2021/09/19

2021年8月に調査を終了したケース

 2021年9月1日、同年8月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、同年9月15日付で一部公開決定がなされた。

上記の期間(2021年8月)に調査を終了したのは10件で、このうち8件で調査結果が通知されている。また、残る2件のうち1件は調査をしない旨が通知され、1件は申立人の苦情取り下げにより、調査が終了している。

このうち、もっとも注目に値するのが第2021-17号である。この案件は、介護保険制度における住宅改修費が支給されないという苦情である。調査に3か月もの期間を要したり、要領を得ないオンブズマン判断が延々と続く等、数多の欠点はあるものの、市の対応において改善すべき点が浮き彫りになったという点で、重要な意義を有すると思われる。

ところで、介護保険制度における住宅改修費(要介護の場合は「居宅介護住宅改修費」(介護保険法45条)、要支援の場合は「介護予防住宅改修費」(介護保険法57条))は、在宅で介護を受けながら生活する際、生活する上での支障をできる限り軽減するために、住宅の改修費用を補填する制度である。そのため、要介護者または要支援者が福祉施設や医療機関に入所・入院している場合には、支給対象とならないのが制度の建前である。

これに対し、制度運用の実態としては、福祉施設や医療機関から退所・退院して在宅での生活に復帰しようという場合において、あらかじめ住宅の改修工事を完了しておくことは、在宅への復帰を円滑化できる利点がある。そのため、退所・退院に先立ち工事を完了した場合にも、事後的に住宅改修費を支給することが許容されている。

このように、制度の建前と運用の実態にギャップがあるため、退所・退院に先行して工事を完了しながら、結果的に退所・退院できなかった場合には、「在宅での生活」という住宅改修費の支給要件を満たさないために、住宅改修費が不支給となるケースが生じることになる。本件苦情は、まさにそうした事例である。

のみならず、本件苦情の場合には、住宅改修工事を完了しても、退所・退院が叶わなかった場合には住宅改修費が支給されないことについて、要介護者(の親族)は事前に知りうる機会がなかったとして、住宅改修費の支給手続きを代行したケア・マネージャーの対応についても、苦情が申し立てられている。

以上が苦情の概要であるが、オンブズマン判断には看過できない点があるので、以下で指摘しておきたい。

まず、本件調査を担当したオンブズマンは、ケア・マネージャーの対応について縷々見解を展開している。しかしながら、居宅介護支援事業所に所属するケア・マネージャーの行為は、オンブズマンの所轄事項たる「市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為」(札幌市オンブズマン条例3条)に該当せず、その判断はオンブズマンの所轄事項を逸脱していると思われる。

また、調査担当オンブズマンは、申立人の主張に引きずられたためであろうか、「制度運用上の不備」であるとか、「市の説明責任」といった過度に抽象的な文言を弄するものの、市に対し、具体的に改善すべき内容を指摘するには至っていない。苦情の前提たる制度について、調査担当オンブズマンが十分に理解できていないためかもしれない。

さらに、調査担当オンブズマンは、「仮に事前に担当ケアマネから説明・教示されていたとしても、適切なタイミングで工事を延期又は中止することは難しかったのではないか」という見解を示している。

しかしながら、工事の延期又は中止の可能性という申立人側の対応について云々することは、オンブズマンが「市の機関の業務の執行」について調査をする際には、不要な判断であると思われる。のみならず、このような見解を示すことは、徒に申立人の感情を害する可能性がある。調査を担当したオンブズマンも、あえて自らのデリカシー欠如を積極的に示す必要もあるまい。

このほか、オンブズマン判断において、使われている用語に適切ではないと思われるものもあるが、調査の意義を損なうほどのものではないため、そのことを指摘するにとどめたい。

なお、このエントリーを公開した時点では、当ブログ開設者は市の説明の疑義について記述したが、その後、市の介護保険課に問い合わせることで自己の誤解が判明したため削除した。複数回の問い合わせに対応してくださった担当者氏には、記してお礼申し上げる次第である。

以上、当ブログ開設者の思うところを縷々述べてきたが、市には今後、①市民に向けた制度について周知の段階と、②実際の具体的な請求手続きの段階において、住宅改修費が支給されない場合について、市民の理解が得られるような教示・説明の工夫をこらすことを期待している。

(2021年10月30日に記述を一部修正しました)

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①第2021-17号
 介護保険から住宅改修費が支給されないことのほか、どのような場合に支給されないかについてケアマネから事前に説明を受けなかったことや市の担当部局の一連の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

②第2021-28号
 2018年の北海道胆振東部地震の際、家屋が一次調査で「一部損壊」と判定されたことにその際は納得したが、改めて二次調査の実施を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

③第2021-30号
 狸小路3丁目の歩行者専用道路にコンテナが2基設置されているが、通行に支障があるとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

④第2021-32号
 賃貸不動産の管理をしている会社が、当該会社の管理物件に入居する生活保護受給者の部屋の明け渡しや家賃の未納に関し保護課に対応を依頼しても十分な対応がなされないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:田村智幸)

⑤第2021-34号
 かつて札幌市に居住していたが現在は市外に転居した申立人が、申立人の子について札幌市の児童相談所がケース移管しないこと等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑥第2021-35号
 札幌市オンブズマンに苦情を申し立てようとする際、市職員が申立てに介入してくるためにオンブズマン制度の中立性が確保されていないこと等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

⑦第2021-36号
 教育委員会の職員から送付されてきたメールの内容に虚偽がある等、教育委員会職員の対応について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:田村智幸)

⑧第2021-39号
 住民税課税に際して過誤が補正されたこと伴い、国民健康保険及び介護保険の保険料も補正されたが、納付ずみの納期分の保険料は補正前の金額を納付したために過払いになっているとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

⑨第2021-43号
 市営住宅の入居に当選したが、民生委員からの圧力で辞退に追いやられたとして苦情が申し立てられたケース。申し立てられた事実が1年以上前のことであり、調査しないという結論になる可能性が高い旨を説明したところ、申立てが取り下げられたため調査は終了している。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑩第2021-45号
 申立人に無断で印鑑登録証が偽造されるという犯罪について、犯罪に加担した区役所の責任を札幌市オンブズマンが追及してほしいとして、苦情が申し立てられたケース。印鑑登録がなされたのが1年以上前の出来事であるとして、調査しない旨が通知され調査は終了している。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

2021/08/24

札幌市オンブズマン苦情処理日数の状況(オンブズマン別・2020年度まで)

前回のエントリーでは、年度別の処理状況を紹介したが、このエントリーでは、オンブズマン別の処理状況を紹介する。

札幌市オンブズマンの制度が発足した2001年3月(年度としては2000年度)以来、オンブズマンは、各年度の3月1日付で2年任期で任用されている。そのため、初年度の任用期間は当該年度の3月、1か月間だけであるところ、データとしての信頼度を高めるため、以下の表では、任用初年度は2年度目と合算し、13か月間に申し立てられた苦情の処理状況について計上している。

また、オンブズマンの任用期間の最終年度は、4月から翌年2月末までの11か月間の任用である。したがって、まるまる1年には1か月不足することになるが、最終年度については、この11か月間に申し立てられた苦情の処理状況について計上している(それ以外の年度については、4月から翌年3月までの12か月間に申し立てられた苦情の処理状況について計上してある)。

このほか、「取扱件数」のうち、「結果通知処理件数」に計上した件数は、「苦情等調査結果通知書」が発送された案件のものである。そして、「平均処理日数」、「中央値」及び「30日以内処理率」のデータは、この苦情等調査結果通知が発送された案件について、算出したしたものである。

(1) 廣岡得一郎(弁護士・2001年3月1日〜2005年2月28日)


取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2000/01年度
57
39
43.67
29
56.4%
2002年度
33
27
28.85
26
66.7%
2003年度
32
29
26.38
25
53.8%
2004年度
28
18
29.11
26
66.7%
通算
150
113
33.37
28
64.6%

(2) 長井敬子(札幌地方・簡易裁判所民事調停委員、人権擁護委員・2001年3月1日〜2005年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2000/01年度
62
42
38.29
31
47.6%
2002年度
41
32
31.88
28
68.8%
2003年度
39
26
33.73
31
38.5%
2004年度
23
20
33.10
30
55.0%
通算
165
120
34.73
30
52.5%

(3) 三谷鉄夫(北海道大学名誉教授・2001年3月1日〜2004年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2000/01年度
58
39
49.54
29
53.8%
2002年度
37
29
32.45
28
62.1%
2003年度
32
26
29.50
30
53.8%
通算
127
94
38.72
29
56.4%

(4) 佐藤譲治(元会社役員・2004年3月1日〜2008年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2003/04年度
36
31
31.55
29
64.5%
2005年度
35
30
22.73
22
96.7%
2006年度
39
33
23.42
25
93.9%
2007年度
30
26
24.00
22
92.3%
通算
140
120
25.48
25
86.7%

(5) 文仙俊一(弁護士・2005年3月1日〜2009年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2004/05年度
41
36
27.44
27.5
75.0%
2006年度
38
32
27.03
26.5
90.6%
2007年度
37
28
24.50
23.5
89.3%
2008年度
33
29
31.14
28
75.9%
通算
149
125
27.54
27
82.4%

(6) 杉野目康子(翻訳家、元北海道教育委員・2005年3月1日〜2009年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2004/05年度
36
29
24.55
27
72.4%
2006年度
38
27
25.59
27
92.6%
2007年度
39
31
24.90
23
87.1%
2008年度
31
29
34.48
29
69.0%
通算
144
116
27.37
27
80.2%

(7) 前野正明(元会社役員・2008年3月1日〜2012年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2007/08年度
48
46
31.70
27.5
78.3%
2009年度
43
36
38.36
35
38.9%
2010年度
46
37
34.12
35
45.9%
2011年度
35
27
45.78
44
18.5%
通算
172
146
36.56
31.5
49.3%

(8) 岩本勝彦(弁護士・2009年3月1日〜2013年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2008/09年度
54
43
32.40
30
58.1%
2010年度
43
37
35.54
29
51.4%
2011年度
46
43
35.77
35
39.5%
2012年度
42
36
25.56
22.5
80.6%
通算
185
159
32.49
29
56.6%

(9) 井上宏子(消費生活アドバイザー・20009年3月1日〜2013年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2008/09年度
46
39
38.54
36
35.9%
2010年度
41
35
34.69
30
51.4%
2011年度
40
37
37.78
35
35.1%
2012年度
33
25
27.28
27
80.0%
通算
160
136
35.27
31
47.8%

(10) 相澤重明(札幌家庭裁判所家事調停委員・2012年3月1日〜2016年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2011/12年度
46
39
34.13
30
53.8%
2013年度
42
35
31.11
30
57.1%
2014年度
46
39
34.15
30
51.3%
2015年度
31
26
36.92
36
23.1%
通算
165
139
33.90
31
48.2%

(11) 三木正俊(弁護士・2013年3月1日〜2017年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2012/13年度
50
43
29.63
28
72.1%
2014年度
43
35
34.57
33
45.7%
2015年度
51
40
32.35
30
55.0%
2016年度
25
22
33.55
32.5
31.8%
通算
169
140
32.26
30
58.5%

(12) 吉田かよ子(北星学園大学教授・2013年3月1日〜2015年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2012/13年度
48
40
29.13
28
75.0%
2014年度
34
28
32.96
31
50.0%
通算
82
68
30.71
29
64.7%

(13) 岩田雅子(札幌地方・簡易裁判所民事調停委員・2015年3月1日〜2019年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2014/15年度
46
41
30.76
28
63.4%
2016年度
34
31
34.26
30
58.1%
2017年度
28
20
36.25
34.5
35.0%
2018年度
20
17
39.35
41
17.6%
通算
128
109
34.10
31
49.5%

(14) 杉岡直人(北星学園大学教授・2016年3月1日〜2020年2月29日)
取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2015/16年度
42
36
34.81
32
47.2%
2017年度
27
24
37.71
35.5
20.8%
2018年度
26
20
42.60
38
15.0%
2019年度
24
20
36.20
36.5
20.0%
通算
119
100
37.34
36
29.0%

(15) 房川樹芳(弁護士・2017年3月1日〜2021年2月28日
取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2016/17年度
34
29
35.38
30
51.7%
2018年度
28
26
*37.62
*36
19.2%
2019年度
43
32
36.25
36
25.0%
2020年度
27
16
33.06
34
37.5%
通算
132
103
*35.85
*35
32.0%
*を付したデータは、2018年度の案件のうち1件について推定値に基づくことを示している。

(16) 八木橋眞規子(札幌地方・簡易裁判所民事調停委員・2019年3月1日~現職)
取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2018/19年度
50
38
41.82
38.5
26.3%
2020年度
27
22
33.91
31.5
40.9%
通算
77
60
38.92
35
31.7%

(17) 原俊彦(札幌市立大学名誉教授・2020年3月1日~現職)
取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2019/20年度
39
26
39.81
38.5
23.1%
通算
39
26
39.81
38.5
23.1%

(18)田村智幸(弁護士・2021年3月1日~現職)
取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2020年度
5
3
27.67
30
66.7%
通算
5
3
27.67
30
66.7%

以下の(グラフ1)は、オンブズマン別の結果通知の平均処理日数を示したものである。なお、上記のオンブズマン別の表は、オンブズマンの任期の古い順に並べたものだが、以下のグラフも同順である。



(グラフ1)

次に、年度別の処理状況と同様に、各オンブズマンの処理日数区分ごとの度数分布の表を作成した。
(表1)
   
20日
以内
 21日〜
30日
 31日〜
45日
46日〜
60日
61日〜
90日
91日
以上
30日
以内
処理率
30日
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
廣岡
23
20.4%
50
55.6%
24
21.2%
9
8.0%
2
1.8%
5
4.4%
64.6%
35.4%
長井
16
13.3%
47
39.2%
39
32.5%
7
5.8%
8
6.7%
3
2.5%
52,5%
47.5%
三谷
18
19.1%
35
37.2%
24
25.5%
5
5.3%
7
7.4%
5
5.3%
56.4%
43.6%
佐藤
22
18.3%
82
68.3%
12
10.0%
3
2.5%
1
0.8%
0
0.0%
86.7%
13.3%
文仙
20
16.0%
83
66.4%
17
13.6%
3
2.4%
1
0.8%
1
0.8%
82.4%
17.6%
杉野目
25
21.6%
68
58.6%
14
12.1%
6
5.2%
3
2.6%
0
0.0%
80.2%
19.8%
前野
13
8.9%
59
40.4%
40
27.4%
22
15.1%
10
6.8%
2
1.4%
49.3%
50.7%
岩本
20
12.6%
70
44.0%
48
30.2%
15
9.4%
6
3.8%
0
0.0%
56.6%
43.4%
井上
13
9.6%
52
38.2%
47
34.6%
17
12.5%
5
3.7%
2
1,5%
47.8%
52.2%
相澤
7
5.0%
60
43.2%
52
37.4%
18
12.9%
2
1.4%
0
0.0%
48.2%
51.8%
三木
7
5.0%
69
49.3%
52
37.1%
10
7.1%
2
1.4%
0
0.0%
54.3%
45.7%
吉田
3
4.4%
41
60.3%
21
30.9%
2
2.9%
1
1.5%
0
0.0%
64.7%
35.3%
岩田
5
4.6%
49
45.0%
39
35.8%
16
14.7%
1
0.9%
0
0.0%
49.5%
50.5%
杉岡
3
3.0%
26
26.0%
53
53.0%
13
13.0%
5
5.0%
0
0.0%
29.0%
71.0%
房川
1
1.1%
32
31.1%
53
51.5%
17
16.5%
0
0.0%
0
0.0%
32.0%
68.0%
八木橋
0
0.0%
19
31.7%
23
38.3%
13
21.6%
5
8.3%
0
0.0%
31.7%
68.3%
1
3.8%
5
19.2%
13
50.0%
6
23.1%
1
3.8%
0
0.0%
23.1%
76.9%
田村
0
0.0%
2
66.7%
1
33.3%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
66.7%
33.1%
通算
197
10.5%
849
45.2%
571
30.4%
182
9.7%
60
3.2%
18
1.0%
55.7%
44.3%

(表1)よりもさらに度数分布を細かく区分し、平均処理日数の短い順に並べたのが、以下の(グラフ2)である。このグラフは、処理日数の短いオンブズマンの順に並べてある。

(グラフ2)

制度発足当初を別にすると、任用初年度に調査に最も時間を要していたオンブズマンは、長らく「ゲスの極み乙女。ならぬグズの極みババア」こと井上宏子オンブズマンであった。それがここ2年連続で、任用初年度のオンブズマンの苦情処理日数が、「ゲスの極み乙女。ならぬグズの極みババア」こと井上宏子オンブズマンの数値を下まわるという怪挙(?)が達成された。

そして、2020年度が実質初年度の「眠れるオンブズマン」こと原俊彦オンブズマンが「ゲスの極み乙女。ならぬグズの極みババア」こと井上宏子オンブズマンの初年度よりも調査に日数を要した事実は、「眠れるオンブズマン」こと原俊彦オンブズマンの眠れる状況を物語っているようで興味深い。

もっとも、「ゲスの極み乙女。ならぬグズの極みババア」こと井上宏子オンブズマンも、任用4年目の2012年度には、平均処理日数が30日を切っている。2年目以降、「眠れるオンブズマン」こと原俊彦オンブズマンが目覚めの時を迎えるのか、それとも引き続き眠り続けるのか、引き続き注目したい。