2026/09/12

やっぱり梶井祥子には支援が必要のようだ

 先日アップしたブログエントリー(支援が必要なのは他ならぬ梶井祥子かも)において、梶井祥子が行った発意調査(タイトルは、「札幌市における女性支援の現状について~困難女性支援法施行後の取組と課題~」2025-発1号)に関して苦情申立てを行ったことと、発意調査の担当課に「男女共同参画室男女共同参画課」対する問い合わせをしたことを紹介した。このエントリーは、その顛末である。

1 オンブズマンへの苦情申立て
 まず、オンブズマンに対する苦情申立てである。この苦情は、発意調査の「苦情等調査結果通知書」記載の【参照条文等】と、「札幌市オンブズマン活動状況報告書」記載の発意調査の【参照条文等(抜粋)】に齟齬がある、とくに、活動状況報告書記載の条文は(抜粋)したものであるのに、オリジナルの調査結果通知書にその条文の記載がないのはいったいどういうことなのか、疑念を抱いたことに端を発している。

 この点についてオンブズマン事務局に照会したところ、「梶井祥子オンブズマンが掲載するように横車を押した」という趣旨の回答を受けた。また、「横車」を押したのは、「当該報告書を読んでいただく市民の方に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の目的及び理念をお伝えするため」ということであった(なお、オンブズマン事務局は「横車」という表記をしていないので念のため。「横車」はあくまで、当ブログ開設者の「評価」である)。

 そこで、当ブログ開設者は、梶井祥子が横車を押したことおよび活動状況報告書には未記載だが調査結果通知書には記載されている市民によって有益と思われる条文をwebに掲載することを求めて苦情を申し立てたわけである。

 当該苦情の担当オンブズマン樋川恒一は、予想していたとおり調査を実施しなかった。なお、調査を実施しなかった理由は以下のとおり。

「申立人は、令和7年度活動状況報告書に掲載された発意調査の 【参照条文(抜粋)】という記述が、読むものに誤解を与える可能性が高いことから、市のオンブズマン制度のwebサイトに、当該発意調査の【参考条文(抜粋)】を掲載した理由を明示するとともに、 当該webサイトに調査結果通知書の【参考条文等】に記載された他の条項も紹介することを求めて、本件苦情を申し立てられました。

 オンブズマンの活動状況は、毎年、市長と議会に報告し (札幌市オンブズマン条例(以下、「条例」という。)第26条)、これを公表することとなっています(条例第27条第1項)。この報告や公表は、「苦情申立ての件数、苦情申立てに係る調査の件数、オンブズマンの発意に基づく調査の件数、勧告、意見表明及び是正等の措置の状況の報告の要旨その他オンブズマンが必要と認める事項について行うものとする」とされています (札幌市オンブズマン条例施行規則第16条及び第17条)。活動状況報告書は、上記報告や公表のために作成されています。

 本件苦情申立ては、活動状況報告書を読む方々が理解しやすい掲載の在り方に関する提言であると認められ、申立人が、市の機関や職員の行政上の行為によって、その権利または利益を侵害されたものではないと考えます。このため、本件は、苦情申立人が「申立ての原因となった事実についての利害を有しないとき」(条例第16条第1項第1号)に該当すると認められることから、同条第1項に基づき調査しないことといたしました。どうぞご理解いただきたいと思います。」

 ・・・・・「苦情申立てに成果あり!」である。それは、当ブログ開設者は札幌市オンブズマン条例施行規則16条はノーチェックだったからである。なるほど。「オンブズマンが必要と認める事項」であれば、活動状況報告書の記載内容についてオンブズマンが「横車」を押すことも正当化されるようだ。

 成果はもう一つある。それは、苦情申立てにおいては、「【参照条文等(抜粋)】は、(中略)『オンブズマンから(中略)掲載するよう指示を受け、掲載した』旨を明示すること」を求めているのに対し、「オンブズマン判断」においては、申立人が「発意調査の【参照条文(抜粋)】を掲載した理由を明示する」ことを求めたことになっているからである。

 これは樋川恒一オンブズマンにとっては、【参照条文等(抜粋)】の掲載についての「オンブズマンの指示」は、直視できない事実だったのかもしれない。しかし、「オンブズマンの指示によって掲載した」という事実を明示することを求める苦情について、「【参照条文(抜粋)】を掲載した理由」を明示することを求める苦情と解するのは、「苦情申立ての趣旨」をねじ曲げたと解する余地はありそうである(が、ねじ曲げざるを得なかった、との評価も可能かもしれない)。

 結局、本件苦情は「活動状況報告書を読む方々が理解しやすい掲載の在り方に関する提言」であるとして、申立人に権利利益の侵害がないことを理由に調査は実施されなかった(梶井祥子は樋川恒一オンブズマンから大きな「支援」を得た、といえようか)。

 もっとも、「オンブズマンの行為」というオンブズマンの所轄外の事項であることが調査をしない理由とされなかったのは、前述したように、本件における「オンブズマンの指示」という「オンブズマンの行為」は、樋川恒一オンブズマンからみても是認できないという前提があったからではないかと当ブログ開設者は推測している。もちろん、牽強付会であるという批判は甘受する。

2 発意調査の担当課等への照会
 つづいて、オンブズマンが発意調査を実施した担当課(市民文化局男女共同参画室男女共同参画課)に対し、今回の発意調査において、オンブズマンはこの点についても調査すべきだったであろうと当ブログ開設者が感じた3点について照会した。

 照会した内容は、①札幌市における女性支援相談センターの設置について、②札幌市が各区に「支援調整課」を設置した時期、③個別案件の取扱い時の個人情報の取扱い、についてである。

 このうち、②支援調整課の設置時期については、照会してから「しまった!」と思ったものの、この点を含めて、実に丁寧な回答を得られた。「しまった!」と思ったのは、支援調整課については、発意調査の「調査の趣旨」(オンブズマンによる論述)にも「市の回答」(担当部局による説明)にも一切登場しておらず、「オンブズマン判断」になって突然登場しているところ、「男女共同参画課」の所轄する業務ではないと気づいたからである。

 それでは、回答内容である。

「日頃より、本市の女性支援行政に深いご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。ご質問いただきました内容につきまして、以下のとおり回答いたします。

ア 札幌市における女性相談支援センターの設置の有無
 現在、本市に女性相談支援センターは設置しておりません。

イ 設置していないならばその理由および今後の設置予定の有無
 広域自治体である北海道が既に「北海道立女性相談支援センター」を設置し、専門的な判定や一時保護といった機能を担っております。本市が新たに同等のセンターを設置することは、北海道との二重行政を招く懸念があるため、設置しておりません。
 本市では、最も身近な相談窓口として各区保健センターに母子・婦人相談員(女性相談支援員)を配置して相談対応を行い、一時保護等の対応が必要と判断した場合には、適切に道のセンターへ引き継ぐこととしています。
 現時点において新たに市独自のセンターを設置する予定はございませんが、引き続き北海道や関係機関、民間団体等と連携し、包括的な支援体制の強化に努めてまいります。

ア 各区で支援調整課を設置した日付
 令和4年4月1日に北区及び東区の2区でモデル的に設置し、令和5年4月1日には厚別区及び南区を加えた計4区へ拡大いたしました。その後、令和7年4月1日に残りの6区へ設置し、全市展開を行いました。
 なお、札幌市公式ホームページに記載されている内容は、令和5年度の情報から更新されておりませんでした。誠に申し訳ございません。現在は情報の更新が完了しております。

イ すべての区で支援調整課の設置に至るまでの事情
 少子高齢化や核家族化の進行といった社会的な変化を背景に、複合的な福祉課題等を抱えた世帯が増加する中、これまでの区役所の組織体制では十分な対応が難しいことが課題となっておりました。
 そこで、区保健福祉部における組織横断的なマネジメントや、支援に携わる関係課職員へのバックアップ機能を担い、複合的な福祉課題のある方々への支援を推進する支援調整課を設置することとなり、前述のとおり、一部の区でのモデル実施を経て、令和7年度から全市展開を行っております。
 なお、「支援調整課」に関しては、保健福祉局総務部総務課が所管しております。
 今回は男女共同参画課より併せてご回答申し上げましたが、今後同件に関しましてご不明な点や追加のご質問がございましたら、恐れ入りますが下記担当課へ直接お問い合わせいただきますようお願いいたします。

【お問い合わせ先】
保健福祉局総務部総務課
電 話(略)
メール(略)

ア 市が困難女性に関する個別案件を民間団体に取り次ぐことの有無
 相談者の状況に応じて、個別案件を民間団体へ取り次ぐことがございます。

イ その場合に個人情報の取扱いに留意している点
 困難女性支援法に基づく国の基本方針では、関係機関による情報共有にあたり本人同意等の適正な取扱いを求めていることから、本市では事前に本人の同意を得ることを原則としております。
 同意のない情報共有は、個人情報保護や相談者との信頼関係を損ねるため原則として行っておりません。今後も個人情報の適正な管理のもとで連携に努めてまいります。

 今後とも、本市の女性支援行政につきまして、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

札幌市市民文化局男女共同参画室男女共同参画課
TEL:(略) FAX:(略)」

 ・・・・・いかがであろうか。実に丁寧な回答である。

 さて、そうすると次の疑問である。「調査の趣旨」にも「市の回答」にも記述のない「支援調整課」について、オンブズマンはどこでその知見を得たのであろうか。そこで、本件発意調査の過程で、市の担当部局がオンブズマンに「支援調整課」について説明した事実の存否について、男女共同参画課および保健福祉局総務部総務課に照会することにした。

 まず、照会翌日に【保健福祉局総務部総務課】から回答があった。

「日頃より本市の市政に対し、ご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。お問合せいただいた件について回答いたします。

 保健福祉局総務課からオンブズマンに対し、「支援調整課」について説明を行った事実はありません。

 どうぞよろしくお願いいたします。

札幌市保健福祉局総務課
メール:(略)
電話:(略)」

 つづいて、照会翌々日の【男女共同参画課】からの回答である。

「日頃より、本市の女性支援行政に深いご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。また、先般の回答につきましてご丁寧なご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

 今回の調査過程の状況を改めて振り返り確認いたしましたが、当課から「支援調整課」について説明を行った事実はなく、ヒアリングの席で「支援調整課」が話題にのぼった認識もございません。したがって、お問合せいただいたご認識のとおりで相違ございません。

 今後とも、本市の女性支援行政につきまして、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

札幌市市民文化局男女共同参画室男女共同参画課
TEL:(略) FAX:(略)」

 ・・・・・というわけで、どちらの部局もオンブズマンに「支援調整課」について説明した事実はない。おそらく、オンブズマンは本件発意調査に際し独自に実施した民間の支援団体に対するアンケートおよびヒアリングによって、「支援調整課」について知見を得たのであろうと当ブログ開設者は考えている。

 とはいえ、そのオンブズマンの知見には問題がある。それというのも、発意調査の「オンブズマン判断」には「本市では複合的な福祉課題を抱える要支援者に対応する組織横断的な支援を行うための『支援調整課』を令和7年4月から全区役所の保健福祉部内に設置しています」という記述があるからである。こうした記述は、全区が同時に「支援調整課」を設置した趣旨であると理解するのが、もっとも一般的な理解である思われる。

 しかしながら、「男女共同参画室」から1回目の回答にあるように、「支援調整課」は段階的に設置されてきたのである。オンブズマンがそのことを認識していれば、「オンブズマン判断」のような記述はしなかったであろう(この点を問い合わせると、「全区への設置が完了したのが『令和7年4月』ということを述べたものであり、同月にいっせいに設置したことを述べているわけではない」という「言い訳」が返ってくるか、まったく対応しないかのどちらかになるだろう。

 また、所管部局に説明する機会を設けることもなく、「本市では複合的な福祉課題を抱える要支援者に対応する組織横断的な支援を行うため」の支援調整課を設置したと論ずるのも、慎重さに欠けると思われる。

 むしろ、オンブズマンの「問題意識」として、「困難な問題を抱える女性に対し、必要な支援を切れ目なく提供できる体制の構築のためには、包括的なハブとなる『ワンストップ・サービス』の機能が必要不可欠である」という見解を示し、オンブズマン判断において支援調整課は「ワンストップセンター機能のモデルになるものと考え(る)」ならば、本件発意調査において、「支援調整課」の設置の経緯や現実に行っている職務内容について担当部局からの説明を受けなかったのは、本件発意調査には致命的な設計ミスがあったからだと当ブログ開設者は考えている。梶井祥子が調査を設計するための「支援」が不十分だったのではなかろうか。

 ・・・・・このエントリー、ここでいったん公開することにするが、おそらく、さらに続くことになるはず。

3 梶井祥子は「基本方針」を確認しているのか【2026.9.13追記】
 予定どおり続くことになったこのエントリー、続いての論点は、本件発意調査における「基本方針」の位置づけについての疑義である。

 まず、困難女性支援法7条1項は、「厚生労働大臣は、困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない」と規定する。また、基本方針においては、「市町村基本計画の指針となるべきものを定めるものとする」(同条2項)とされている。

 これに対し、梶井祥子は本件発意調査の「調査の目的」において、「厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室によれば、国の基本方針として、民間団体を支援のプロフェッショナルと位置づけています」とを論じている。

 しかしながら、困難女性支援法7条1項に基づいて定められた「基本方針」(「困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針」令和五年三月二十九日・厚生労働省告示第百十一号))において、「支援のプロフェッショナル」という言い回しは使われていない。これは、厚労省の女性支援室が「基本方針」の解釈として民間団体は「支援のプロフェッショナル」であるという見解を示しているということだろうか。それとも、梶井祥子のいう「国の基本方針」とは、困難女性支援法7条1項に基づいて定められる「基本方針」とは別ものなのだろうか。

 また、梶井祥子は同じく「調査の目的」において、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ、本市における困難な問題を抱える女性の支援の現状について調査を行ないます」と論じている。

 しかしながら、基本方針は「困難女性支援法に示された」わけではなく、困難女性支援法7条1項に基づき定められ「厚生労働省告示」として公示されたものである。したがって、梶井祥子は「基本方針」の法的性格自体を理解していないことを推測させる。

 このことは、「苦情等調査結果通知書」記載の【参照条文等】に困難女性支援法7条1項および2項が引用されていなことからもうかがえる。

 ところで、すでに2で紹介したように、本件調査において梶井祥子は、「調査の趣旨」にも「市の回答」にも記述のない「支援調整課」について、突然、「オンブズマン判断」で論じ始めている。そこでは、「庁内横断的な連絡網として、支援調整課を活用している民間団体の例もあり、これはワンストップセンター機能のモデルになるものと考えます」と、梶井祥子は同課に一定の意義を認めている。

 この点、「基本方針」において、「第2 困難な問題を抱える女性への支援のための施策の内容に関する事項」の「2 国、都道府県及び市町村の役割分担と連携」において、「市町村は、(中略)支援に必要な制度を所管する庁内関係部署はもとより、幅広い部署がそれぞれに主体性を発揮し、相互に連携の上、支援対象者が必要とする支援を包括的に提供する」ことが示されている。

 梶井祥子も、「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ」て調査を行うというならば、札幌市が「幅広い部署が(中略)相互に連携の上、支援対象者が必要とする支援を包括的に提供する」ためのしくみを備えているか、備えているならばそれはどのような仕組みであるか、調査してしかるべきであったと思われる。

 しかしながら、今回の発意調査の「調査事項」からは、札幌市における庁内連携の仕組みがすっぽりと抜け落ちている。当ブログ開設者が、梶井祥子は「基本方針」を確認していないのではないかと考える所以である。

 しかも、梶井祥子は「困難な問題を抱える女性に対し、必要な支援を切れ目なく提供できる体制の構築のためには、包括的なハブとなる『ワンストップ・サービス』の機能が必要不可欠」という「問題意識」を享有している。

 「困難女性支援法に示された基本方針を踏まえ」て調査を行うというからには、「基本方針」における「ワンストップ・サービス」の位置づけについて、その旨の記述があるか否かを含めて、予め確認してしかるべきだったと思われる。しかしながら、当然ながら、本件発意調査にはそのような作業を行った形跡はない。

 以上の次第で、当ブログ開設者は、梶井祥子には本件発意調査を実施する以前に、調査をどのように設計するかの支援が必要だったと考えるのである。

4 「ワンストップ」を定義せよ【2026.9.13追記】
 本件発意調査の致命的な欠点はほかにもある。それは、「調査の趣旨」の段階で、「ワンストップ・サービス」の定義がなされていなことである。

 すなわち、梶井祥子は「困難な問題を抱える女性に対し、必要な支援を切れ目なく提供できる体制の構築のためには、包括的なハブとなる『ワンストップ・サービス』の機能が必要不可欠である」という問題意識を享有している。

 しかしながら、ここでいう「包括的なハブ」とは、いったい何を意味しているのか。また、なぜ「ワンストップ・サービス」の機能が必要不可欠なのか、あるいは、「ワンストップ・サービス」の機能があれば「必要な支援を切れ目なく提供できる」理由についても説明がない(提供可能な支援に「切れ目」があれば、「ワンストップ・サービス」が提供されても支援の「切れ目」を埋めることはできないということである)。

 この点、「ワンストップ」という概念については、「オンブズマン判断」において、「『相談窓口の一本化』や『様々な情報が一元的に集約している場所』といったワンストップ機能」という記述にその答え(の一部)が見出される。しかし、そこで論じられているのは「ワンストップ機能」についてであり、「問題意識」で示された「ワンストップ・サービス」についての説明ではない。

 また、「調査の趣旨」で用いられていた「ワンストップ・サービス」の用語は「オンブズマン判断」においては消滅し、「オンブズマン判断」では、「ワンストップ機能」「ワンストップセンター」「ワンストップセンター機能」という用語が用いられている。しかしながら、それらの用語がどのような含意で区別されているのかは、必ずしも明確ではない。おそらく、「概念は文脈から読み取れ」、ということなのであろう。

 そして、「ワンストップ・サービス」の必要不可欠性や、「ワンストップ・サービス」により必要な支援が切れ目なく提供できる理由についての説明は、なされないままなのである。

 なお、当ブログ開設者は、相談を受けて情報提供を行う窓口を設けたとしても、「解決」のためには次の窓口で相談する等のステップを踏む必要があるならば、相談・情報提供を行う窓口を「ワンストップ」と呼ぶのが適切か、という疑問をいだいている。

 もっとも、このような理解はできるかもしれない。梶井祥子のように要領を得ない話を延々と垂れ流す人物に対しては、その要所をクリティカルに理解するためにも辛抱づよく話に耳を傾け、多様な可能性に思いを至らせることこそが、「ワンストップ」なのである、と。だとすると、梶井祥子の本件発意調査は、「ワンストップ」の重要性を世に示す実践と評価することができるかもしれない。

5 どのように調査を設計すべきであったか【2026.9.13追記】
 それでは、最後に調査をどのように設計すべきであったか、当ブログ開設者の見解を示してこのエントリーを締めくくりたい。

 おそらく梶井祥子は本件発意調査において、総花式に多様な論点を指摘したかったのだと思われるが、むしろ論点を絞り込んだほうが有益な調査になったと思われる。また、論点を絞り込むならば、①困難女性へのワンストップ対応のために市がどのような取り組みをしているか 、あるいは、②官民連携の実効性を高めるために市はどのような取り組みをしているか、いずれかにすると、梶井祥子の問題意識をよりいっそう掘り下げることができたと思われる。

 いずれにしても、オンブズマンの調査としては、「札幌市の取り組み」をその対象にするということである。

 この点、梶井祥子は札幌市オンブズマンの役割を誤解しているのではないか、という印象を当ブログ開設者は抱いている。それは、梶井祥子が2025年度の活動状況報告書の巻頭言において、「2025 年4月1日に『札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例(つながるさっぽろ条例)』が施行されました。オンブズマン室の活動は、多様な人々のつながりを途切れさせないためにも重要な役割を果たしています」と書いているからである。

 しかしながら、同条例に基づいて「多様な人々のつながりを途切れさせない」ための重要な役割を果たすべきは市であって、オンブズマンは市がそうした役割を適切に果たしているか、監視し、改善を図ることなのではないか。

 また、「人々のつながりを途切れさせない」という割には、「オンブズマンの負担が荷重(ママ)になる」であるとか、「係争中である」のように、条例解釈として妥当性が疑わしい理由によって苦情調査を行わなかったのは梶井祥子である。オンブズマンの調査対象となりうる苦情の申立人と市のつながりを途切れさせたのは、他ならぬ梶井祥子といってよいだろう。

 それにもかかわらず、「重要な役割を果たしている」という自己認識が導かれるのは、「今回の発意調査は、行政の施策と民間団体の実践をより有効に架橋する方法を模索する試みでもありました」(オンブズマン判断の「総括」)という、梶井祥子の「自負」に由来するのかもしれない。その一方で、「庁内連携」への興味関心が希薄なことを見逃すことはできない。

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