2026/09/22

やっぱり梶井祥子には支援が必要なようだ(エクストライニング)

 「やっぱり梶井祥子には支援が必要なようだ」と題するエントリー、(上)(下)で完結させたつもりだった。しかし、それらの公開後にさらに展開があったので、その顛末を紹介する。「完結」と考えたのは、いささかせっかちだったようだ。

 紹介する内容は、①「札幌市オンブズマン室」に送った照会メッセージの内容、②それに対する「オンブズマン事務局」からの返信の内容、③オンブズマン事務局からの返信へのお礼、④札幌市市民文化局男女共同参画室男女共同参画課に宛てた照会に対する回答へのお礼(兼今回の発意調査に対する感想)である。時系列としては、①を送信後に④を送信し、②の返信を受信後、③の返信へのお礼を送信している。

 なお、オンブズマン室および男女共同参画課に対する照会は、2025年度に梶井祥子が実施した「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」と題する発意調査に関する事項である。

① 「札幌市オンブズマン室」宛の照会メール
 まずは、「札幌市オンブズマン室」に宛ててwebの問い合わせフォームから送った内容である。

「件名:発意調査における「基本方針」および「支援調整課」についての照会

 今般実施された札幌市オンブズマンの「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」と題する発意調査に関し、調査結果の市民向けた広報のあり方について苦情を申し立て、すでに調査しない旨の通知を受けたところではありますが、あらためて調査の内容につきまして、以下の3点について照会いたします。回答をよろしくお願いいたします。

(照会事項1)
 「調査の目的」には、「厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室によれば、国の基本方針として、民間団体を支援のプロフェッショナルと位置づけています」(結果通知書2頁、活動状況報告書51頁)とある。
ア ここでいう「基本方針」とは困難女性支援法7条1項に基づいて定められた「困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針」(令和5年3月29日・厚生労働省告示第111号)のことか。
イ 上記基本方針(厚生労働省告示)には「支援のプロフェッショナル」という記述はないが、「国の基本方針として、民間団体を支援のプロフェッショナルと位置づけて」いることを確認できる文書はあるか。あれば、当該文書の記載内容または当該文書を特定するために必要な情報。

(照会事項2)
 「調査の目的」には、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ、本市における困難な問題を抱える女性の支援の現状について調査を行ないます」(結果通知書2頁、活動状況報告書51頁)とある。
ア 「困難女性支援法に示された基本方針」とは具体的にどのような内容か。すなわち、同法は厚生労働大臣に基本方針を定めることを義務づけているものの、基本方針が「法に示された」わけではないのではないか(基本方針は「厚生労働省告示」である)。それとも、同法が「基本方針」そのものだということか。

(照会事項3)
 上記発意調査は、「調査の趣旨」、「市の回答」および「オンブズマンの判断」、の3部から構成されているところ、「調査の趣旨」、「市の回答」のいずれにおいても、「支援調整課」についての言及がないにもかかわらず、「オンブズマン判断」において突然「支援調整課」についての言及がある。
ア 本件発意調査の担当オンブズマン梶井祥子は、どのようにして「支援調整課」を知りえたのか
イ 「調査の趣旨」および「市の回答」において「支援調整課」についての言及がないのはなぜか。」

・・・いずれの照会事項も、(下)で論じた梶井祥子は基本方針を確認しているのか、さらに、「ワンストップ・サービス」が必要不可欠と論じるならば札幌市の庁内連携についても調査事項とする必要があったのでないか、という当ブログ開設者の疑念に基づいている。

② 「オンブズマン事務局」からの返信
 続いて、①の照会に対する返信である。オンブズマン本人からの回答がないことは折り込みずみであるが、事務局からの回答は「梶井祥子が基本方針を確認していない」という疑念を強めるものであると考えている(その理由は③で)。

「ホームページからのお問い合わせに対する回答について

 令和8年9月13日付けでホームページからお問い合わせいただいた「発意調査における「基本方針」および「支援調整課」についての照会」につきまして、下記のとおり回答いたします。

記

 オンブズマン調査に対する個別のご質問について、オンブズマンが回答することはありません。

 なお、ご質問について事務局では分かりかねますが、厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室が作成した資料「女性支援における都道府県・市町村・民間団体の役割分担(基本方針より)」において、民間団体は「都道府県・市町村と対等な立場で協働し、互いの活動を補完しながら支援を行う存在」「民間団体←プロフェッショナル」と記載されております。


 また、支援調整課を令和7年4月から全区へ設置することは、札幌市公式ホームページで公表されております。


③ 「オンブズマン事務局」からの返信へのお礼
 以上の返信(②)に対し、当ブログ開設者が送信したお礼の内容が以下である。

「2026年9月18日付回答文書(札オ第615号)へのお礼

 2026年9月18日付のオンブズマン事務局長名による回答文書(札オ第615号)を拝受いたしました。まずは、照会内容に関する資料2点についてご教示いただいたことにお礼申し上げます。

 このうち、厚労省の資料「女性支援と障害福祉との連携について」については、発意調査の苦情等調査結果通知書記載の2026年6月5日よりものちの同月17日の日付が記載されており、梶井祥子オンブズマンが発意調査を実施するにあたり、この資料そのものを参照することができなかったことは明らかです。
 しかしながら、同資料9頁記載の「女性支援における都道府県・市町村・民間団体の役割分担」のマトリクス図(民間団体について「支援のプロフェッショナル」という記載あり)は、従来、他の資料においても使用されてきているものと推察いたします。

 次に、札幌市における支援調整課の全区展開について記載された「令和7年度定数・機構編成の概要」については、「令和7年1月27日臨時市長記者会見記録」の「配布資料」であることが確認できました。
 頂戴した回答文書には直リンクの記載があるだけでしたが、このような記載の場合は、当該資料がどのような性格のものであるかわかりません。したがいまして、「札幌市公式ホームページで公表されております。」ということでご紹介いただきましたが、直リンクを張るだけでなく、市のwebサイトの階層構造をどのようにたどるとそのファイルを見ることができるか、明示する必要があると考えます。
 その一方で、今回の回答が「札幌市のwebサイトにアップロードされた資料から確認できます」といった記述ならば、直リンクのみで階層構造の説明は不要になりますが、その場合には当該資料がどのような資料であるか不明となることは前述のとおりです。

 なお、最後になりますが、今回の回答によっても、梶井祥子オンブズマンが「困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針」(令和5年3月29日・厚生労働省告示第111号)本文を確認していないのではないか、というわたくしの疑念を解消することはできませんでした。​」

・・・当ブログ開設者が梶井祥子は「基本方針」を確認していないのではないかという疑念を抱く理由の一つが、本件発意調査の「調査目的」において、「厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室によれば、国の基本方針として、民間団体を支援のプロフェッショナルと位置づけています」という記述があるものの、「基本方針」本文にはプロフェッショナルという文言が用いられていないからである。

 のみならず、「調査目的」には、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ、本市における困難な問題を抱える女性の支援の現状について調査を行ないます」という記述もある。しかしながら、「困難女性支援法」が「基本方針」を示しているわけではない。同法はあくまで厚労大臣に「基本方針」を定めることと義務づけていることにすぎない(同法7条1項)。このことも、梶井祥子が「基本方針」を確認していないのではないかという疑念を抱かせるものである(また、苦情等調査結果通知書においても、同項は参照条文への記載がない)。

 それが今般のオンブズマン事務局からの返信によって、厚労省の資料に「プロフェッショナル」の文言が用いられていることが明らかになった。これは大きな成果である。この点、オンブズマンの発意調査の苦情等調査結果通知書の日付(2026年6月5日)からすると、オンブズマン事務局から教示された厚労省資料(2026年6月17日)を参照することは不可能であるというおまけ付きである。

 それにもかかわらず、当ブログ開設者がオンブズマン事務局あてのお礼において「従来、他の資料においても使用されてきているものと推察」するという紳士的な対応をした。それは、(下)において、「厚労省の女性支援室が『基本方針』の解釈として民間団体は『支援のプロフェッショナル』であるという見解を示しているということだろうか」という推測が、まさにそのとおりという手ごたえを得たからである(なお、当ブログ開設者がお礼メールにおいて「支援のプロフェッショナル」という記載あり、と書いたのは明らかな誤りである)。

 結局のところ、厚労省資料の該当ページには、「女性支援における都道府県・市町村・民間団体の役割分担(基本方針より)」というタイトルが付されているが、そこにある「基本方針より」とは、基本方針に記載された内容をひとことで言うならば、都道府県が司令塔、市町村が最前線、民間団体が(支援の)プロフェッショナルという役割分担が図られる、といった趣旨、あるいは、「基本方針」においては、その前提として民間団体は(支援)のプロフェッショナルという位置づけである、といった趣旨と思われる。

 以上の次第で、当ブログ開設者は、梶井祥子が「基本方針」を確認していれば、そこで市町村にはどのような役割を果たすことが期待されているかを把握したうえで、より適切な調査項目を立てることができた可能性があると考えている。

 また、「支援調整課」の設置に関する文書(令和7年度定数・機構編成の概要)の記載内容も興味深い。そこには、「区支援調整課の全区展開 《 区)保健福祉部 》」について、「複合的な福祉課題等を抱えた市民に対する支援体制を強化するため、組織・分野横断的な調整を行う支援調整課を、試行導入していた4区から全区へ拡大」という記載がある。

 これに対し、梶井祥子は本件発意調査のオンブズマン判断において、「本市では複合的な福祉課題を抱える要支援者に対応する組織横断的な支援を行うための「支援調整課」を令和7年4月から全区役所の保健福祉部内に設置しています」と記述するが、このような記述では、「試行導入」なしに全区でいっせいに支援調整課を設置したかのような「誤読」を招く可能性がある。

 この点、(上)で紹介したように、当ブログ開設者から男女共同参画課に対して「支援調整課」を設置した日付と全区での設置にいたる経緯について照会したところ、同課の所管でないにもかかわらず、実に丁寧な回答を受けている。これは、オンブズマンが発意調査において適切に調査項目を立てていれば、同内容もしくはさらに詳細な市の回答を受けられたことを示唆していると思われる。しかしながら、梶井祥子がそうした調査項目を立てることがなかった要因の一つが、前述したように、「基本方針」を確認しなかったことにあると当ブログ開設者は考えている。

④ 「男女共同参画課」へのお礼
 それでは最後に、男女共同参画課に宛てて送信したお礼のメッセージを紹介する。これまでの一連のやり取りを経た当ブログ開設者の「到達点」(の一つ)が示されていると考えている。

「札幌市市民文化局
 男女共同参画室

 男女共同参画課 御中

 2回にわたる照会に対し、丁寧な回答をありがとうございました。2回目の照会への回答を頂戴した後、 (照会内容は、オンブズマンの発意調査の過程で「支援調整課」について説明を行った事実はあるか)困難女性支援法7条1項に基づき定められた「基本方針(以下、「基本方針」)」と、「第5次男女共同参画さっぽろプラン」を確認いたしました。

 また、再度、今回の発意調査における「本市における女性支援施策について」も確認し、感じたことをお伝えしようと考えました。そこで、このメールを認めております。

 まず、ひとくちに「困難女性に対する支援」といっても、①「女性ならでは」の事情によって困難に直面している当事者に対する支援、②なんらかの事情により「困難に直面している」女性に対する支援という、性格の異なる支援があるのだろうと感じました。

 そのうえで、札幌市の男女共同参画室の所管はおもに①である一方で、②については、他の局の扱いになるところ、札幌市における庁内の連携をいかに行うかが、今後の課題なのだろうと感じた次第です。

 それと申しますのも、まず、「基本方針」では、「市町村は、支援対象者にとって最も身近な、支援の端緒となる相談機能を果たすとともに、困難な問題を抱える女性の支援に必要となりうる児童福祉、母子福祉、障害者福祉、高齢者福祉、生活困窮者支援、生活保護等の制度の実施主体であり、支援の主体でもあることから、支援に必要な制度を所管する庁内関係部署はもとより、幅広い部署がそれぞれに主体性を発揮し、相互に連携の上、支援対象者が必要とする支援を包括的に提供する」と書いてあります。

 その一方で、「男女共同参画さっぽろプラン」および今回の発意調査に列挙された「事業」や「支援策」は、上記①の支援に傾いている印象を受けました。

 そして、それはおそらく男女共同参画室の所管がおもに①であることに由来するからであろうというのが、わたくしの感じたところです。

 この点、子ども未来局が所管する「単親世帯」に対する支援は、「単親世帯」においては圧倒的にシングルマザーの割合が高いため、①の性格が強く、そのため、「男女共同参画さっぽろプラン」および今回の発意調査に列挙された「事業」や「支援策」に含まれる一方で、障害者や高齢者に対する支援のような、保健福祉局の所管については②の性格が強く、「女性ならでは」の事情による支援という①の性格が強くないため、そこから漏れたのだろうと推測しています。

 なお、この点に関しては、保健福祉局においては、局内において制度横断的な支援を行うことを目的として、「支援調整課」を設置したという状況であると思われます。

 以上、縷々述べてまいりましたが、必ずしも「女性ならでは」の性格が強くない施策は、男女共同参画室の視野に入りにくいかもしれないと感じたわけですが、これはあくまでも、わたくしの仮説です。

 それでもなお、前述の①②の区分は、わたくしが今後、行政による困難女性に対する支援を考える上で、有効な区分になるだろうと考えております。

 最後になりますが、今回の発意調査に接し、調査担当の梶井祥子は基本方針の内容を把握しているのか、疑問が残りました。

 しかし、それでもなお、梶井祥子の目に何が見えていないかを考えることは、わたくし自身の理解を深めたと考えております。

 以上の次第で、今般のわたくしの照会に対し、親切な回答を頂戴したことへのお礼を込めて、わたくしの所感をお伝えしようと考えました。このたびは、本当にありがとうございました。

追記
 もし上記の内容に明らかな事実誤認があれば、その旨、ご指摘頂けると幸いです。」

2026/09/14

やっぱり梶井祥子には支援が必要なようだ(下)

 このエントリーは、もともと1件のエントリーとして公開した内容が長くなりすぎたので、(上)(下)に分割した後半である。

 (上)では、梶井祥子が行った「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」に関してオンブズマンに苦情申立てを行うとともに、当該調査の調査対象部局等に対する照会を行った顛末について執筆した。(下)では、当該発意調査に対する批判を展開する。

3 梶井祥子は「基本方針」を確認しているのか
 予定どおり続くことになったこのエントリー、続いての論点は、本件発意調査における「基本方針」の位置づけについての疑義である。

 まず、困難女性支援法7条1項は、「厚生労働大臣は、困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない」と規定する。また、基本方針においては、「市町村基本計画の指針となるべきものを定めるものとする」(同条2項)とされている。

 これに対し、梶井祥子は本件発意調査の「調査の目的」において、「厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室によれば、国の基本方針として、民間団体を支援のプロフェッショナルと位置づけています」と論じている。

 しかしながら、困難女性支援法7条1項に基づいて定められた「基本方針」(「困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針」令和五年三月二十九日・厚生労働省告示第百十一号))において、「支援のプロフェッショナル」という言い回しは使われていない。これは、厚労省の女性支援室が「基本方針」の解釈として民間団体は「支援のプロフェッショナル」であるという見解を示しているということだろうか。それとも、梶井祥子のいう「国の基本方針」とは、困難女性支援法7条1項に基づいて定められる「基本方針」とは別ものなのだろうか。

 また、梶井祥子は同じく「調査の目的」において、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ、本市における困難な問題を抱える女性の支援の現状について調査を行ないます」と論じている。

 しかしながら、基本方針は「困難女性支援法に示された」わけではなく、困難女性支援法7条1項に基づき定められ「厚生労働省告示」として公示されたものである。したがって、梶井祥子は「基本方針」の法的性格自体を理解していないことを推測させる。

 このことは、「苦情等調査結果通知書」記載の【参照条文等】に困難女性支援法7条1項および2項が引用されていないことからもうかがえる。

 ところで、すでに2で紹介したように、本件調査において梶井祥子は、「調査の趣旨」にも「市の回答」にも記述のない「支援調整課」について、突然、「オンブズマン判断」で論じ始めている。そこでは、「庁内横断的な連絡網として、支援調整課を活用している民間団体の例もあり、これはワンストップセンター機能のモデルになるものと考えます」と、梶井祥子は同課に一定の意義を認めている。

 この点、「基本方針」において、「第2 困難な問題を抱える女性への支援のための施策の内容に関する事項」の「2 国、都道府県及び市町村の役割分担と連携」において、「市町村は、(中略)支援に必要な制度を所管する庁内関係部署はもとより、幅広い部署がそれぞれに主体性を発揮し、相互に連携の上、支援対象者が必要とする支援を包括的に提供する」こと、さらに、「庁内での情報連携及び支援方針の決定が円滑に行われるよう、関連部署が参加する会議の開催等の工夫に努める」ことが示されている。

 梶井祥子も、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ」て調査を行うというならば、札幌市が「幅広い部署が(中略)相互に連携の上、支援対象者が必要とする支援を包括的に提供する」ためのしくみや、「関連部署が参加する会議の開催等の工夫」について、調査してしかるべきであったと思われる。

 しかしながら、今回の発意調査の「調査事項」からは、札幌市における庁内連携のしくみがすっぽりと抜け落ちている。当ブログ開設者が、梶井祥子は「基本方針」を確認していないのではないかと考える所以である。

 しかも、梶井祥子は「困難な問題を抱える女性に対し、必要な支援を切れ目なく提供できる体制の構築のためには、包括的なハブとなる『ワンストップ・サービス』の機能が必要不可欠」という「問題意識」を享有している。

 「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ」て調査を行うというからには、「基本方針」における「ワンストップ・サービス」の位置づけについて、その旨の記述があるか否かを含めて、予め確認してしかるべきだったと思われる。しかしながら、当然ながら、本件発意調査にはそのような作業を行った形跡はない。

 以上の次第で、当ブログ開設者は、梶井祥子には本件発意調査を実施する以前に、調査をどのように設計するかの支援が必要だったと考えるのである。

4 「ワンストップ」を定義せよ
 本件発意調査の致命的な欠点はほかにもある。それは、「調査の趣旨」の段階で、「ワンストップ・サービス」の定義がなされていないことである。

 すなわち、梶井祥子は「困難な問題を抱える女性に対し、必要な支援を切れ目なく提供できる体制の構築のためには、包括的なハブとなる『ワンストップ・サービス』の機能が必要不可欠である」という問題意識を享有している。

 しかしながら、ここでいう「包括的なハブ」とは、いったい何を意味しているのか。また、なぜ「ワンストップ・サービス」の機能が必要不可欠なのか、あるいは、「ワンストップ・サービス」の機能があれば「必要な支援を切れ目なく提供できる」理由についても説明がない(提供可能な支援に「切れ目」があれば、「ワンストップ・サービス」が提供されても支援の「切れ目」を埋めることはできないということである)。

 この点、「ワンストップ」という概念については、「オンブズマン判断」において、「『相談窓口の一本化』や『様々な情報が一元的に集約している場所』といったワンストップ機能」という記述にその答え(の一部)が見出される。しかし、そこで論じられているのは「ワンストップ機能」についてであり、「問題意識」で示された「ワンストップ・サービス」についての説明ではない。

 また、「調査の趣旨」で用いられていた「ワンストップ・サービス」の用語は「オンブズマン判断」においては消滅し、「オンブズマン判断」では、「ワンストップ機能」「ワンストップセンター」「ワンストップセンター機能」という用語が用いられている。しかしながら、それらの用語がどのような含意で区別されているのかは、必ずしも明確ではない。おそらく、「概念は文脈から読み取れ」、ということなのであろう。

 そして、「ワンストップ機能」の延長線上で、「必要な関係各部署に連絡できるキーパーソンの配置」や「庁内横断的な連絡網」といった民間の支援団体からの要望は紹介されるものの、「ワンストップ・サービス」の必要不可欠性や、「ワンストップ・サービス」により必要な支援が切れ目なく提供できる理由についての説明は、なされないままなのである。

 とはいえ、オンブズマン判断においてようやく、ワンストップセンターを設置することについて、「支援される側としての大きなメリットは、アクセスがスムーズにできるようになることです。どこへ相談してよいかわからないという対象者の最初の受け皿として、交通整理の役割が期待できる」と同時に、「支援する側である支援団体にとっても、一時保護所やシェルターの空室情報がすぐにわかるといったメリット」が指摘されている。しかし、これらは本来、「調査の趣旨」ではじめに論じておくべきことであろう。

 なお、当ブログ開設者は、相談を受けて情報提供を行う窓口を設けたとしても、「解決」のためには次の窓口で相談する等のステップを踏む必要があるならば、相談・情報提供を行う窓口を「ワンストップ」と呼ぶのが適切か、という疑問をいだいている。

 もっとも、このような理解はできるかもしれない。梶井祥子のように要領を得ない話を延々と垂れ流す人物に対しては、その要所をクリティカルに理解するためにも辛抱づよく話に耳を傾け、多様な可能性に思いを至らせることこそが、「ワンストップ」なのである、と。だとすると、梶井祥子の本件発意調査は、「ワンストップ」の重要性を世に示す実践と評価することができるかもしれない。

5 どのように調査を設計すべきであったのか
 それでは、最後に調査をどのように設計すべきであったか、当ブログ開設者の見解を示してこのエントリーを締めくくりたい。

 おそらく梶井祥子は本件発意調査において、総花式に多様な論点を指摘したかったのだと思われるが、むしろ論点を絞り込んだほうが有益な調査になったと思われる。また、論点を絞り込むならば、①困難女性へのワンストップ対応のために市がどのような取り組みをしているか 、あるいは、②官民連携の実効性を高めるために市はどのような取り組みをしているか、いずれかにすると、梶井祥子の問題意識をよりいっそう掘り下げることができたと思われる。

 いずれにしても、オンブズマンの調査としては、「札幌市の取り組み」をその対象にするということである。

 この点、梶井祥子は札幌市オンブズマンの役割を誤解しているのではないか、という印象を当ブログ開設者は抱いている。それは、梶井祥子が2025年度の活動状況報告書の巻頭言において、「2025 年4月1日に『札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例(つながるさっぽろ条例)』が施行されました。オンブズマン室の活動は、多様な人々のつながりを途切れさせないためにも重要な役割を果たしています」と書いているからである。

 しかしながら、同条例に基づいて「多様な人々のつながりを途切れさせない」ための重要な役割を果たすべきは市であって、オンブズマンは市がそうした役割を適切に果たしているか、監視し、改善を図ることなのではないか。

 また、「人々のつながりを途切れさせない」という割には、「オンブズマンの負担が荷重(ママ)になる」であるとか、「家庭裁判所で相手方と係争中である」のように、条例解釈として妥当性が疑わしい理由によって苦情調査を行わなかったのは梶井祥子である。オンブズマンの調査対象となりうる苦情の申立人と市のつながりを途切れさせたのは、他ならぬ梶井祥子といってよいだろう。

 それにもかかわらず、「重要な役割を果たしている」という自己認識が導かれるのは、「今回の発意調査は、行政の施策と民間団体の実践をより有効に架橋する方法を模索する試みでもありました」(オンブズマン判断の「総括」)という、梶井祥子の「自負」に由来するのかもしれない。その一方で、「庁内連携」への興味関心が希薄なことを見逃すことはできない。

2026/09/12

やっぱり梶井祥子には支援が必要なようだ(上)

 先日アップしたブログエントリー(支援が必要なのは他ならぬ梶井祥子かも)において、梶井祥子が行った発意調査(タイトルは、「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」2025-発1号)に関して苦情申立てを行ったことと、発意調査の担当課に「男女共同参画室男女共同参画課」対する問い合わせをしたことを紹介した。このエントリーは、その顛末である。

1 オンブズマンへの苦情申立て
 まず、オンブズマンに対する苦情申立てである。この苦情は、発意調査の「苦情等調査結果通知書」記載の【参照条文等】と、「札幌市オンブズマン活動状況報告書」記載の発意調査の【参照条文等(抜粋)】に齟齬がある、とくに、活動状況報告書記載の条文は(抜粋)したものであるのに、オリジナルの調査結果通知書にその条文の記載がないのはいったいどういうことなのか、疑念を抱いたことに端を発している。

 この点についてオンブズマン事務局に照会したところ、「梶井祥子オンブズマンが掲載するように横車を押した」という趣旨の回答を受けた。また、「横車」を押したのは、「当該報告書を読んでいただく市民の方に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の目的及び理念をお伝えするため」ということであった(なお、オンブズマン事務局は「横車」という表記をしていないので念のため。「横車」はあくまで、当ブログ開設者の「評価」である)。

 そこで、当ブログ開設者は、梶井祥子が横車を押したことおよび活動状況報告書には未記載だが調査結果通知書には記載されている市民によって有益と思われる条文をwebに掲載することを求めて苦情を申し立てたわけである。

 当該苦情の担当オンブズマン樋川恒一は、予想していたとおり調査を実施しなかった。なお、調査を実施しなかった理由は以下のとおり。

「申立人は、令和7年度活動状況報告書に掲載された発意調査の 【参照条文(抜粋)】という記述が、読むものに誤解を与える可能性が高いことから、市のオンブズマン制度のwebサイトに、当該発意調査の【参考条文(抜粋)】を掲載した理由を明示するとともに、 当該webサイトに調査結果通知書の【参考条文等】に記載された他の条項も紹介することを求めて、本件苦情を申し立てられました。

 オンブズマンの活動状況は、毎年、市長と議会に報告し (札幌市オンブズマン条例(以下、「条例」という。)第26条)、これを公表することとなっています(条例第27条第1項)。この報告や公表は、「苦情申立ての件数、苦情申立てに係る調査の件数、オンブズマンの発意に基づく調査の件数、勧告、意見表明及び是正等の措置の状況の報告の要旨その他オンブズマンが必要と認める事項について行うものとする」とされています (札幌市オンブズマン条例施行規則第16条及び第17条)。活動状況報告書は、上記報告や公表のために作成されています。

 本件苦情申立ては、活動状況報告書を読む方々が理解しやすい掲載の在り方に関する提言であると認められ、申立人が、市の機関や職員の行政上の行為によって、その権利または利益を侵害されたものではないと考えます。このため、本件は、苦情申立人が「申立ての原因となった事実についての利害を有しないとき」(条例第16条第1項第1号)に該当すると認められることから、同条第1項に基づき調査しないことといたしました。どうぞご理解いただきたいと思います。」

 ・・・・・「苦情申立てに成果あり!」である。それは、当ブログ開設者は札幌市オンブズマン条例施行規則16条はノーチェックだったからである。なるほど。「オンブズマンが必要と認める事項」であれば、活動状況報告書の記載内容についてオンブズマンが「横車」を押すことも正当化されるようだ。

 成果はもう一つある。それは、苦情申立てにおいては、「【参照条文等(抜粋)】は、(中略)『オンブズマンから(中略)掲載するよう指示を受け、掲載した』旨を明示すること」を求めているのに対し、「オンブズマン判断」においては、申立人が「発意調査の【参照条文(抜粋)】を掲載した理由を明示する」ことを求めたことになっているからである。

 これは樋川恒一オンブズマンにとっては、【参照条文等(抜粋)】の掲載についての「オンブズマンの指示」は、直視できない事実だったのかもしれない。しかし、「オンブズマンの指示によって掲載した」という事実を明示することを求める苦情について、「【参照条文(抜粋)】を掲載した理由」を明示することを求める苦情と解するのは、「苦情申立ての趣旨」をねじ曲げたと解する余地はありそうである(が、ねじ曲げざるを得なかった、との評価も可能かもしれない)。

 結局、本件苦情は「活動状況報告書を読む方々が理解しやすい掲載の在り方に関する提言」であるとして、申立人に権利利益の侵害がないことを理由に調査は実施されなかった(梶井祥子は樋川恒一オンブズマンから大きな「支援」を得た、といえようか)。

 もっとも、「オンブズマンの行為」というオンブズマンの所轄外の事項であることが調査をしない理由とされなかったのは、前述したように、本件における「オンブズマンの指示」という「オンブズマンの行為」は、樋川恒一オンブズマンからみても是認できないという前提があったからではないかと当ブログ開設者は推測している。もちろん、牽強付会であるという批判は甘受する。

2 発意調査の担当課等への照会
 つづいて、オンブズマンが発意調査を実施した担当課(市民文化局男女共同参画室男女共同参画課)に対し、今回の発意調査において、オンブズマンはこの点についても調査すべきだったであろうと当ブログ開設者が感じた3点について照会した。

 照会した内容は、①札幌市における女性支援相談センターの設置について、②札幌市が各区に「支援調整課」を設置した時期、③個別案件の取扱い時の個人情報の取扱い、についてである。

 このうち、②支援調整課の設置時期については、照会してから「しまった!」と思ったものの、この点を含めて、実に丁寧な回答を得られた。「しまった!」と思ったのは、支援調整課については、発意調査の「調査の趣旨」(オンブズマンによる論述)にも「市の回答」(担当部局による説明)にも一切登場しておらず、「オンブズマン判断」になって突然登場しているところ、「男女共同参画課」の所轄する業務ではないと気づいたからである。

 それでは、回答内容である。

「日頃より、本市の女性支援行政に深いご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。ご質問いただきました内容につきまして、以下のとおり回答いたします。

①
ア 札幌市における女性相談支援センターの設置の有無
 現在、本市に女性相談支援センターは設置しておりません。

イ 設置していないならばその理由および今後の設置予定の有無
 広域自治体である北海道が既に「北海道立女性相談支援センター」を設置し、専門的な判定や一時保護といった機能を担っております。本市が新たに同等のセンターを設置することは、北海道との二重行政を招く懸念があるため、設置しておりません。
 本市では、最も身近な相談窓口として各区保健センターに母子・婦人相談員(女性相談支援員)を配置して相談対応を行い、一時保護等の対応が必要と判断した場合には、適切に道のセンターへ引き継ぐこととしています。
 現時点において新たに市独自のセンターを設置する予定はございませんが、引き続き北海道や関係機関、民間団体等と連携し、包括的な支援体制の強化に努めてまいります。

②
ア 各区で支援調整課を設置した日付
 令和4年4月1日に北区及び東区の2区でモデル的に設置し、令和5年4月1日には厚別区及び南区を加えた計4区へ拡大いたしました。その後、令和7年4月1日に残りの6区へ設置し、全市展開を行いました。
 なお、札幌市公式ホームページに記載されている内容は、令和5年度の情報から更新されておりませんでした。誠に申し訳ございません。現在は情報の更新が完了しております。

イ すべての区で支援調整課の設置に至るまでの事情
 少子高齢化や核家族化の進行といった社会的な変化を背景に、複合的な福祉課題等を抱えた世帯が増加する中、これまでの区役所の組織体制では十分な対応が難しいことが課題となっておりました。
 そこで、区保健福祉部における組織横断的なマネジメントや、支援に携わる関係課職員へのバックアップ機能を担い、複合的な福祉課題のある方々への支援を推進する支援調整課を設置することとなり、前述のとおり、一部の区でのモデル実施を経て、令和7年度から全市展開を行っております。
 なお、「支援調整課」に関しては、保健福祉局総務部総務課が所管しております。
 今回は男女共同参画課より併せてご回答申し上げましたが、今後同件に関しましてご不明な点や追加のご質問がございましたら、恐れ入りますが下記担当課へ直接お問い合わせいただきますようお願いいたします。

【お問い合わせ先】
保健福祉局総務部総務課
電 話(略)
メール(略)

③
ア 市が困難女性に関する個別案件を民間団体に取り次ぐことの有無
 相談者の状況に応じて、個別案件を民間団体へ取り次ぐことがございます。

イ その場合に個人情報の取扱いに留意している点
 困難女性支援法に基づく国の基本方針では、関係機関による情報共有にあたり本人同意等の適正な取扱いを求めていることから、本市では事前に本人の同意を得ることを原則としております。
 同意のない情報共有は、個人情報保護や相談者との信頼関係を損ねるため原則として行っておりません。今後も個人情報の適正な管理のもとで連携に努めてまいります。

 今後とも、本市の女性支援行政につきまして、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

札幌市市民文化局男女共同参画室男女共同参画課
TEL:(略) FAX:(略)」

 ・・・・・いかがであろうか。実に丁寧な回答である。

 さて、そうすると次の疑問である。「調査の趣旨」にも「市の回答」にも記述のない「支援調整課」について、オンブズマンはどこでその知見を得たのであろうか。そこで、本件発意調査の過程で、市の担当部局がオンブズマンに「支援調整課」について説明した事実の存否について、男女共同参画課および保健福祉局総務部総務課に照会することにした。

 まず、照会翌日に【保健福祉局総務部総務課】から回答があった。

「日頃より本市の市政に対し、ご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。お問合せいただいた件について回答いたします。

 保健福祉局総務課からオンブズマンに対し、「支援調整課」について説明を行った事実はありません。

 どうぞよろしくお願いいたします。

札幌市保健福祉局総務課
メール:(略)
電話:(略)」

 つづいて、照会翌々日の【男女共同参画課】からの回答である。

「日頃より、本市の女性支援行政に深いご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。また、先般の回答につきましてご丁寧なご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

 今回の調査過程の状況を改めて振り返り確認いたしましたが、当課から『支援調整課』について説明を行った事実はなく、ヒアリングの席で『支援調整課』が話題にのぼった認識もございません。したがって、お問合せいただいたご認識のとおりで相違ございません。

 今後とも、本市の女性支援行政につきまして、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

札幌市市民文化局男女共同参画室男女共同参画課
TEL:(略) FAX:(略)」

 ・・・・・というわけで、どちらの部局もオンブズマンに「支援調整課」について説明した事実はない。おそらく、オンブズマンは本件発意調査に際し独自に実施した民間の支援団体に対するアンケートおよびヒアリングによって、「支援調整課」について知見を得たのであろうと当ブログ開設者は考えている。

 とはいえ、そのオンブズマンの知見には問題がある。それというのも、発意調査の「オンブズマン判断」には「本市では複合的な福祉課題を抱える要支援者に対応する組織横断的な支援を行うための『支援調整課』を令和7年4月から全区役所の保健福祉部内に設置しています」という記述があるからである。こうした記述は、全区が同時に「支援調整課」を設置した趣旨であると理解するのが、もっとも一般的な理解である思われる。

 しかしながら、「男女共同参画室」から1回目の回答にあるように、「支援調整課」は段階的に設置されてきたのである。オンブズマンがそのことを認識していれば、「オンブズマン判断」のような記述はしなかったであろう(この点を問い合わせると、「全区への設置が完了したのが『令和7年4月』ということを述べたものであり、同月にいっせいに設置したことを述べているわけではない」という「言い訳」が返ってくるか、まったく対応しないかのどちらかになるだろう)。

 また、所管部局に説明する機会を設けることもなく、「本市では複合的な福祉課題を抱える要支援者に対応する組織横断的な支援を行うため」の支援調整課を設置したと論ずるのも、慎重さに欠けると思われる。

 むしろ、オンブズマンの「問題意識」として、「困難な問題を抱える女性に対し、必要な支援を切れ目なく提供できる体制の構築のためには、包括的なハブとなる『ワンストップ・サービス』の機能が必要不可欠である」という見解を示し、オンブズマン判断において支援調整課は「ワンストップセンター機能のモデルになるものと考え(る)」ならば、本件発意調査において、「支援調整課」の設置の経緯や現実に行っている職務内容について担当部局からの説明を受けなかったのは、本件発意調査には致命的な設計ミスがあったからだと当ブログ開設者は考えている。梶井祥子が調査を設計するための「支援」が不十分だったのではなかろうか。

 ・・・・・このエントリー、ここでいったん公開することにするが、おそらく、さらに続くことになるはず。

【2026.9.14追記】
 結局その後、エントリーを分割し、(下)を執筆した。そこでは、梶井祥子の本件発意調査に対する批判を展開している。

2026/09/07

2026年6月に処理を終了した案件

2026年7月2日、同年6月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、決定期間延長のうえ、2026年8月14日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(2026年6月)に処理を完了したのは12件で、このうち10件で調査結果が通知された(うち1件はオンブズマンの発意による調査)。また、残る2件のうち1件については苦情について調査しない旨が通知され、1件については苦情申立ての取り下げに基づいて調査中止が通知されている。

なお、今回の公開分で、2025年度に申し立てられた苦情の全案件の公開が完了した。

ところで、今回公開分のうち、(オンブズマンの発意による調査を別にして)当ブログ開設者の興味関心をとりわけ強く引いた案件が3件ある。

そのうち、第2025-108号および第2026-13号は、オンブズマンが理論的に掘り下げるべき論点を看過した(逆にいうと、調査対象部局がその論点を巧みにかわした)と感じる案件であり、第2026-2号は、市の監督権限行使にあたっての「原則」についての説明を引き出した「隠れたファインプレイ」が光る案件である。

1.過去の案件から得た知見が役に立つ
それでは、まず第2026-13号から見ていこう(担当オンブズマン∶樋川恒一)。この案件は、申立人が年度途中で確定申告することですでに賦課された市税が減額され、減額後の納付書が送られてくると考えていたところ、納付書が送られてこないまま、市税を滞納しているとして口座が差し押さえられたとして苦情が申し立てられた案件である。

市は、市税を減額する事務処理にミスがあり、この点については申立人に謝罪するものの、差し押さえ自体は適法になされており、いったん差し押さえた金額を返金してほしいという申立人の要望に応えることはできないと回答した。

調査担当オンブズマンも、市が事務処理にミスがあったことを認めたことでよしとしたのか、差し押さえた金額の返金はできないという市の回答を追認している。

しかしながら、当ブログ開設者は、こうした市の回答及びオンブズマン判断に疑問を抱くことになった。すなわち、市は市税を減額する事務処理にミスがあり、減額する事務処理中であるという情報がシステム上で確認できなかったのであるが、①減額事務処理中であることが確認できたならば差し押さえに踏み切ることはなかったのか、②減額事務処理中であっても変更前の賦課処分は有効であり、滞納している市税を差し押さえに踏み切る場合はあるのかは、本件調査からは判然としないからである。

また、②であるとしても、③本件においても、何らかの事情があれば差し押さえに踏み切ることはなかったのではないか、ということも、本件調査からは判然としない。

当ブログ開設者がこのように考えるのは、過去に第2023-4号に接しているからである。この案件は、市税を滞納したことで「差押通知書」の送付を受けた申立人が差押えを待ってほしいと求めたが受け入れられず、説明を求めた職員から十分な説明も受けられなかったとして苦情が申し立てられたのだが、当ブログ開設者は以下のコメントを残している(このエントリー) 。少し長くなるが引用する。

「この案件で当ブログ開設者の目を引いたのは、市の回答における『申立人に納付誠意がないと判断』したという箇所である。市税の納付という法律上の義務の履行に際し、『誠意』というフレーズはそぐわないように感じられたからである。

しかし、である。どうやら納税義務者が『差し押さえを待ってほしい』と泣きを入れるケースでは、この『誠意』が意味を持つ場合もあるようだ。

この点、まず出発点となるのは、市町村民税の滞納者が督促を受けたにもかかわらず完納しない場合、市町村の徴税吏員は滞納者の財産を差し押さえしなければならないという原則である(地方税法331条1項1号)。

しかしながら、地方税法は『職権による換価の猶予』を規定する(同法15条の5)。ここにいう『換価』とは、財産の差し押さえを含む概念であるが、滞納者の財産の換価を直ちにすることにより『その生活の維持を困難にするおそれ』があり、その者が徴収金の納付・納入について『誠実な意思』を有すると認めるときは、滞納処分による財産の換価の猶予をすることができるとされている。ここにいう『誠実な意思』がおそらく、市の回答にいう『誠意』であろう。

(中略)

このように、『その生活の維持を困難にするおそれ』があることが前提だが、徴収金の納付・納入に『誠実な意思』がある場合、地方団体の長が慈悲深い対応をする根拠となる規定は、実にしみじみと味わい深い。」

いかがであろうか。この案件(第2026ー13号)の調査対象部局も担当オンブズマンも、申立人の苦情の趣旨を「すでに差し押さえられた金員の返還」であると解したうえで、返金に応じられないことを是認するが、むしろ論じるべきは、「市税を減額する事務処理」にミスがなければ差し押さえに踏み切ることはなかったのではないか、という点であったと当ブログ開設者は考えている。

つまり、「納付誠意」を問われることなく口座を差し押さえされた本件苦情申立人にとって、「事務処理にミスがあったが差し押さえは適法」という調査結果に納得できるか、疑問を禁じ得ないということである。

2.書面によるのか口頭によるのかそれが問題だ
次に紹介する第2025ー108号も、オンブズマンが理論的に掘り下げるべき論点を見過ごしたと思われる案件である(担当オンブズマン∶梶井祥子)。自営業による稼働活動を行っている生活保護受給者が、ケースワーカーによる「就労指導」が「行政指導」の任意性および不利益取扱いの禁止に違反する等(生活保護法27条3項および行政手続法32条参照)、憲法および法令上の疑義を生じさせる不適切なものであるとして、苦情が申し立てられた。

こうした申立人の苦情に対し、調査担当部局は、被保護者は生活保護法62条1項に基づき同法27条に基づく指示に従う義務があり、指示に従わない場合、保護の変更、停止及び廃止を行うことは、法に規定された適正な手続きであり、(申立人が主張する)違法な強要等には該当しないと回答している。

以上が本件苦情の最も基本的な論点であるが、注目すべきは、市の回答において生活保護法施行規則19条についての言及がない点である。

すなわち、同条は、「法第62条第3項に規定する保護の実施機関の権限は、法第27条第1項の規定により保護の実施機関が書面によって行った指導又は指示に、被保護者が従わなかつた場合でなければ行使してはならない」と規定しており、生活保護法27条1項に定める指導指示も、口頭で行われる場合と書面で行われる場合では、その持つ意味が大きく異なるからである。

本件の「市の回答」における事実の経緯においても、「このまま増収できない場合は、法27条に基づく書面での指導(指示書)となる」旨の説明をした旨の記述はあるものの、指導指示が口頭による場合と書面による場合の違いについて申立人に説明した事情はうかがわれない。そのため、生活保護法27条3項を根拠として指導指示が「被保護者の意に反して、指導又は指示を強制」されないと信じて疑わない申立人が、増収指導に対しただひたすらに不満を募らせたのではなかろうか(ただし、事実のレベルにおいては、本件苦情申立人がその違いについての説明を受けていたとしても、不満を募らせた可能性はある)。

このように、本件調査においては、生活保護法27条1項が規定する指導指示が口頭による場合と書面による場合の違いを明らかにすることが必要であったと、当ブログ開設者は考えている。

ところで、この案件において、調査担当オンブズマン梶井祥子は、「オンブズマン制度の中では裁判所のような司法的検証はできず、行政手続法第32条と生活保護法第62条との関係については、ここで判断を示すことはできません」という見解を披瀝しているが、ここでいう「司法的検証」とは、いったいなにを意味しているのだろうか。

一般論として、司法機関の特徴としては、①当事者双方の主張に基づいて裁判所が判断することや、②司法機関の判断が確定すると強制力が発生する(ことがある)、といったことが指摘できると思われる。これに対して、オンブズマン制度の下においてオンブズマンは申立人と調査対象機関双方の主張に基づいた判断を行うため、形式的には対審構造という司法機関類似性を有しているものの、オンブズマンの判断には強制力がない点で、司法機関との違いがある。

しかしながら、オンブズマンの判断に強制力がないことが、オンブズマンが法令解釈についての自らの見解を示すことの妨げにはならないであろう。

この点、この案件を担当したオンブズマン梶井祥子は、「行政手続法第32条と生活保護法第62条との関係については、ここで判断を示すことはできません」という見解を披瀝するものの、生活保護法62条の適用対象となる「指導指示」、あるいは、書面でなされた「指導指示」は、行政手続法が定める「行政指導」には該当しない(ただし、生活保護法27条3項との論理的整合性は課題として残る)という解釈は十分成り立ちうるのであり、オンブズマンがその旨の見解を示すことも、何ら支障はないと思われるのである。

そうすると、「司法的検証ができないオンブズマンは判断を示すことができない」というオンブズマンの見解は、札幌市オンブズマンの制度上の制約というよりも、梶井祥子が自らの法令解釈能力の欠如を宣明したものと理解するのが適切であると思われる。

3.問いの立て方しだいで調査の「深度」が大きく変わる
さて、以上の2件に対し、第2026-2号は、市の回答において、障害者福祉サービスの事業者に対する市の監督権限の行使についての「原則」が説明されている点で、大きな意義を有すると当ブログ開設者は考えている(担当オンブズマン∶梶井祥子)。

それというのも、札幌市オンブズマンの所轄事項は、「市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為」(札幌市オンブズマン条例3条)だからであり、申立人の苦情の実質が福祉サービス事業者の提供するサービス自体への苦情であったとしても、オンブズマン調査の対象となるのは、あくまで市の監督権限の行使についてにならざるを得ないからである。

とはいえ、この調査の結果、市の監督権限の行使についての「原則」について明らかになったことで、今後、同種の苦情が申し立てられた場合において、その苦情調査において何を調査すべきか、事前の見通しを立てやすくなることが期待できるであろう。

この点、今回公開された第2026-2号は、「就労継続支援B型事業所が『重要事項説明書』に記載された『障がい者の自立のためのサポート』が実行されていないことを市の障がい福祉課に苦情を申し立てたが、その後、なんの連絡もない」として、障がい福祉課の対応について苦情が申し立てられた案件である。

そして、本件では調査実施通知書に調査項目として「事業所に対し、市が行う指導監督の範囲及び内容(根拠条文等を含む。)」が明記されたこともあって、市の監督権限の行使についての「原則」が明らかになったわけである。この調査項目の立て方は、本件調査の「深度」を増す「隠れたファインプレイ」と呼ぶことができるだろう。

以上の次第で、オンブズマンの所轄事項との関係においても、将来的に同種の苦情が申し立てられた場合の備えとしても、オンブズマン調査において「市の権限行使の原則」について明らかにしておくことは、大きな意義があるといって差し支えないだろう。このことが、札幌市オンブズマンに携わる者の間の共通了解事項となることを当ブログ開設者は期待する。

と、書いてはみたものの、過去に当ブログで同じようなことを書いたような気もする。気のせいかもしれないが(このエントリーだろうか?)

4.そのほかの注目案件
その他の案件としては、第2026-24号がオンブズマンが苦情の趣旨を適切に把握できなかった結果、調査しない理由が見当外れになったという印象を受けるという点で興味深い(担当オンブズマン:梶井祥子)。

この案件では、消防局救急課が所管する業務を受託した事業者が受託業務の会場を手配することにつき、本来事業者が行う業務を救急課が行うことで当該事業者を優遇することになったとして、そのことに不満をいだいた受託事業者が消防局に照会したところ、その回答に納得できない点があるとして苦情が申し立てられた(というのが当ブログ開設者の理解である)。

担当オンブズマン梶井翔子は、「令和8年度の本業務の履行状況について、契約の当事者ではない申立人に直接的・具体的な利害が及んでいるとは言えない」として、調査しない旨を通知した。

しかしながら、消防局の対応は当該事業の受託事業者を優遇するものであり、この事業者が選定されたのは、事前の事業者間の公平性が欠くものだったと本件苦情申立人は主張しているのである。

梶井翔子は「オンブズマンとして心がけていることは、想像力を働かせて、申立人の思いになんとか近づくこと」なのだそうだが(令和7年度札幌市オンブズマン活動状況報告書・巻頭言参照)、心がけるだけでは埋め合わせることができないほど、梶井祥子はオンブズマンの職務適性に欠けるのかもしれない。

また、梶井翔子は「仮に契約内容が正しく履行されないことにより、市の損害を生じさせている場合には、市長や職員等の、違法・不当な財務会計上の行為または怠る事実について、直接住民がその是正や防止、損害の補てんを求めて監査委員に監査を請求することも可能です」という見解も披露しているが、他の事業者よりも「安価」だったからこそ、当該事業者が業務を受託したと推察できる。だとすると、市に「損害」が生じたとは考えにくいのではないだろうか。

したがって、こうした住民監査請求についての言及も、梶井翔子の職務適性の欠如を示していると思われる。

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①第2025-108号
 自営業による稼働活動を行っている生活保護受給者が、ケースワーカーによる「就労指導」が「行政指導」の任意性および不利益取扱いの禁止に違反する等、憲法および法令上の疑義を生じさせる不適切なものであるとして苦情が申し立てられたケース。なお、申立人は別件の第2025-109号の申立ても行っている。(担当オンブズマン:梶井祥子)

②第2025-109号
 自営業による稼働活動を行っている生活保護受給者が、収入認定の際に必要経費が経費として認定されないことを不服として苦情が申し立てられたケース。なお、申立人は別件の第2025-108号の申立ても行っている。(担当オンブズマン:梶井祥子)

③第2025-121号
 生活保護受給者がパソコンを購入した費用が経費として控除が認められなかったことに端を発し、保護課に「自立更生計画書」を提出したにもかかわらず、その後の処理状況についての説明や回答がなされないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

④第2025-発1号
 「札幌市における女性支援の現状について〜困難女性支援法施行後の取組と課題〜」と題するオンブズマンの自己の発意による調査。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑤第2026-2号
 就労継続支援B型事業所が「重要事項説明書」に記載された「障がい者の自立のためのサポート」が実行されていないことを市の障がい福祉課に苦情を申し立てたが、その後、なんの連絡もないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑥第2026-3号
 生活保護の受給者が、保護申請時にすべての資産を示したにもかかわらず、その後、未申告の資産があるとして保護費の(一部)返還を求められたことを不服として苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑦第2026-6号
 申立人が自動車で市道を走行中に道路の陥没のためにタイヤがバーストしたことから市に補償を求めたが、補償しないと回答されたために補償を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑧第2026-8号
 生活保護を受給する際にNHK受信料の免除を申請する書類を書いたが、保護を受けなくなったところNHKの集金人が申立人宅を訪問したのは、保護課が申立人の許可なくNHKに申立人が保護を受けなくなったという情報を提供したためであるとして苦情が申し立てられたケース。申立人から苦情申し立てを取り下げる旨の申し出があったとして、調査中止が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑨第2026-9号
 「地方創生移住支援金」について問い合わせをしたところ、予想したとおりに申請期限を過ぎているから対象外である旨の説明を受けたが、制度周知のためには「転入届」を受け付ける際に制度の案内をすることも考えられるのではないかとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑩第2026-13号
 市税事務所に「確定申告をしたので納税額が変わると思う。納税相談をしたいので納税通知書が欲しい」旨を連絡したにもかかわらず、その後、通知書が送られてこないまま約5か月後に口座が差し押さえられたとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑪第2026-19号
 非営利を目的として市民が利用するはずの「市民活動サポートセンター」の事務ブーズを営利企業が利用していることおよび、そのことについて担当部局に「公益通報」した後の当該部局の対応に時間がかかっていることについて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑫第2026-24号
 消防局救急課が所管する業務を受託した事業者が受託業務の会場を手配することつき、本来事業者が行う業務を救急課が行うことで当該事業者を優遇することになったとして、そのことに不満をいだいた受託事業者が消防局に照会したところ、その回答に納得できない点があるとして苦情が申し立てられたケース。「本業務の履行状況について、契約当事者ではない申立人に直接的・具体的な利害が及んでいるとは言えない」として、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:梶井祥子)


2026/09/01

支援が必要なのは他ならぬ梶井祥子かも〜発意調査を契機として〜

 先日アップしたブログエントリー(2025年度(令和7年度)活動状況報告書・非掲載案件リスト)において、当該年度に梶井祥子が実施した発意調査「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」について、「この発意調査については、別に論じる機会を設けるかもしれない(が、現時点では積極的に論じる意義を見出せないでいる)」と書いた。が、その後、2つのアクションを起こしたので、以下に紹介する。

1 オンブズマンへの苦情申立て
 以下の記述が、「申し立てる苦情の内容および理由」に入力した内容である。

(ここから)
 令和7年度札幌市オンブズマン活動状況報告書(以下、「活動状況報告書」という)には梶井祥子が担当した発意調査の内容が掲載されているところ、当該調査の【参照条文等(抜粋)】はてっきり当該発意調査の「苦情等調査結果通知書」(以下、「調査結果通知書」という。)に掲載された【参照条文等】から(抜粋)した条項かと思いきや、「当該報告書を読んでいただく市民の方に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の目的及び理念をお伝えするため、オンブズマンから当該法律の各条項の中から第1条、第2条及び第3条を抜粋して掲載するよう指示を受け、掲載したもの」なのだそうである。
 しかしながら、現状の活動状況報告書における発意調査の【参照条文等(抜粋)】という記述は、活動状況報告書を読むものに誤解を与える可能性が高いことから、活動状況報告書を掲載する札幌市オンブズマン制度のwebサイトには、当該発意調査の【参照条文等(抜粋)】は、「当該報告書を読んでいただく市民の方に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の目的及び理念をお伝えするため、オンブズマンから当該法律の各条項の中から第1条、第2条及び第3条を抜粋して掲載するよう指示を受け、掲載した」旨を明示するとともに、当該法律についての市民の理解を助けるべく、当該webサイトに調査結果通知書の【参照条文等】に記載された他の条項も紹介することを求めて、本件苦情を申し立てる。とりわけ、【参照条文等】記載の「要綱」の条項は札幌市のwebサイトにも掲載されていないようであり、市民に向けて情報提供する意義が大きいと思われる。
 なお、「令和7年度活動状況報告書は札幌市総務局オンブズマン事務局職員が作成し、決裁した権限者はオンブズマン事務局長」だということである。それら一連の事務局職員の職務は、札幌市オンブズマン条例3条本文が規定する「市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為」という札幌市オンブズマンの所轄事項に該当し、同条6号が規定する「オンブズマンの行為に関する事項」という札幌市オンブズマンの所轄外の事項には該当しないことを申し添える。
(ここまで)

2 発意調査の担当課への照会
 以下の内容について、発意調査の担当課である「男女共同参画室男女共同参画課」に照会した。

(ここから)
 わたくし、定期的に札幌市オンブズマンの調査に関する文書について公文書公開請求をしているところ、今般、梶井祥子オンブズマンが実施した「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」と題する調査に接しました。
 わたくしはこの調査に関し、オンブズマンが調査の形式を借りて自己の主張を展開しているだけではないかという印象を禁じえないところではありますが、それはさておき、この調査を契機として、以下の点に興味を抱きました。
 つきましては、市の回答を頂戴したく存じます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

①困難女性支援法9条2項は指定都市に女性相談支援センターを「設置することができる」と規定しています。
 つきましては、以下の内容についてご教示ください。
ア 札幌市における女性相談支援センターの設置の有無
イ 設置していないならばその理由および今後の設置予定の有無

②梶井祥子の発意調査には、「『支援調整課』を令和7年4月から全区役所の保健福祉部内に設置しています」という記述がありますが、札幌市の「区役所の組織」を紹介するwebページ(2023年10月11日付)には、すでに「支援調整課(北・東・厚別・南)」の記載があります。
 つきましては、以下の内容についてご教示ください。
ア 各区で支援調整課を設置した日付
イ すべての区で支援調整課の設置に至るまでの事情

③官民連携の重要性を指摘する梶井祥子の発意調査ですが、わたくしは、個別案件の取扱い段階においては個人情報の取扱いが課題になりうるという印象を抱きました。
 つきましては、以下の内容についてご教示ください。
ア 市が困難女性に関する個別案件を民間団体に取り次ぐことの有無
イ その場合に個人情報の取扱いに留意している点(本人同意を取る等)
(ここまで)

 ・・・以上がその内容である。要するに、梶井祥子の発意調査をいろいろ批判するよりも、それをどのように「踏み台」として利用するかを考えたほうが建設的だろうと考えたわけである。

もっとも、オンブズマンに対する苦情申立てについては、調査は実施されないであろうことは読み込みずみ。むしろ、どのような理由で調査が実施されないかに注目している。

ちなみに、わたくしが予想する調査をしない理由の論理は以下の2パターン。

①本件苦情申立人は調査結果通知書をすでに公文書公開請求に基づいて公開されており、オンブズマン調査の「参照条文等」をwebに掲載することを求める具体的利害がない。
②札幌市オンブズマン条例は、オンブズマンに活動状況を報告すること(同条例26条)とともにそれを公開すること(同条例27条1項)を規定しており、調査結果をwebに掲載することもオンブズマンの所轄外の事項である「オンブズマンの行為(中略)に該当する事項」(同条例3条6号)である。

今後、展開があり次第、当ブログで紹介する(予定)。

【追記(2026.9.2)】
当エントリーのタイトルに「支援が必要なのは他ならぬ梶井祥子かもしれない」と記したことについては、若干の補足が必要かもしれない。それというのも、このタイトルは今回の発意調査「のみ」に由来するわけではないからである。

すなわち、当ブログでは、過去のエントリー内で複数回にわたり、「梶井祥子にオンブズマンの職は荷が重い」旨の見出しをつけてきたように、荷が重いオンブズマンの職務を遂行するという「困難」に直面している梶井祥子こそ、困難女性に対する支援が必要なのではないかと考えたわけである。

なお、以下が該当エントリーである。ただし、それ以外にも梶井祥子の担当案件に対する疑念を呈したエントリーは複数ある。
・2025年11月に処理を終了した案件(1.梶井祥子にオンブズマンの職務は「荷が重い」(その1))
・2025年11月に処理を終了した案件(2.梶井祥子にオンブズマンの職務は「荷が重い」(その2))
・2025年12月に処理を終了した案件(1.梶井祥子にオンブズマンの職務は「荷が重い」(その3))
・2026年1月に処理を終了した案件(1.やっぱり梶井祥子にはオンブズマンの職務は「荷が重い」)

【追々記(2026.9.12)】
「やっぱり梶井祥子には支援が必要なようだ」と題するエントリーを公開した。