で、その一端を味わっていただきたい。
ところで、第2019-106号及び第2019-114号の案件は、当該苦情について申立人に「直接」の利害関係がないことを理由として、調査しない旨が通知されている。この点、札幌市オンブズマン条例は、苦情申立人が「申立の原因となった事実についての利害を有しないとき」(16条1項)を調査対象外事項と規定している。そのため、特に理由もなく、当該利害を「直接」のものに限定することには疑問がある。むしろ、これらの案件において苦情の調査をしないのであれば、「市の業務」への該当性を理由とするべきであるように思われるが、調査を担当した房川樹芳オンブズマンに論理的な判断を期待するのは、無い物ねだりかもしれない。
なお、今回の公表分で、札幌市オンブズマンの2016年(平成28年)4月の調査終了分から、丸4年分の調査内容を公表したことになる。ブログの制約上、全体像を把握するにはかなりの困難が伴うものの、当ブログ開設者が公文書公開請求を継続する過程で思い至るようになった、札幌市オンブズマン制度の存在意義について、機会を改めて論じたいと考えている、
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①第2019−93号生活保護担当職員の一連の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
⓶第2019−95号
その活動について苦情申立ての対象となった団体が、自主的な活動を行う任意団体で札幌市の管理監督等の権限が及ぶものではないとして、調査が中止されたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
③第2019−97号
駅に接続する自由通路を覆う構造物(市が管理する公の営造物)から落下した氷柱で車のボンネットがへこんだことに関し、その後の市職員の対応について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
④第2019−98号
申立人の転院先や病状等の個人情報について、担当ケースワーカーが申立人の戸籍上の母に漏洩したとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
⑤第2019−99号
求職活動を行っている申立人の応募先に担当ケースワーカーが連絡したことで内定が取り消されたとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
住民税の賦課に際し、障害者控除と扶養控除が浮けられなかった理由の説明を求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
⑦第2019−101号
マンション駐車場から市道に接続する「間口」を除雪する取扱いについて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
⑧第2019−102号
市立小学校のPTAに「自動加入」するという取り扱いについて苦情が申し立てられたが、申立人の苦情取り下げにより調査が終了したケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
⑨第2019−103号
自家用車で走行中に交差点で除雪車との接触を避けるために急停止したところ車がパンクしたところ、パンクしたタイヤの補償と除雪する時間帯の変更を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
⑩第2019−106号
札幌市が関与する第三セクターの株式会社がビル管理業務の委託の取りやめにより、委託先の従業員が失職することになるとして、苦情が申し立てられたケース。ビル管理業務の委託取りやめには申立人の直接的・具体的な利害関係がないとして、調査を実施しない旨が通知されている。(担当オンブズマン・房川樹芳)
⑪第2019−114号
経営する月極駐車場の隣接地に一軒家が建設され民泊や簡易宿泊所になると不安であるとして、早期の排除を求めて苦情が申し立てられたケース。苦情について調査しない旨が通知され、調査は終了している。(担当オンブズマン・原俊彦)
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