2026/06/28

2026年3月に処理を終了した案件

2026年4月1日、同年3月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、決定期間延長のうえ、2026年5月15日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(2026年3月)に処理を完了したのは9件で、このうち5件で調査結果が通知された。また、残る4件のうち3件については苦情について調査しない旨が通知され、1件は苦情申立ての取り下げという取り扱いがなされている。

1.「取下げ」の記録様式が変更される
さて、今回公開を受けた案件で興味深いのが、「苦情申立ての取下げ」を記録する様式が変更されたことである(第2025-117号)。今回公開分から、「苦情申立てが□明かな間違い申立て□取下げと判断した記録簿」(※□にチェックを入れる)と題する様式に変更された。これに対し、前回公開分までは「取下げの経緯」と題する様式であった。

このような変更がなされた経緯は、当ブログ開設者も関与しているかもしれない。過去のエントリー(2025年9月に処理を終了した案件2025年10月に処理を終了した案件)に記載したが、「取下げの経緯」に「申立人の苦情申し立てを取り下げる意図を確認した」旨の記載がない案件が存在する件について、オンブズマン事務局への照会を継続中だからである。この照会を契機として、オンブズマンが対応の「改善」を図ろうとした可能性がある、ということである。

ところで、今回のエントリーは上記照会に対するいちおうの「結論」を見てから公開すべく鷹揚に構えていた。しかし、2026年6月12日付の照会に対する回答は同年7月10日までに行うという連絡が来たことから、現時点での公開に踏み切ることにした。今後、当該照会に対する回答があり次第、当ブログで紹介する(かもしれない)。

なお、現時点までの回答によると、苦情申立ての「取下げ」は、「平成19年度にオンブズマンが申し合わせた内容に基づいて事務処理している」ということである(2026年2月4日付回答・札オ第970号)。そこで、公文書公開請求により「札幌市オンブズマン申し合わせ事項(平成19年11月26日)」を入手した(ここ)。

当該申し合わせによると、調査実施通知書送付前の取り下げの場合、「口頭にて取り下げを了承して終了」する扱いとするようだ。しかしながら、オンブズマン事務局の回答(2026年1月9日付・札オ第908号)によると、「申立て内容によっては必ずしも申立人に取下げの意向を確認していない場合もあ(る)」のだそうだ。前述の申し合わせによると、「取り下げを了承」するということなのだが、「取下げの意向」を確認することもなく、誰が何を「了承」するのであろうか。

極めつけの事例が第2025-54号である。当該案件の「苦情申立ての経緯」によると、「申立人に対し、当該苦情内容及び改善要望事項を保健福祉部へ伝達する旨、メールで報告した。」ということであるが、そこには「取下げ」も「了承」の文言も記載されていない。この案件の担当オンブズマン梶井祥子は、苦情申立てを握りつぶしたと評価することもできるのではないか。

もっとも、オンブズマンがこうした「苦しまぎれの対応」をすることにも理由があるのかもしれない。前述の申し合わせも、「苦情申立ての取下げ」がなされた場合について「条例等の規定はない」ことを前提に、申立てが取下げられた際の取扱いをルール化したものだからである。

しかしながら、当ブログ開設者は、その「前提」自体が疑わしいと考えている。すなわち、札幌市オンブズマン条例は苦情申立てがなされた場合に、オンブズマンは「調査結果」(同条例21条)、「調査しない旨」(同条例17条1項)、「調査を中止した旨」(同条例18条2項)を通知することが規定されているものの、苦情申立ての「取下げ」についても、「取下げ」がなされた場合にこれらの通知を免除することも、条例上の規定は存在しないからである。

前述の申し合わせも、調査開始後の取下げのケースについては、「調査を中止した旨」の通知をすることが取り決められている。この取扱いと平仄を合わせるならば、調査開始前の取下げのケースについては、「調査しない旨」の通知をすることが適切であると当ブログ開設者は考えている。

より根本的な対応も考えられる。そのヒントになるのが、今回の「取下げ」の記録様式の変更である。前述したように、現行の札幌市オンブズマン条例は、苦情申立てがなされた場合には「調査結果」「調査しない旨」「調査中止」のいずれかを通知することが規定されている。したがって、条文構造からすると、苦情申立てが形式要件を充足しない場合(同条例15条)も、「調査対象外事項」(同条例16条)も、いずれも「調査しない旨」を通知することになるはずである。

しかしながら、これまでもオンブズマンが形式要件を充足しない申立てに悩まされてきたことから、それに対処するために「取下げ」の記録様式を変更し、「明らかな間違い申立て」という類型を設けたのかもしれない。仮にそうだとするならば、「取下げ」の記録様式を変更するだけでなく、札幌市オンブズマン条例を改正し、苦情申立ての「受理」を制度化することが適切な対応策であると当ブログ開設者は考えている。

すなわち、苦情申立ての「受理」を制度化し、申立てが形式要件を充足しない場合に「不受理」、充足する場合は苦情申立てを「受理」するのが第一段階である。そして、第二段階として、「受理」した案件の「調査対象事項」該当性を判断する取り扱いとするのである。なお、現在の運用でも条例に規定はないものの、苦情申立てがなされた場合に「受理通知」を発送する運用がなされている(ただし、当ブログ開設者が申し立てた苦情には「受理通知」が発送されていない案件もあり、すべての案件に受理通知を発送しているわけではない模様である)。

こうした「受理」の制度化は、苦情申立てをオンブズマンが権限を発動する契機と位置づけ、オンブズマンが当該権限を行使した経過を文書に記録を残すことを意味している。そこに残された記録は、札幌市オンブズマンの活動実態を記録する「市民共有の財産」になるであろう。

2.担当オンブズマンは誰ですか
それでは、せっかくなので前述した「受理通知」の具体例を紹介しよう。第2025-95号の受理通知の現物がこれである。そこに記載された担当オンブズマンは、神谷奈保子である。

そして、この案件のおもしろさはここから。受理通知の記載された担当オンブズマンは神谷奈保子であるが、それが一転、調査実施通知書に記載された担当オンブズマンは梶井祥子となっている(これ)。どうやら、担当オンブズマンが変更されたようだ。

さらに、苦情等調査結果通知書(これ)に記載された担当オンブズマンは神谷奈保子。この案件の担当オンブズマンは、2回(以上)変更されたらしい・・・・・って、そんなことがあるか?(受理通知調査実施通知書苦情等調査結果通知書

以上の顛末について、札幌市オンブズマン事務局長名による2026年5月25日付回答文書(札オ第219号)によると、以下のような経緯らしい。

「本件(2025-95号)の担当は神谷奈保子オンブズマンですが、事務処理上の誤り(誤記)により、調査実施通知書が梶井祥子オンブズマン名義で発出されておりました。混乱をお招きしましたことをお詫び申し上げます。
なお、調査対象機関に対するヒアリング調査を含め、本件の一連の調査はすべて神谷奈保子オンブズマンが担当し、実施しております。」

ということで、調査実施通知書における担当オンブズマンマンの記載誤りについて、当ブログ開設者に対し謝罪がなされたわけである。しかし、これは謝罪の相手方を間違っているのではないか。つまり、謝罪するならば、その相手方は調査実施通知書の発送先である調査対象部局であると思われる。

この点、当ブログ開設者としては、オンブズマンが調査対象部局に何らかの説明・謝罪等を行ったのかは未確認であるが、結果的にオンブズマンの事務処理上の過誤を事務局職員に「尻拭い」させるとは、オンブズマンも罪作りなものである。

3.苦情申立て内容から感じる「季節感」
自治体オンブズマン制度を設ける指定都市は複数あるが、「除雪」に関する苦情を扱っている点は札幌市オンブズマンの特徴の一つかもしれない。この点、「除雪」に関する苦情は、非降雪地帯の居住者にとっては、冬季に生じる市民生活の支障を知るために格好の教材となると思われる。

その一方で、除雪に関する苦情から当ブログ開設者が感じる「季節感」は、降雪期のものではない。オンブズマン調査のみならず、公文書公開にも時間を要することから、除雪に関する苦情に接するたび、当ブログ開設者は「そろそろ夏だな」と感じることになる。除雪を所轄する部局の職員も、夏のうちに次なる冬に備えて諸施策を検討していることだろう。

さて、今回公開分の苦情には、「除雪」に関するものが2件あるが、「申立人の利害」について判断が分かれている。すなわち、記録的な大雪が降った際に問い合わせた除雪センターの対応に関する苦情(第2025-96号)については調査が実施された(調査が実施されている以上、「申立人の利害」が存することが前提となる。担当オンブズマン:神谷奈保子)。

その一方で、道路上に除雪車が放置されていたことについて担当部局に問い合わせて以降の担当職員の対応に関する苦情(第2025-104号)については、「申立人に直接の利害」がないとして、調査しない旨が通知された(担当オンブズマン:梶井祥子)。

注目すべきは、いずれの案件も、申立人が「具体的な支障が生じた」旨の主張を行っているわけではないことである。つまり、前者の案件(第2025-96号)の申立人は「記録的な大雪の際には臨時に除雪車を出してほしい」という一般的な要望を行っているにすぎず、後者の案件(第2025-104号)の申立人も、「除雪車が放置されることで具体的な支障が生じた」旨の主張を行っているわけではない。

したがって、前者の案件(第2025-96号)は、当ブログ開設者の制度理解に基づくならば、苦情申立ての前提となる事実について、「適切な説明を受けること」自体に「利害」を認めたと評価したいところである。ただし、それはあくまで当ブログ開設者の願望に過ぎず、降雪から生じる支障は担当オンブズマンにとっても身近な話題であり、「利害」の判断が甘くなったのかもしれない。

一方、後者の案件(第2025-104号)において、担当オンブズマンの梶井祥子は「運転手が付いていない本件車両を駐車違反として取り締まるかどうかは警察の判断にな(る)」であるとか、「本件車両が取り締まりの対象になるかどうかには、申立人に直接の利害があるとは考えられ(ない)」といった見解を示している。

しかしながら、申立人は「警察が放置された除雪車の取り締まりをしない」ことについて苦情申し立てをしているわけではない。申立人は、故障した除雪車を路上に放置した市の対応について苦情を申し立てているのであり、担当オンブズマン梶井祥子は苦情申し立て内容を取り違えたといわざるを得ない。

これに対し、「故障した除雪車が路上に放置されたこと」について申立人には具体的利害がないという理由ならば、調査しない根拠となりうると考えられるが、担当オンブズマン梶井祥子がそのような判断をしたわけではない。これまでも再三指摘してきたように、梶井祥子にオンブズマンの職は荷が重いのかもしれない。また、神谷奈保子が調査を実施した案件(第2025-96号)との平仄も問われるであろう。

以上の次第で、当ブログ開設者は、この案件の担当オンブズマン梶井祥子は、①除雪車が故障した場合には通常どのような対応を行っているのか、②本件において除雪車が路上に放置された事情、③今後同様の事案が生じた場合にどのような対応をするのか、等について調査を実施するのが適切であったと考えている(のみならず、市がどのような回答をするのか、当ブログ開設者は大いに興味がそそられる)。

4.そのほかの注目案件
上述の「除雪」案件はオンブズマンの対応が分かれたケースであるが、保健福祉部局の担当者の交代や、担当者以外の対応を求めて苦情が申し立てられた案件においては、市職員の対応が対照的である点が興味深い。

すなわち、市職員ができる限り申立人に「寄り添った」対応をしようと努めていることがうかがえる案件(第2025₋85号、担当オンブズマン:神谷奈保子)がある一方で、別の案件では、決められた担当者を通じて申立人に一貫した対応をしようとしている(第2025-97号、担当オンブズマン:樋川恒一)。

こうした職員対応の違いは、申立人の事情の違いが大きいものと思われる。ただし、通知書の写しは「非公開部分」が多く、その詳細を知ることができないのが残念である。特定個人識別情報(札幌市情報公開条例7条1項)等が非公開情報とされている以上、やむを得ないところである。

それでも、第2025₋85号において、市が今後の対応として、部署間の連携の強化、伝達方法の改善、傾聴と共感の徹底、担当者変更ルールの説明を挙げ、「担当課(※当ブログ開設者注:保健福祉課(介護障がい担当))としては、今後も健康・子ども課及び保護課とも連携し、申立人の健康回復のための支援を継続します。申立人から医療機関変更の希望などの相談があった場合は、関係者間で検討を重ね、申立人に寄り添いながら対応してまいります」と回答をしていることには期待したい。

その一方で、担当オンブズマン神谷奈保子は「最終的に申立人が心を閉ざしてしまったことを考えますと、市には、ここまでに至った原因は何なのか今一度振り返って考えていただきたいと思います」という見解を示している。

しかしながら、その要因を推察し、今後の対応を在り方を担当部局に指摘することこそ、オンブズマンに期待される役割なのではなかろうか。だとすると、この案件は、担当オンブズマン神谷奈保子には難易度が高かったのかもしれない。

このほか、第2025-105号および第2025-115号は当ブログ開設者が申し立てた苦情である。札幌市オンブズマン制度の運用のあり方について、当ブログ開設者が抱く疑問に基づいて申し立てた苦情であるが、いずれも「調査しない旨」が通知されている。

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①第2025-85号
 障害を持つ申立人が保健福祉職員の対応が申立人の心情を理解せず、その職員の上司も当該職員の言葉を鵜呑みにして申立人の要望を理解していないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

②第2025-95号
 生活保護を受給する申立人が、保護課による世帯訪問(立ち入り調査」の必要性に関する説明が十分ではないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

③第2025-96号
 記録的な大雪が降った日に除雪センターに連絡したところ、「臨時で除雪車は出せない」という回答がなされたことを不服として苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

④第2025-97号
 保健福祉課職員のA係長の発言や対応に問題があると感じ謝罪を求めてが拒否され、課長による対応を求めたことについても拒否されたのみならず、A係長遺体の職員による対応や書面による回答を求めてもA係長から電話による連絡が来るとして、苦情が申立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑤第2025-104号
 故障した除雪車が路上に放置されていた件で申立人が担当部局に問い合わせて以降の一連の担当職員の対応について苦情が申し立てられたケース。本件苦情は市政に関する提言や要望であり申立人には利害がないとして調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:梶井祥子)



⑥第2025-105号
 オンブズマンによる「調査しない旨」の通知書に記載された調査しない理由が制度適合的でないのは、「オンブズマン制度の調査研究」を主たる業務とするオンブズマン事務局が職務を懈怠したためであるとして苦情が申し立てられたケース。「オンブズマンの行為に関する事項は」オンブズマンの所轄外であり、申立人に利害もないとして調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑦第2025-106号
 申立人が入居している不動産に関する契約内容や管理不全について札幌市消費者センターへ電話相談した際の対応が、具体的な助言がなされず別機関への案内が来る返される不十分なものだっとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑧第2025-115号
 オンブズマンが「調査をしない」旨の判断をする際の理由が混迷状況にあるのは、「オンブズマン制度の調査研究」を職務とするオンブズマン事務局が職務を懈怠したためであるとして苦情が申し立てられたケース。オンブズマンがすでに「調査しない」と判断した件に関する苦情であるとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑨第2025-117号
 札幌市ステップ(札幌市生活就労支援センター)を訪問した際の職員の対応について苦情が申し立てられたケース。「オンブズマン室から担当課に意見を回送し、担当課の対応の顛末について担当課から申立人にあて連絡するよう伝えるとすることで了承を得た」旨が文書に記載されている。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

2026/05/10

2026年2月に処理を終了した案件

2026年3月1日、同年2月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、決定期間延長のうえ、2026年4月15日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(2026年2月)に処理を完了したのは11件で、このうち6件で調査結果が通知された。また、残る5件のうち2件については苦情について調査しない旨が通知され、3件は苦情申立ての取り下げという取り扱いがなされている。

1.「複数回」の苦情申立てがなされた場合はどのように対応すべきか
さて、今回公開を受けた案件で興味深いのが、過去に複数回の申立てを行った申立人が改めて苦情申し立てを行った案件が2件存在し(第2025-93号および第2025-100号)、どちらの案件も担当オンブズマンの梶井祥子は「調査しない旨」を通知した。

このような「複数回」の申立てについて、当ブログ開設者は「オンブズマンの取扱件数がかさ上げされ、活発な活動を行っていると対外的にアピールすることができるという点で、札幌市オンブズマン制度にとっては『超上客』であろう」と論じたことがある(このエントリー)。

また、「複数回の申立てをする『超上客』をいかに『おもてなし』すべきか」として、別のエントリーに見出しを設けて論じたこともある(1回目および2回目)が、現在の札幌市オンブズマン制度の運用においては、こうしたケースの取り扱いが必ずしも十分に整序されていないと当ブログ開設者は考えている(このエントリーも参照されたい)。

そのように考える至った事情については再論しない(上述の過去のエントリーを参照されたい)が、札幌市オンブズマン条例が「オンブズマン(中略)の行為に関する事項」(同条例3条6号)については「オンブズマンの所轄外」である旨を規定する下においては、同一の申立人による再度の苦情申し立てについて、以下のような対応をするのが適切であると当ブログ開設者は考えている(なお、調査を実施する場合は、当該苦情申立てがオンブズマンの「所轄事項」に該当することは当然の前提である)。

(1) 過去にオンブズマンが調査を実施し調査結果を通知した苦情と同内容の苦情申し立てについては、調査結果を通知し当該苦情に対する判断を示したという「オンブズマンの行為」についての苦情申し立てであるとして調査しない。

(2) 過去にオンブズマンが調査を実施しない旨を通知した苦情と同内容の苦情申し立てについては、「調査しない」旨の判断をしたという「オンブズマンの行為」についての苦情申し立てであるとして調査しない。

(3) 過去にオンブズマンが調査を実施した苦情の「その後の事情」に関する苦情申立てについては、先行調査終了後の「その後の事情」を調査事項として調査を実施する(その際、必要に応じて再度苦情申し立てに至るまでの経緯の説明が求められる)。

(4) 過去にオンブズマンが調査しない旨を通知した苦情の「その後の事情」に関する苦情申立てについては、過去の案件以後の「その後の事情」を調査事項として調査を実施する。

以上が当ブログ開設者が考える「原理原則」である。その際、「その後の事情」についてさほど厳格に解さずに、オンブズマンは「論点を絞ったうえで」積極的に調査を実施するの適切であろうと当ブログ開設者は考えている。それは、「調査しない」というオンブズマン判断が、かえってその後の苦情申し立てを誘発しているのではないかという疑念を禁じ得ないからである。

なお、個別の案件の適否については、項を改めて論じることにする。

2.オンブズマン調査後の担当部局の対応に関する苦情の取り扱いについて
今回公開された第2025-93号の申立人は、これまで、以下の苦情申し立てを行っている(ことが確認できるが、さらに別件で申立てを行っている可能性はある)。

 月寒体育館のスケートリンクで接触事故に遭遇したが、以前から改善を要求しているにもかかわらず未だ実現されていないとして、改めて改善を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:田村智幸)

 月寒体育館の利用状況に関して過去にオンブズマンに苦情を申し立て、調査結果を踏まえて担当課と協議したが、その際に決定された対応が徹底されていないとして苦情が申し立てられたケース。「オンブズマンが一度調査して結果を通知した事項」は「オンブズマンの行為に関する事項」(札幌市オンブズマン条例3条6号)に該当するとして調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:梶井祥子)

 過去に調査を終了した案件(第2022−12号)の調査終了後の対応について苦情を申し立てたところ「調査をしない旨の通知」(第2025−66号)を受けたが、オンブズマン室から担当部局あてに苦情申立てがなされたことが通知されていなかったとして、苦情が申し立てられたケース。担当部局に通知をしないのは条例に基づく対応であり、苦情はオンブズマンの所轄事項ではないとして調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

(4) 本件第2025-93号
 札幌市営のスケート場で禁止されている「営利行為」について説明を求めても適切な回答がなされない等、市の対応について苦情が申し立てられたケース。「営利行為の状況についてはスケート場の管理・運営にかかわる問題であり、様々な立場の利用者に及ぶことを考慮すると、その利害を一元的にとらえてオンブズマンの調査の対象にすることは難しい」として、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:梶井祥子)

以上の次第で、第2025-66号および本件第2025-93号はいずれも担当オンブズマンは梶井祥子であるが、どちらの案件も「調査しない旨」が通知されたが、当ブログ開設者はどちらの案件も、「先行調査終了後のその後の事情」についての苦情申立てとして調査を実施するのが適切であったと考えている。

この点、当ブログ開設者は、第2025₋66号について、「この案件の苦情申立人は、過去に苦情を申し立てた(第2022-12号)『その後』の市の対応について、苦情を申し立てている。こうした場合において、『オンブズマンが一度調査して結果を通知している』ことは、そのこと自体が調査をしない理由とはならないと思われる。それは、調査を終了した後の『新たな事実』に基づいて苦情が申し立てられたと評価することができるからである。」と論じている(このエントリー)。

また、第2025-93号も、「市営スケート場で禁止されている『営利行為』について明確にするよう求めても納得のいく回答が得られない」ことが苦情申し立ての趣旨であり、その点について説明を受けることは申立人の利害が認めらると当ブログ開設者は考えている。

しかしながら、調査担当の梶井祥子は、「営利行為の状況についてはスケート場の管理・運営にかかわる問題であり、様々な立場の利用者に及ぶことを考慮すると、その利害を一元的にとらえてオンブズマンの調査の対象にすることは難しいと考えます」として、調査をしない旨を通知した。

このような判断は、申立人が当該スケート場における禁止行為である「営利行為」についての説明を受ける「利害」と、「営利行為」が禁止されることに伴う利用者の「利害」を故意に混同する極めて不適切な判断であると当ブログ開設者は考えている。図らずも「梶井祥子にオンブズマンの職は荷が重い」ことを示していると思われる(「その1」および「その2」はこのエントリー、「その3」はこのエントリー)。

ところで、第2025-87号の「苦情申立ての趣旨」に記載された申立人の主張が興味深い。それによると、「第2025-66号のオンブズマンの面談の際に同一事案として調査しない旨の見解は示されていた」ということだからである。どうやら梶井祥子は、申立人と面談した際、「調査終了後の対応についての苦情」を「同一事案」として認識している旨、直接伝えていたらしい。

もっとも、申立人は調査終了後の対応に不満を抱いたから新たに苦情を申し立てたにもかかわらず、「同一事案」として調査すらされなかったことに「異議はない」と主張しており、オンブズマンも申立人も(調査を終了した案件と)「同一事案」という点で見解が一致している。

それでも、申立人は結局、第2025₋87号において、「第2022-12号が3年経っても履行されていないことに対する苦情申し立てであることを強調し、調査することをもっと強調すべきであった」と後悔の念をにじませている。梶井祥子が第2025-66号について「調査しない旨」の判断をしたことの「罪深さ」を示していると思われる。

3.再三の問い合わせをする市民に対し『今後は回答を控える場合がある』旨の回答をすることの当否について
続いて、第2025-100号も、同一の申立人が複数回にわたりオンブズマンに対する苦情申し立てを行ったうちの1件である。

苦情申し立ての趣旨は、生活保護を受給する申立人が第2025-60号の調査における指摘内容について問い合わせても担当部局は具体的な言及をせず、申立人が受けた精神的苦痛や混乱について再度説明を求めても話が平行線である旨の見解を示すのみで具体的な説明を行わず、さらに、回答文書には「今後は回答を控える場合がある」と記載されており、申立人は説明や対話が打ち切られることへの強い不安と精神的苦痛を受けた、というものである。

担当部局にとって、申立人から再三にわたり説明を求める要望に対応することが、過重な業務負担に感じられるであろうことは容易に想像できる。しかしながら、『今後は回答を控える場合がある』という文書回答の記載はおだやかでない。結局、さらに申立人の不安をあおることになり、本件苦情が申し立てられることになったものと思われる。

これに対し、調査担当オンブズマンは、「本件苦情申立ては、第2025-60号を通知した後の市の対応に関する内容であり、前回の苦情申立てと一連のもので、背景が同一であると考えられ」、「すでにオンブズマン判断が示されていることから、『オンブズマンの行為に関する事項』として所轄外の事項に該当する」と判断した。

しかしながら、前述したように、『今後は回答を控える場合がある』という回答はおだやかではない。オンブズマンがこの点に限定して調査を実施すると、担当部局がなにゆえにそのような回答をせざるを得なかったのか、その理由が調査結果通知書に記録として残されることになったはずであるが、残念ながら本件調査が実施されることはなかった。

オンブズマンとしても、本件申立人からの複数回の苦情申し立てに業を煮やしている可能性はあるが、「行き場」を失ったと感じる本件申立人からの苦情申し立てにさらに拍車がかかることを当ブログ開設者は懸念する。

なお、当ブログ開設者が確認できた限りではあるが、本件苦情申立人が申し立てた苦情は以下のとおりである。苦情調査を行った案件には(実)、しない旨が通知された案件には(不)を付した(あくまで「確認できた限り」なので、このほかにも本件申立人が申し立てた案件や、今後、公開対象となる案件が存在する可能性がある)。

第2025-56号(不)、 第2025-57号(実)、 第2025-59号(不)、 第2025-60号(実)、 第2025-61号(不)、 第2025-69号(不)、 第2025-74号(不)、 第2025-79号(不)、 第2025-100号(不)。

4.そのほかの注目案件
このほか、医療保険の「高額療養費」の支給に関する第2025-91号は、苦情申立てにいたる前提事実が興味深い。すなわち、「限度額認定証」の交付を受けていなかったために償還払いとなったのであろうことと、さらに、未支給の「高額療養費」が「本人」死亡により法定相続人に支給されるべきところ、「パートナー」である本件申立人はその対象とならなかったであろうことが推測されるからである(が、苦情等調査結果通知書は正面からは論じていない)。

もっとも、こうした「制度に即した一般論」は、当ブログ開設者のように「制度そのもの」に対する興味関心があるものにとっては興味深いものの、少なくとも本件苦情申立人には「相性が悪い」ものとなるであろう。本件苦情申立人にとっては、神経を逆撫でされるであろうからである。

また、第2025-80号は、当ブログ開設者が申し立てた案件である。「制度に精通した市民」に対しては制度説明を省いても差し支えないかのような説明をする市の回答や、「公開請求に対する決定は、札幌市情報公開条例第13条第1項の特例の場合を除き、公開請求の一部について直ちに非公開決定をすることも想定されていないと認められます」というオンブズマン判断など、疑念を抱かざるを得ない点が散見される調査である(同条例13条1項は、公開決定の期限の延長についての規定であり、「直ちに非公開決定」をするための根拠とはならない)。

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①第2025-80号
 公文書公開請求を受けた担当部局による今後取得することになる文書の取り扱いについての説明が要領を得ず、その後も複数回の問い合わせをする必要が生じたとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

②第2025-86号
 市民の声を聞く課に電話した際の職員の対応が市民の声に寄り添うものでなかったとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

③第2025-88号
 申立人が金銭管理の支援をしている生活保護の受給者がおむつ代を自費負担していたところ、おむつ代が支給される制度があるとして遡及支給を求めたところ過去2か月分しか支給されず、おむつ代支給の制度についてケースワーカーからの説明も受けていないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

④第2025-89号
 生活保護受給者が特定の診療科受信を強要されたことや、転居費用が保護費として支給されないこと等について苦情が申立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)



⑤第2025-90号
 生活保護受給者が体調がすぐれないにもかかわらず就職活動をするよう強制されたとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑥第2025-91号
 申立人のパートナー(申立人とは法律婚関係にはない模様)が死亡した後に高額療養費が振り込まれる旨の通知が届いたこと(ただし未支給)や、保険年金課からパートナーの相続人の存否を聞かれたこと等について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑦第2025-93号
 札幌市営のスケート場で禁止されている「営利行為」について説明を求めても適切な回答がなされない等、市の対応について苦情が申し立てられたケース。「営利行為の状況についてはスケート場の管理・運営にかかわる問題であり、様々な立場の利用者に及ぶことを考慮すると、その利害を一元的にとらえてオンブズマンの調査の対象にすることは難しい」として、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑧第2025-98号
 除雪の際、雪の塊をマンションの壁に窓の高さ以上に積んでいくとして苦情が申し立てられたケース。オンブズマン事務局から土木センターに要望を伝えるので土木センターからの説明を待つよう連絡し了承を得た(何についての了承を得たのか不明だが「申立ての取下げ」と思われる)。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑨第2025-100号
 オンブズマン調査(第2025-60号)の調査終了後、生活保護を受給する申立人がこれまで受けた精神的苦痛や混乱に陥ったことついての再度の問い合わせに対する回答内容が不十分であるとして苦情が申し立てられたケース。本件苦情申し立てが前回の苦情申し立てと一連のもので背景が同一であるとして、調査しない旨が通知された。なお、本件苦情申立人はほかにも複数の申立てを行っている(このエントリーを参照)。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑩第2025-102号
 期日前投票が適正に行われているか確認するためにどのような手段があるか相談したいとしてオンブズマンに対する苦情申し立てがなされたケース。選挙管理委員会に説明をもめるようオンブズマンが助言し、申立てを取り下げる旨を聴取した。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑪第2025-107号
 自宅前の除雪作業で申立人の至近距離で重機が操作されるという危険な状況にあったとして、札幌市の安全管理体制についての回答を求めて苦情が申し立てられたケース。申立人からの質問や要望についての担当部局から回答に納得いかない場合にはあらためてオンブズマン室に相談するよう案内し了承を得た(何についての了承を得たのか不明だが「申立ての取下げ」と思われる)。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

2026/03/27

2026年1月に処理を終了した案件

2026年2月1日、同年1月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、決定期間延長のうえ、2026年3月18日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(2026年1月)に処理を完了したのは7件で、このうち4件で調査結果が通知された。また、残る3件については苦情について調査しない旨が通知された。

1.やっぱり梶井祥子にはオンブズマンの職務は「荷が重い」
今回公開を受けた全7件のうち、5件を担当したのが樋川恒一オンブズマンである。さしづめ「樋川恒一まつり」といったところであろうか。なかでも注目すべきは、「調査しない旨」を通知された第2025-87号である。この案件の担当オンブズマンが樋川恒一であることで、当ブログ開設者は、ああやっぱり「梶井祥子にオンブズマンの職務は『荷が重い』」と感じた次第。

さて、この第2025-87号の申立人は、2025年11月に処理を終了した第2025-66号の申立人である(このエントリーで紹介している)。この第2025-66号は、さらにさかのぼる第2022-12号の調査がなされた後、調査後の対応が十分ではないとして苦情が申し立てられた案件である(と、当ブログ開設者が理解した旨上記のエントリーで指摘した)。

ところが、である。今回公開を受けた第2025-87号の「苦情申立ての趣旨」に記載された申立人の主張によると、「苦情等調査結果通知書第2022-12号(中略)と同一事案として調査すらされなかった」が「ここまでに異議はない」ということであった。

当ブログ開設者は、申立人は調査終了後の対応に不満を抱いたから新たに苦情を申し立てたにもかかわらず、「同一事案」として調査すらされなかったことに「異議はない」と主張していることに大いに驚いた。

さらに驚いたのは、「第2025-66号のオンブズマンの面談の際に同一事案として調査しない旨の見解は示されていた」という申立人の主張である。どうやら梶井祥子は、申立人と面談した際、「調査終了後の対応についての苦情」を「同一事案」として認識している旨、直接伝えていたらしい。調査しないための「後づけ」の理由ではないことに驚いたわけである。

以上の次第で、別件の苦情調査終了後の対応について「新たに申し立てられた案件」であるにもかかわらず、オンブズマンも申立人も(調査を終了した案件と)「同一事案」という点で見解が一致していたわけである。それでも、結局申立人は、「第2022-12号が3年経っても履行されていないことに対する苦情申し立てであることを強調し、調査することをもっと強調すべきであった」と後悔の念をにじませている(オンブズマンとの面談後に、面談時の「同一事案」という説明に疑念を抱いたのかもしれない)。

このような経緯を経て、今回公開分の第2025-87号が申し立てられた。しかしながら、いったん「調査しない旨」の見解が示された案件について、新規に別件の苦情申し立てがなされたとしても、当該「新規」案件を担当するオンブズマンにできることは限られている。

また、申立人の「新規」の苦情もあまり「筋がよい」とはいえない。今回申し立てられた案件は、オンブズマンが「第2025-66号の案件の申立てがあったことを担当部局に伝えなかった」ことについての苦情申し立てだからである。そのため、この「新規」案件担当オンブズマンの樋川恒一は、「オンブズマンの行為」に関する苦情であるとして、調査しない旨を通知した。

しかしながら、元をただせば、第2025-66号の苦情申し立てを「同一事案」として調査しなかった梶井祥子の判断が適切ではなかったものと思われる。今回公開分の「新規」案件を担当した樋川恒一は、貧乏くじを引いたというべきか、あるいは梶井祥子の尻拭いをさせられたというべきか。

仮に今回の苦情が「第2022-12号の調査後の市の対応」についての苦情として申し立てられていたならば、樋川恒一は(調査をしないという梶井祥子の判断という)「オンブズマンの行為」に関する苦情であるとして、調査を実施しなかったであろうか(なお、調査を実施することは、「調査をしない」という先行案件の判断を実質的に覆すことを意味する)。

2.「通知」と「周知」の間にある大きなギャップ
さて、今回公開分(2026年1月終了分)の第2025-82号は、「定額減税補足給付金」に関する苦情である。2025年12月公開分(このエントリー)の同給付金に関する苦情は、「前提となる『制度』を知らないと振り回されることになる」という「見出し」をつけて紹介した(第2025-65号)。

いずれの案件も、「手続き懈怠」が給付を受けられたかった理由である。ただし、第2025-65号は2024年(令和6年)分の所得税の「修正申告」をしていなかったことが理由であった(というのが当ブログ開設者の理解)。これに対し、今回公開分の第2025-82号は、申立人が2024年に札幌市に転入したため市が「給付金」算定に必要な税のデータを持っておらず、受給のためには別途手続き(申立)が必要な事案であった。

なお、申立人は2024年分所得の確定申告を行っているほか、本件「給付金」受給手続きについてはインターネットの情報(国税庁及び市)を確認し、対象者には「通知文書」が送付されると思っていた模様である。

それに対し、市は2024年(令和6年)の転入者をはじめ給付金受給のためには「申立」が必要な人もいる旨、webサイトや広報誌で「周知」していた主張している。だとすると、個別に「通知」が来ると信じる申立人には、市の「周知」が届かなかったということなのであろう。

なお、市が「周知」のために開設したwebサイトのうち、「詳細」についてはすでに閉鎖されている。したがって、その内容を確認することはできないが、「概要」の以下の記載は、「通知」が来ると信じていた申立人には同情の余地があると、当ブログ開設者は考えている。複雑化せざるを得ない「制度」に難があると思われるからである。

「定額減税未済額」に金額の記載がある場合
「定額減税未済額」が0円以外の方は、給付金(調整給付)の支給対象者となる見込みです。給付金の支給対象となる方へは、後日、給付金の担当部署からご本人へ直接書類を送付します。
詳細は以下のページよりご確認ください。
令和6年度札幌市定額減税補足給付金(調整給付)(札幌市保健福祉局のページ)

3.国民健康保険の「海外療養費」の申請
今回公開分では、第2025-84号も興味深い案件である。申立人は書類を適切に準備していたのもかかわらず申請に長時間を要したとして、苦情が申し立てられた。

市は、時間を要したのは「正確かつ適切な事務処理を行うための必要なプロセスによるもの」だという回答をする一方で、今後の対応として、「本件のように確認すべき事項が多岐にわたることで、窓口対応の長時間化が見込まれるには『長時間の手続きを許容する』か『手続きの時間を短縮したい』か、あらかじめ申請者に意向を確認」し、「長時間の手続きを短縮されたい場合は、書類一式を一旦お預かりしたうえで形式審査を行う」旨を回答している。

以上のような回答は、「ならば今まではどのような対応をしていたのか」気になるところであるが、オンブズマンからの指摘を待つまでもなく、調査対象部局の側から今後へ向けて改善の意向を示していることは評価したい。

4.介護保険法に基づく市の権限について
このほか、第2025-78号では、介護保険の指定事業所やケアマネージャーの対応に不満をいだいた申立人が、市に適切に権限を行使することを求める趣旨で苦情が申し立てられた。市の回答は、市の「権限行使」のあり方について言及している点が興味深い。

この点、過去にケアマネの対応等について苦情が申し立てられた際、「調査しない旨」が通知された案件もある(第2023-26号)。その際、当ブログ開設者は市の権限行使のあり方について調査する余地がある旨の指摘をしたが(このエントリー)、オンブズマンがどのような論点を調査対象をするか、工夫の余地があることを示していると思われる。

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①第2025-75号
 障害を持つ者と生計を同一にする者が自動車税等を減免を受ける際に必要となる「同一生計証明書」の発行を受ける際、必要となる「証明書」について適切な説明を受けられなかったこと等について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

②第2025-78号
 介護保険事業者の提供するサービスやケアマネージャーの対応が不適切であるとして、市が適切な行政監督をすること等を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

③第2025-82号
 2024年(令和6年)に札幌市内に転入した申立人が、同年分の確定申告をすませていたにもかかわらず定額減税補足給付金が支給されなかったとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

④第2025-84号
 国民健康保険の「海外療養費」を申請する際、手続きに3時間20分もの長時間を要したとして苦情が申立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑤第2025-87号
 過去に調査を終了した案件(第2022−12号)の調査終了後の対応について苦情を申し立てたところ「調査をしない旨の通知」(第2025−66号)を受けたが、オンブズマン室から担当部局あてに苦情申立てがなされたことが通知されていなかったとして、苦情が申し立てられたケース。担当部局に通知をしないのは条例に基づく対応であり、苦情はオンブズマンの所轄事項ではないとして調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑥第2025-92号
 定期券で市電に乗車している申立人が車内の清掃状況について電車事業所に連絡したところ「4~5日おきに清掃している」という回答を受けたが、日常的に汚い状態で運転していることをオンブズマンにも確認してほしいとして苦情が申し立てられたケース。申立人に直接的な利害関係があるとはいえないとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:樋川恒一)

⑦第2025-94号
 (おそらく市立体育館で何らかのスポーツの教室の講師を務めていた申立人が当該教室の運営担当者から教室閉鎖を言い渡されたために)当該担当者の処分と教室の継続を求めて苦情が申し立てられたケース。本件苦情がオンブズマンの調査対象事項であることを伝えたところ、申立てを取り下げる意向が確認された。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

2026/03/23

「札幌市オンブズマン制度」についてのアンケート結果が公開される

札幌市では2021年度以来、「インターネットアンケート調査」を実施するようになった模様である。2025年度に実施したアンケートの結果はここから確認できるが、「札幌市オンブズマン制度」がテーマの一つとして設定されている。アンケートは、15歳以上の札幌市民500名を調査対象として、全25問のクローズ型のインターネットアンケートとして実施された。調査期間は、2025年9月11日~14日である。

このアンケートの特に「おもしろい」ところは、オンブズマンの調査結果が誰でも入手できることや、調査結果をwebで公開することについての質問項目が設定されていることである。つまり、当ブログ開設者が公文書公開請求で情報を収集することや、その結果を当ブログで公表すること自体に対する「市民の声」が可視化されているのである。当ブログ開設者は目がくぎ付けになった。それでは、アンケート結果をみていこう。


まず、Q12.では「調査結果を請求により誰でも入手できること」が問われている。回答は、「とても良いことだと思う」(21.0%)、「どちらかといえばよいと思う」(23.6%)と、半数近く(44.6%)が肯定的に受け止めている。これに対して、「どちらかといえば好ましくない」(6.2%)、「好ましくないと思う」(4.6%)という否定的見解は(10.8%)にとどまっている。

次に、Q13.は、「調査結果を入手した第三者がその内容をインターネットやSNSに掲載すること」が問われている。回答は、「とても良いことだと思う」(6.4%)、「どちらかといえば良いことだと思う」(12.8%)と、肯定的評価は2割弱(19.2%)であった。

これに対して、「どちらかといえば好ましくないと思う」(19.4%)、「全く好ましくないと思う」(24.2%)という否定的評価(43.6%)は、肯定的評価(19.2%)を大きく上回っている。このような回答は、当ブログにおいてオンブズマンの調査結果を紹介することは、必ずしも市民から肯定的に評価されない可能性を示している。

しかしながら、アンケートの結果は別の傾向も示している。それは、「実際の事例」を明らかにするニーズの存在である。

まず、Q19.では「今後オンブズマン制度をもっと知ってもらうために今一番重要だと思うこと」が問われている。そして、「実際の利用事例の紹介」という選択肢が13.2%(SA)から選ばれている。

また、Q22.では「25周年をきっかけに制度や広報に期待すること」が問われており、「実際の事例をもっと紹介してほしい」という選択肢が31.0%(MA)、Q23.では「オンブズマン制度の今後の方向性として必要だと思うこと」が問われており、「調査結果をわかりやすく公開する」という選択肢が31.8%(MA)から選ばれている。

したがって、このような回答は、個別案件を紹介することに対する一定のニーズがあることを示していると思われる。その一方で、当ブログ開設者のような「第三者」が公文書公開請求を通じて「実際の事例」や「調査結果」を紹介することはあまり歓迎されておらず、「実際の事例」や「調査結果」を紹介するにしても、それは制度運用者側が行うべきだというのが市民の受け止め方だと評価できるかもしれない。

ただし、留意すべき点もある。それは、アンケート回答者が現在、オンブズマン調査の「実際の事例」や「調査結果」がどのように紹介されているか、どの程度認識したうえで回答しているか、必ずしも明らかではないからである。

すなわち、毎年度公表される「札幌市オンブズマン活動状況報告書」に一部の案件が掲載されていることや、当ブログにおいて個別案件が(批判的に)紹介されていることは、必ずしも広く認知されていない可能性があるということである。この点、いささか自嘲的であるが、アンケート回答者が当ブログの存在を知って回答した場合、「否定的評価」がさらに高まる可能性があると当ブログ開設者は考えている。

ところで、当ブログ開設者は、「札幌市オンブズマン観察記はじめます」と題するエントリー(リンクはここ)において、当ブログの目的を以下のように論じている。

(1)オンブズマン「活動状況報告書」に掲載されない案件を紹介する
(2)オンブズマン「活動状況報告書」に掲載されない「市の回答」部分を紹介する
(3)「活動状況報告書」が発行されるよりも早くオンブズマン調査の内容を紹介する

そして、2016年(平成28年)4月に調査を終了した案件の公開請求を皮切りに、公開を受けたオンブズマンの調査結果等を当ブログで紹介してきたわけである。余談ながら、この3月(2026年3月のことである)に処理を終了した案件の請求を完了すると、まる10年分の調査について公開請求を行ったことになる。われながら、よくぞここまで継続してきたものである。

また、当初は案件を紹介することに主眼を置いてきたが、近時は調査そのものに対する批判を加える傾向が強まっている。それは、調査担当オンブズマンが苦情対象となった制度について、理解が十分でないと思われる案件が見受けられるからである。

こうした傾向は、当ブログ開設者が札幌市オンブズマン制度の究極的な存在意義を「住民自治の実質化」であると考えるとともに、この制度が「適切な説明を受ける利益」を実現する制度として独自の存在意義がある、という制度理解に基づいている。

すなわち、適切な制度理解があればもっと異なるオンブズマン判断もありえるのではないかということ、そして、適切な制度理解に基づくオンブズマン判断は「市政の改善」につながる可能性を高めると、当ブログ開設者は考えているのである(なお、当ブログ開設者の「札幌市オンブズマン」制度の理解については、さしあたりこのエントリーを参照されたい)。

もっとも、上述の「ブログの目的」はあくまで「表向き」の理由である。当ブログ開設者が、オンブズマン調査に関する文書について公文書公開請求をするとともに、公開された文書を当ブログで紹介することに踏み切ったのは、「オンブズマンの調査内容を公開すること」によって、それを嫌う申立人が苦情申し立てを忌避する「抑制効果」が生じるのではないかと、問題提起するためであった。そして、そのような問題提起をするためには、抽象的な指摘よりも「実際の請求」を行うのが効果的だと考えたのである。

こうして10年が経過した。前述のように、当ブログ開設者は、もともとオンブズマンの調査内容を公開することにより「抑制効果」が生じることを懸念していた。しかしながら、実際に公開を受けることで、当初の想定とは別の「意義」を発見することになった。

すなわち、上述の「表向き」の(かつ抽象的な)ブログの目的は不変であるが、実際に調査内容を記録した文書の公開を受けることで、市民の生活を支えるために市職員が「縁の下の力持ち」として職務を遂行する姿が見えてきたのである。これは当ブログ開設者にとって、大きな収穫であった。また、そうであるからこそ、当ブログ開設者が公文書公開請求を継続してきたといえるかもしれない。

以上の次第で、今回のアンケート結果をふまえると、制度運用側は、オンブズマンの調査結果を現在よりも積極的に公表する必要があると、当ブログ開設者は考えている。その一方で、オンブズマン調査についての「公文書公開請求」も閉ざされるべきではない。それは、制度運用側から公表される情報は制度運用側にとって「都合がよい」情報に限定される可能性があるほか、そもそも「市民の知る権利」の実現は「住民自治」の第一歩だからである。

それでも、オンブズマンの調査内容を公表することは、それにより、苦情申し立ての「抑制効果」が生じることは考慮する必要があるだろう。したがって、オンブズマンの調査内容について「第三者」からの公文書公開請求がなされた場合、制度運用側からの公表(「活動状況報告書」の公表を想定している)がなされるまで、調査内容を記録した文書の公開を控えることも検討されるべきである。

この点、札幌市情報公開条例は、「事務又は事業の性質上、公にすることにより、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」(同条例7条4号ク)を非公開情報としている。したがって、オンブズマン調査が終了したのち一定期間は、公開することで苦情申し立てに対する「抑制効果」が生じる可能性を考慮し、この号に基づき調査結果を非公開とする一方で、制度運用側から調査内容が公表されて以降は「事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」がないという取り扱いをするわけである。

なお、同条例には次のような定めもある。「公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開しない旨の決定(中略)をした場合において、当該公文書の全部又は一部についての公開が可能となる時期が明らかであるときは、実施機関は、その旨をこれらの規定による書面に付記しなければならない」。この規定は、制度運用側からオンブズマン調査を公表するまでは「非公開」とする扱いの根拠となると思われる。

また、以上の取り扱いは、オンブズマンの調査内容を記録した文書については、「事務事業情報」(同条例7条4号ク)の記載を理由として「非公開決定」をするということ意味するのみである。制度運用側からの調査内容が公開されて以後も、「特定個人識別情報」(同条例7条1号)等に該当する情報は「非公開」とすることは当然である。

2026/03/21

2025年12月に処理を終了した案件

 2026年1月1日、2025年12月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、決定期間延長のうえ、2026年2月13日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(2025年12月)に処理を完了したのは7件で、このうち4件で調査結果が通知された。また、残る3件のうち、2件については苦情について調査しない旨が通知され、1件については苦情申立ての取下げという取り扱いがなされている。

1.梶井祥子にオンブズマンの職務は「荷が重い」(その3)
前月(2025年11月)に調査を終了した案件を紹介する前回のエントリーで(その1)(その2)を論じたが、今回の公開分は(その3)。やはり、「梶井祥子にオンブズマンの職務は『荷が重い』」ようである。

今回公開分においても、梶井祥子は札幌市オンブズマン条例の「調査対象外事由」の規定が「オンブズマンの負担が荷重になること」を避けるために設けられた規定である旨の見解を披歴している(また、「本来の利害関係人の意思にそぐわない申立てがなされる事態を避ける」という見解も披歴している)。こうした見解については、すでに前回のエントリーで批判しているので繰り返さない。

むしろ、今回公開分で「梶井祥子にオンブズマンの職務は『荷が重い』」ことを痛感した案件は、「障がいのある方を対象とした札幌市職員選考」の応募者が、試験当日に担当職員から補聴器を外すよう求められて受験を断念したことを理由として申し立てられた苦情である(第2025-76号)。

苦情申し立て後の顛末は通知書で確認していただくとして、本件苦情は、当該選考試験に際し市が障害者差別解消法7条2項が規定する行政機関に求められる「合理的配慮」を具体的にどのように行っているのかということや、市の障害者雇用促進法が規定する法定雇用率の達成状況(同法38条~40条参照)などについて、当ブログ開設者は興味を抱くことになった(札幌市における2025年6月1日現在の法定雇用率の達成状況は以下の画像データのとおり)。
また、2025年度の採用選考案内によると、採用予定数は「一般事務」「学校事務」とも1~2名程度とされており、なかなかの「狭き門」の模様である。

さて、この案件担当の梶井祥子は、オンブズマン判断の「(4) おわりに」において、札幌市の「ユニバーサル展開プログラム」や、「第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン(2023~2031年度)」の2件の行政計画について言及している。

この点、梶井祥子は「第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン」を策定する「審議会」の副会長を務めていたようだ。どうやら、オンブズマンの地位を利用して、自らが関与した行政計画の宣伝をしようとしたか、当該行政計画についての「知ったかかぶり」をしようとしたものと思われる)。

しかしながら、上述の障害者差別解消法が規定する「合理的配慮」や、障害者雇用促進法が規定する地方公共団体の法令上の義務について言及しなかった(「市の回答」には、「受験上の配慮の申出」を受けている旨の記述あり)。当ブログ開設者が、「梶井祥子にオンブズマンの職は荷が重い」と感じる所以である。

2.前提となる「制度」を知らないと振り回されることになる
現在、国レベルで「給付付き税額控除」の議論が始まったところであるが、今回公開分の第2025-65号は、2025年度に実施された「定額減税給付金」についての苦情である。申立人は、給付額が不足すること、また、問い合わせた際の案内が不正確であるとして、苦情が申し立てられた。

この案件も、制度の詳細については通知書を参照されたいが、前提となる「制度」を理解していると、必要な「手続き」の意味も理解できるところ、前提となる「制度」を理解しないまま「手続き」を取ることになると「振り回された」印象を抱くことになると思われる。また、実際に適切な手続きを取っていなかったために、苦情申し立てにつながることになった。

おそらく申立人は、過去の納税額の還付を申告する手続きと「定額減税給付金」受給のための手続きや、「国税」の手続きと「市税」の手続きの違いについて、明確に認識できていなかったと思われる。前提となる「制度」への理解を欠いたが故の不幸であると当ブログ開設者は考えている。

ただし、制度を存在を前提とすると、所定の手続きを取ることが当然視されることになるものの、過度に制度が複雑化したために必要な手続きそのものが不明確になることは、過去のオンブズマンに対する苦情から明らかである。制度や手続きの周知のあり方、さらに、前提となる制度設計のあり方は「永遠の課題」かもしれないが、当ブログ開設者は、市民の苦情が制度の周知や制度そのものの改善につながる契機となることを期待している。

3.複数回の申立てをする「超上客」をいかに「おもてなし」すべきか(その2)
前回のエントリーで「複数回の苦情を申し立てる『超上客』へのおもてなしのあり方については、次回のエントリーでも取り扱うことにしたい」と論じた。それは、今回公開分の第2025-79号がまさにそうした案件だからである。

本件苦情の申立人は、前回のエントリーで紹介した第2025-74号において、市の担当課からの回答が「双方の主張に食い違いがあり、当時の記録が存在しないため判断できない」ということに不満を述べる一方で、「私が市に対して行ってきた複数の苦情申し立てに関し、『双方の主張が食い違い、記録がないため判断できない』という同一の理由により、すべてが実質的に判断不能として処理されている現状」について改善の必要性を訴えていた。

こうした主張からは、申立人が「担当課」と「オンブズマン」を混同していることが疑われたが、今回公開を受けた本件第2025-79号の記述から、申立人はオンブズマンに対する苦情申し立てのほかにも、「人事課」にも対応を求め、その対応に不満を抱いたことにより苦情が申し立てられたことが判明することになった(前回のエントリーにも記述したところである)。

本件担当オンブズマン神谷奈保子(今般の申立人の複数の申立ても担当している)は、本件の「調査しない理由」において、①申立人が人事課からの回答に不満を覚えて本件苦情を申し立てたこと、②申立人の当初の不満である担当ケースワーカーの対応についてはすでにオンブズマンが「前回調査」(第2025-57号)を実施していること、③『前回調査』において、オンブズマンは「双方の主張に食い違いがあり」「事実を確認することができず、本件ケースワーカーの行為が個人情報保護及びプライバシー尊重の観点に照らし不適切であるかどうかを判断することができません」という判断をしていることについて言及した。

こうした「事実関係」の整理は、複数回の苦情申立てがなされたケースにおいて、論点を明確化するために一定の意義を有することは間違いない。しかしながら、そのことがかえって、本件申立人の場合には、論点や対応を求める担当部局を拡散させることに「一役買う」結果になることを当ブログ開設者は懸念する。

そうすると、ケースによっては、オンブズマンが申立人の苦情申立ての論点を「ピンポイント」で絞り込み、その点についてオンブズマンの見解を示すことに徹するほうが「おもてなし」として適切なケースもあるのではないかと当ブログ開設者は考えている。

なお、当ブログ開設者は、市職員の対応に不満を抱いた市民が当該職員に懲戒処分を課すことを求めて「人事課」に情報提供した場合、人事課の対応の原理原則に興味があるが(一般論としては、懲戒処分の要否を判断するのは当該職員の直近の上長の模様である)、オンブズマンがこの点について調査するとなると「収拾がつかない」ことになりそうである(ので、やめておいたほうがいいだろう)。

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①第2025-65号
 令和7年度の定額減税補足給付金の申立てをしたが、必要書類の提出がないとして認められなかったことに納得がいかないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

②第2025-72号
 生活保護を受給する申立人が収入申告書を提出しに行った際、担当職員が不在のため担当外に職員が申立人に対応したところ、当該担当外の職員の対応に恐怖を覚えたとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:樋川恒一)

③第2025-76号
 「障害のある方を対象とした札幌市職員採用選考」の試験当日に補聴器を外すことを求められ、試験の受験を断念することになったとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:梶井祥子)

④第2025-77号
 生活保護を受給する申立人が、担当ケースワーカーの一連の対応に不満があるとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑤第2025-79号
 (申立人に対応した市職員の対応について申立人が人事課に不満を伝えたことを契機とする)人事課による市職員の対応に関する調査は、(市とは別組織である)社会福祉協議会への調査を行っていない点で不備があるとして、このような人事課の対応についてオンブズマンによる調査を求めて苦情が申し立てられたケース。本件苦情はすでにオンブズマンが実施した調査(第2025-57号)と同内容と思われるとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:神谷奈保子)

⑥第2025-81号
 定期券で市電に乗車している申立人が車内の清掃状況について電車事業所に連絡したところ「4~5日おきに清掃している」という回答を受けたが、日常的に汚い状態で運転していることをオンブズマンにも確認してほしいとして苦情が申し立てられたケース。申立人に直接的な利害関係があるとはいえないとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:梶井祥子)

⑦第2025-83号
 (おそらく市立体育館で何らかのスポーツの教室の講師を務めていた申立人が当該教室の運営担当者から教室閉鎖を言い渡されたために)当該担当者の処分と教室の継続を求めて苦情が申し立てられたケース。本件苦情がオンブズマンの調査対象事項であることを伝えたところ、申立てを取り下げる意向が確認された。(担当オンブズマン:樋川恒一)