2022/05/20

2022年4月に調査を終了したケース

 2022年5月1日、同年4月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、2022年5月16日付で一部公開決定がなされた。

上記の期間(2022年4月)に調査を終了したのは6件で、全6件で調査結果が通知されている。

さて、今回交付された案件では、冬季の雪堆積場を夏期に野球場として利用する施設の利用調整に関する苦情が、はからずも2件申し立てられたことが興味深い(第2021-99号第2021-104号)。所轄の部署にとっては、市民が利用する施設を管理する業務の経験が浅かったことが、利用調整が不公平であるという今回の苦情申立てにつながったのかもしれない。今後の改善に期待したい。

また、指定管理施設からベテラン職員の流出が続いているとして市の対応を求める苦情(第2021-112号)が申し立てられ、オンブズマン調査が実施されたが、当ブログ開設者は、この苦情に申立人のどのような「利害」が認められるのか、疑念を抱いている。このところ、申立人の「利害」を厳格に解する制度運用がなされてきていることもあり、そのこととの整合性が問われるであろう。

なお、今回の公開分には、原俊彦オンブズマンの担当案件は存在しない。そして、2021年度に苦情が申し立てられた案件について、2022年4月末現在、田村智幸オンブズマンは42件、八木橋眞規子オンブズマンは39件を担当したのに対し、原俊彦オンブズマンはわずか30件にとどまっている。このように、原俊彦オンブズマンの担当件数が他のオンブズマンに比し明らかに少ない理由について、現在、オンブズマン事務局に照会中である。

【追記(2022.5.24)】
2022年5月18日にオンブズマン事務局に対し、2021年度に申し立てられた苦情のオンブズマン別の担当件数について照会した。照会内容は以下のとおりである。

「2021年度に苦情申立てがなされた苦情の調査について、2022年4月末の時点において、原俊彦オンブズマンの担当件数が他のオンブズマンよりも明らかに少ないのは、いかなる事情によるのでしょうか(田村オンブズマン42件、八木橋オンブズマン39件に対し、原俊彦オンブズマンは30件)。なお、わたくしとしては、原俊彦オンブズマンが他のオンブズマンと比較した際、その能力・適性が著しく劣るため、申立人にとって適切な調査がなされるためにも、できるだけ原俊彦オンブズマンに案件を担当させないという配慮をしているのかもしれないと考えているのですが、実際のところどのような事情によるのか、ご説明をお願いする次第です。」

これに対し、同月23日付のオンブズマン事務局長名による文書回答がなされた。その内容は、「苦情申立てを担当するオンブズマンについては、その時点で調査を継続中の担当件数などにより、事務局が割り振りますので、年間の担当件数に差が出る場合があります。」というものである。

この回答の読みどころは、「継続中の担当件数などにより」の「など」の部分である。また、「できるだけ原俊彦オンブズマンに案件を担当させないという配慮をしている」という当ブログ開設者の見解に対し、明確な否定もなされていない。したがって、このオンブズマン事務局長名の回答は、その余地は十分にありえる、と読むことができるであろう。

実際、2021年度に申し立てられた苦情(ただし2022年4月末までに処理が終了している案件)のうち、苦情申立ての受理日において、その時点における田村智幸オンブズマンの担当案件が原俊彦オンブズマンの担当案件よりも2件以上多いにもかかわらず、田村オンブズマンが担当となったケースが7件ある。よほど、原俊彦オンブズマンを担当とすることができない事情があったと思われる。ただし、その事情は定かでない。

【再・追記(2022.5.26)】
オンブズマン事務局からの回答を受け、再度行った照会に対する回答は、以下のようなものである。主要部分を紹介する。

「担当オンブズマンは、その時点で調査を継続中の担当件数のほか、調査を継続している案件の調査終了時期の見込み、過去に類似の案件を担当しているか、申立人の面談希望日のオンブズマンの勤務状況など、その時々の様々な要素を考慮して割り振っていますので、各オンブズマンの担当件数が同じになるものではありません。」「なお、上記の「様々な要素」には、(当ブログ開設者)様のお考えになっているような配慮は含まれないことを申し添えます。」

「令和4年5月26 日付け(回答文書)に記載した「様々な要素」には、各オンブズマンの専門的バックグラウンドも含まれます。ただし、その他の要素も考慮した結果、必ずしも苦情申立ての内容と担当オンブズマンの専門的バックグラウンドが合致することになるとは限りません。オンブズマン事務局としては、オンブズマンは、人格が高潔で高い識見があるとして議会から同意を得て委嘱している方であることから、どのオンブズマンが担当することになっても適切な調査が行われるものと考えております。」

結局、原俊彦オンブズマンの担当案件の数が他のオンブズマンより少ない理由は不明のままである。

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①第2021-98号
 市職員が住居に不法侵入していることについて市に調査を依頼して以降の市の一連の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

②第2021-99号
 冬季の雪堆積場を夏期に野球場として利用する施設の利用調整の方法及び調整結果が公平ではないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:田村智幸)

③第2021-104号
 冬季の雪堆積場を夏期に野球場として利用する施設の利用調整の方法及び調整結果及び公園施設内の野球場の利用が公平ではないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:田村智幸)

④第2021-108号
 学校開校事業で利用する施設の管理人の対応が横柄であるとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:田村智幸)

⑤第2021-110号
 生活保護の受給者から、自動車処分の指示の取消等を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑥第2021-112号
 市の指定管理施設においてベテランの専任スタッフが雇止めにより退職することになったことから、市には指定管理施設の職員の質の低下を防ぎ、職員の流出を防止するために適切な措置を抉るよう強く指導してほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

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