2022/07/20

2022年6月に調査を終了したケース

 2022年7月1日、同年6月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、2022年7月15日付で一部公開決定がなされた。

上記の期間(2022年6月)に調査を終了したのは5件で、3件で調査結果が通知されている。また、残る2件のうち1件は調査をしない旨が通知され調査が終了し、1件は申し立ての取り下げにより調査は実施されなかった(別の論点を追加し、再度申し立てがなされる模様である)。

さて、調査結果が通知された3件は、3人のオンブズマンが1件づつと、きれいに担当が分かれている。そのうち、コロナ禍ならではの苦情としては、原俊彦オンブズマンが担当した案件(第2022-8号)が興味深い。この案件は生活保護受給者が申し立てた苦情であるが、「長期にわたって家庭訪問が行われていない」こともその内容となっている。ケースワーカーによる家庭訪問を嫌悪する受給者がいるなか、こうした苦情が申し立てられたことは、当ブログ開設者には、コロナ禍で孤立したり、疎外感を強めている受給者がいることを示唆しているように感じられた。

そうすると、調査担当のオンブズマンとしては、この苦情の申立人の世帯の他にも、長期にわたり家庭訪問が行われていない世帯の存否について、担当部局に確認することを求めてもよさそうなものである。しかし、調査を担当した原俊彦オンブズマンは、札幌市オンブズマンの制度は申立人の個別的な利害の実現を目的としていると理解しているためであろうか、そうした発想を欠いたようである(申立人に親身な姿勢をみせる八木橋オンブズマンなら、また違った判断を示したであろうか・・・)。

また、調査しない旨が通知された案件(第2022-9号)は、当ブログ開設者が申し立てた苦情である。当ブログ開設者が特定のオンブズマンの担当案件数が少ない事情について照会したところ、実質的に意味のある回答を受けるまで複数回の照会を要したとして、適切な内容をできる限り速やかに回答することを求めて苦情を申し立てた。一連の対応の経過については、通知書の「苦情申立ての趣旨」で確認して頂きたい(照会における表現が辛辣だとすれば、それは当ブログ開設者のオンブズマン制度への期待の現れであろう)。

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①第2022-5号
 地下鉄駅で福祉割引SAPICAを利用して地下鉄からバスへの乗継割引券を購入しようとした際、駅職員から現金で購入するよう言われたとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

②第2022-8号
 生活保護受給者の担当ケースワーカーが交代したにもかかわらず交代前のケースワーカー名の押印された封筒が送付されてきたり、架電した際に交代前のケースワーカーが電話を受けることがあるなど本当に交代したか疑わしく、長期にわたって家庭訪問も行われていないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

③第2022-9号
 特定のオンブズマンの担当案件数が他のオンブズマンより少ない事情について問い合わせたことについて、実質的に意義のある回答がなされるまで照会を繰り返すことになったのはいかにも煩わしいとして、市民からの照会にはできる限り速やかに適切な回答をすることを求めて苦情が申し立てられたケース。申立人の直接の不利益が存在しないとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

④第2022-12号
 月寒体育館のスケートリンクで接触事故に遭遇したが、以前から改善を要求しているにもかかわらず未だ実現されていないとして、改めて改善を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:田村智幸)


⑤第2022-16号
 住基カードを紛失したので区役所の戸籍住民課に再発行を依頼したが再発行を受けられなかったとして苦情が申し立てられたケース。苦情内容を追加して新たな苦情を申し立てるとして、いったん申立てが取り下げられた。(担当オンブズマン:原俊彦)

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