2018/05/22

平成30年4月に調査を終了したケース

平成30年5月1日、平成30年4月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、同年5月15日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(平成30年4月)に調査を終了した6件で、調査結果が通知されている。

①第29-76号
 生活保護受給開始前に入居したアパートの敷金が返金されたところ収入認定されたが、その際の取り扱いに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)


②第29−78号
 生活保護受給者が、担当ケースワーカーによる暴言や守秘義務違反を含む職員の一連の対応に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

③第29−79号
 市税事務所職員による法人市民税の申告納付の書類の取扱い及び同事務所職員が事業実態の調査に際し私用の携帯電話を用いたことについて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

④第29−80号
 市道のマンホールの周囲にできた穴に車がはまりタイヤがパンクしたため市に補償を求めたところ、対応した職員から明確な説明を受けられなかったこと等、市職員の一連の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑤第29−81号
 未納分の市税を銀行で納付したにもかかわらず差押え通知が届いたとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

⑥第29−82号
 転居手続きの際に提出した届出書記載の住所を対応した職員が訂正したが、そのことによって住民登録の住所に誤りが生じたとして、誤りが生じた経緯の説明を求めるとともに、誤り判明後の職員の対応について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

2018/04/27

オンブズマン調査の分野別分類(平成29年度終了分・全件)

このブログでは、札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件について、各月ごとにエントリーを作成し紹介している。しかしながら、オンブズマンに申し立てられた苦情の内容と、調査が終了した時期は直接に関係するわけではなく、このような紹介のやり方では、年間を通じて、どのような苦情が申し立てられてきたかを確認するには、いささか都合が悪かった。

そこで、平成28年度に調査が終了した案件については、このエントリーにおいて、大まかな行政分野ごとに苦情を分類した。その例にならい、平成29年度にオンブズマンによる調査が終了した案件についても、大まかに行政分野ごとの分類を試みることによって、読者の利便性を高めることにしたい。

もっとも、分野ごとに分類するといっても、苦情のなかには複数の行政分野にかかわる案件も存在する。そのため、分類は必ずしも厳格なものではなく、あくまで便宜的なものである。その際、複数の行政分野にかかわる案件は、主要な論点と考えられる行政分野に分類してある。

また、行政分野ごとの分類とは別に、職員対応に関する苦情について項目を立て、行政分野特有の事情を有しない職員対応に関する苦情については、この項目に分類するとともに、あわせて、行政分野ごとの分類に掲載した案件のうち、職員対応についても苦情が申し立てられた案件を再掲することにした。

なお、各案件番号には、pdfファイルへのリンクが張り付けてある。詳しい内容は、そちらでご確認いただきたい。

<調査の行政分野別分類>

◎市税に関する苦情
◎国民健康保険・介護保険に関する苦情
◎社会福祉に関する苦情
 〇障がい者福祉関連
 〇高齢者福祉関連
 〇児童福祉関連
 〇生活困窮者自立支援制度関連
◎生活保護に関する苦情
 〇受給者からの苦情
 〇受給者以外の第三者からの苦情
◎体育施設に関する苦情
◎公共施設に関する苦情
◎消防・救急に関する苦情
◎除雪・道路管理に関する苦情
◎都市・環境問題に関する苦情
◎まちづくり・市民参加に関する苦情
◎学校教育に関する苦情
◎競争入札に関する苦情
◎経済施策に関する苦情
◎病院事業に関する苦情
◎広報・広聴に関する苦情
◎職員対応に関する苦情
◎その他の苦情
◎オンブズマンの自己の発意による調査

◎市税に関する苦情

第28−86号
 滞納している法人市民税の納付に関し、市税事務所職員の一連の対応に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第28−95号
 延滞している市税について、本税については4回分割で納付し、延滞金については本税を納付した後、改めて相談することになっていたところ、2回目以降の本税の納付が滞ったとして預金の差し押さえを受けたことについて、本税のみならず延滞金についても差し押さえを受けたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第28−98号
 固定資産税を滞納していたために土地と家屋を差し押さえされたことから、差し押さえを解除することを求めたが、差し押さえが解除されないこと等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-8号
 市・道民税を滞納している市民が、到底納付できない金額での納付約束をさせられたり、差押えを通告する等の市職員の対応に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-10号
 死亡した母親の相続人が複数いるにもかかわらず、申立人が相続人の代表者に選任され、納税できないときは申立人の財産が差し押さえされるという説明を受けたことから、申立人を代表者に選任した理由と根拠を明らかにすることを求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29−18号
 滞納していた市民税を約束していた期限までに納付したにもかかわらず預金口座を差し押さえられたことに納得がいかないとして、差し押さえられた金額の返還等を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29−19号
 これまで、保有する特定口座から分離課税で住民税が課税されてきたところ、今回、確定申告をしたところ、特定口座の住民税に不足額があるとして請求が来たが、このような取り扱いは、札幌市による住民税の分離課税の取扱いに誤りがあるためであるとして、その是正を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29−34号
 特定口座の分離課税に関し、平成29年度の税制改正による、納税通知書の送達前に住民税申告書を市税事務所に提出することにより、特定口座の配当・譲渡所得がなかったものとして取り扱うという扱いに苦情が申し立てられたケース。
 税制改正はオンブズマンの調査対象に該当せず、住民税の算出方法については第29-19号により調査を終了しているとして、申立人には苦情について調査しない旨が通知されている。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-37号
 住所地を異にする配偶者と子の所得証明の発行を求めたところ、委任状が必要であるとして発行が受けられなかったこと及びその際の職員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-60号
 会社の従業員が市税を滞納している件で市税事務所から連絡を受けた会社の担当者から、市税事務所職員の電話対応が一方的かつ横柄であるとして苦情が申し立てられたケース(担当オンブズマン:岩田雅子)。
第29−77号
 固定資産税を滞納している申立人が、1回ごとの支払額の減額及び担当職員の交代を求めるとともに、差し押さえを受けた際に車のミラーを破損されことを不満として、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

◎国民健康保険・介護保険に関する苦情

第29−1号
 勤務先の会社を退職したことから健康保険を脱退し、国民健康保険に加入することになったが、保険証が届く前に医療機関を受診し、その際に医療費を全額自己負担せざるを得なかったとして、健康保険脱退前から国民健康保険の保険証を交付するよう求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29−47号
 勤務先の健康保険に加入しているにもかかわらず、市から健康保険に加入している期間の国民健康保険の保険料を滞納を理由に銀行の口座を差し押さえられたとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29−52号
 介護保険料の賦課額に疑問があるとともに介護保険料が年金から天引きされたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29−54号
 休職中であるにもかかわらず、納付資力があることを理由に国民健康保険料の免除が認められないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29−59号
 過去に国民健康保険の加入手続きについて相談した際、失業軽減の適用を受けた場合の保険料の額について説明を受けなかったために健康保険の任意継続の手続きをとったが、結果的に失業軽減の適用を受けた場合の保険料よりも高額の保険料負担を余儀なくされるとともに、当時の対応について問い合わせたことに対する市職員の対応もひどいものであったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29−74号
 個人の国民健康保険料の未納分を窓口で支払ったにもかかわらず、納付を督促されることに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

◎社会福祉に関する苦情

〇障がい者福祉関連
第28−84号
 市は障害者就労支援施設において「心理的虐待」が行われている旨を認定したが、「身体的虐待」が行われていることの追加認定するとともに、市の当該施設に対する指導がより実効性のあるものとすること等を求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第28−100号
 身体障害者交通費助成が誕生月によって不公平になっているとして苦情申立てがなされたが、申立人自身が不利益を受けているわけではなく、利害関係がないと判断し、申立てが取り下げられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

第29−20号
 区の保健福祉課で精神保健福祉相談員に相談しようとした際に対応した別の職員の対応及び後日、精神保健福祉相談員に電話した際の対応に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

第29−32号
 申立人の子が利用するデイサービスの事業所において、その子が虐待を受けていることや事業所が不正を行っていることについて相談したが、市の調査はずさんなものであり、調査が終了した旨の連絡もなかったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

第29−41号
 障害を有する申立人が利用していた就労移行支援事業所において虐待を受けたとして、市の担当課に調査するよう申し入れたが、長期にわたり放置されたとして苦情が申し立てられたケース(担当オンブズマン:杉岡直人)

第29−46号
 障害等級の認定に関し、市の担当職員から等級が下がる旨の連絡を受けて以降の一連の市の対応について、苦情が申し立てられたケース(担当オンブズマン:房川樹芳)

第29−53号
 NPO法人が運営する宿泊施設に入居している申立人が、NPOに対する市の権限行使のあり方や申立人の相談に応じた市職員の対応について、苦情を申し立てたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

第29−66号
 通所していた事業所でのトラブルを契機に北海道社会福祉協議会に設置された苦情窓口の北海道福祉サービス運営適正化委員会に苦情を申し出たが、事業所から送られてきた回答は事実に反することから、その職員が事業所の所長との話し合いの席に同席していた札幌市保健福祉局から事業所の対応について、踏み込んだ調査をしてほしいとして苦情が申し立てられたケース。北海道福祉サービス運営適正化委員会は札幌市の機関ではなく、札幌市保健福祉局が申立人と事業所の所長との話し合いに同席していたことが申立人の不利益や権利の侵害にも関係していないとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:岩田雅子)

第29−73号
 精神障害者保健福祉手帳の更新手続きをしたところ、申立人が手続きを行った区では「1か月半ほどかかる」として有効期間内に完了しなかったが、他の区では「1か月」で更新手続きが完了したという話も聞いており、申立人の区でも有効期間内に更新手続きが完了するようにしてほしいとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29‐75号 以前通っていた福祉事業所に対し、市が平成28年に4回ほど行った調査がどのようなものであったかの調査を求めて苦情が申し立てられたが、すでに市の調査から1年以上が経過しており調査対象外であることを説明したところ、苦情が取り下げられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
〇高齢者福祉関連
第29−58号
 申立人の父がデイサービス利用中に転倒したことに関し、市の担当課が当該施設に行った調査は「転倒した事実はない」という施設の主張を鵜呑みにするものであり、もっと厳しい姿勢で調査を行うべきであるとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29−69号
申立人の親族が高齢者虐待防止法及び老人福祉法に基づいて一時保護されたことに関し、審判手続や一時保護の期間が明示されることがないまま行われたことに納得がいかないとして苦情が申し立てられたケース。「調査することが相当でない特別の事情」(札幌市オンブズマン条例16条2項)があるとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:杉岡直人)
〇児童福祉関連
第28−94号
 児童会館職員の対応及び利用時間がわずかに有料時間帯にかかったとして直ちに利用料負担を求められたことについて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

第29-51号
 申立人の子が児童相談所に一時保護されたこと及び児童相談所職員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-56号
 申立人の子が児童相談所に一時保護された後、2か月も連絡もないまま放置されたことについての苦情が、一時保護について不服申し立て中であることを理由として、オンブズマンの所轄外事項であるとして調査が行われなかったケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
〇生活困窮者自立支援制度関連
第29−26号
 生活就労支援センター・ステップで就職相談をしてきた際の担当職員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)


◎生活保護に関する苦情

〇受給者からの苦情
第28−87号
 生活保護費から年金受給額が差し引かれるようになったことについて、その内訳がわからず、保護費が減額されていることはおかしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第28−89号
 生活保護受給者がインフルエンザに罹患したために通院する際、担当ケースワーカーから移送費としてタクシー代を支給することはできないという説明を受けたことについて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

第29-9号
 盗難にあった生活保護費の再支給が認められなかったこと、盗難に伴い支給された保険金が収入として認定されること、保険金が支給されたことを申告しなかったとして保護が停止されたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-11号
 生活保護費の支給額が少ないこと、自ら申請すべき年金の申請手続きが知らぬ間に行われていたこと、保護の停止に伴い医療費を10割負担しなければならないこと等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-13号
 転居に伴う保護費の支給について生活保護受給者から苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-15号
 生活保護費の支給額が居宅基準から入院基準に切り替わって減額されたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-23号
 生活保護の受給者が、担当のケースワーカーが発言する際にはきちんと調べてから発言することと、書類を郵送する際にはきちんと届くようにすることを求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人) 
第29-24号
 生活保護受給者が、未申告の預貯金について生活保護法63条に基づいて返還を求められたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-31号
 生活保護受給者が、転居に伴い大家から水回り清掃料等の支払いを求められたところ、当該金額について保護費として支給することはできないという説明を受けたことについて苦情が申し立てられたが、オンブズマンの判断に強制力がない旨を説明したところ、申立てが取り下げれらたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-36号
 生活保護受給者が、娘のアルバイト収入について自動車免許取得費用に充てることを目的とする収入認定除外が受けられなかったことから、適切な説明をするよう求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-38号
 生活保護受給者が、担当ケースワーカーから電話連絡があった際の対応が保護受給者を嘲笑するようなものであったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-45号
 生活保護を受給している申立人が、申立人が保護課職員の電話対応について不快な思いをしたことを担当ケースワーカーに伝えたことが複数回あったところ、担当ケースワーカーからはそのたびに、「広聴課には絶対に訴えないでほしい」と要望されたとして、苦情が申し立てらたケース。調査は申立人が苦情を取り下げたことにより終了している。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-49号
 生活保護を受給する申立人が、担当ケースワーカーに住居や通院の相談をしても十分な対応を受けられないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-57号
 生活保護受給者が担当ケースワーカーからNHK受信料が免除になる旨の説明を受け免除申請書を担当ケースワーカーに提出したところ、後から免除申請書は受信契約書を兼ねたものであり、意に反してNHKと受信契約を締結することを余儀なくされたことから、今後は生活保護受給者が直接NHKと契約する方式をとるべきであるとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29‐64号

 生活保護受給者が、社会福祉協議会から緊急援護資金の貸し付けを受けた場合に収入認定される旨の説明を受けたことを契機とする、市の一連の対応に納得がいかないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29−67号
 生活保護受給者が、平成23年に交付された指示(指導書)の撤回を求めて苦情を申し立てたところ、当該指示(指導書)の交付からすでに1年を経過しているとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29−68号
 生活保護受給者が、過去に担当ケースワーカーから「火災保険料を保護費として支給することはできない」という虚偽の説明を受けていたとして、過去の支給を受けられたはずの火災保険料相当額の支払い等を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
〇受給者以外の第三者からの苦情
第29−3号
 生活保護受給者が転居により生じた大型ごみを処分する際、当該ごみ処分が一般廃棄物の処理としては適法になされていないにもかかわらず、市が当該ごみ処分の費用を支出しているとして、苦情申立てがなされたケース。当該苦情申立てにつき、申立人に利害関係がないとして、調査を実施しない旨が通知された。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29‐70号
 生活保護の受給者が入院する医療機関から、当該受給者が退院後に介護保険を利用するための手続きや転居するにあたっての敷金支給の可否についての判断に時間がかかる等、市の一連の対応について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

◎体育施設に関する苦情

第28−80号
 さっぽろ健康スポーツ財団が管理する市のプールにおける安全管理に疑問があるとして、市のスポーツ部と話し合いを行ってきたが、市の財団に対する指導及び監視には実効性になお疑問があるとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第28−96号 
 市が所管するスポーツ施設で事故が生じた場合に市が負うべき責任について文書で問い合わせたが、回答文書の記述では問い合わせに対する回答がなされていないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第28−97号
 市が設置するスキー場(管理運営は指定管理者が実施)においてスキー大会が開催された際、大会参加者がリフト利用時にスキー板をもって乗車していたが、スキー板が落下したときの危険性を考慮して、そうした扱いをやめさせてほしいとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第28−99号
 市が設置するプールの利用条件の緩和について市と折衝してきたところ、今後、その対応を担当することになった職員はこれまでの対応の経緯から信用できないとして、これまでの経緯について納得のできる説明をしてほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29−2号
 市が設置するプールにおいて、監視員による監視が十分に行き届いていないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29−22号
 これまで、さる体育振興会が管理していた小学校の体育館が使用できなくなったことから、市が振興会に対する調査を行うとともに、今後の改善点を示すことを求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

◎公共施設に関する苦情

第29-4号
 市内のダンスホール経営者が、区民センターを利用して低料金で社交ダンスパーティーを開催する団体による区民センターの利用は営利目的であるとして、営利目的の利用料の徴収等を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-12号
 公園の利用に際し、職員が利用行為に干渉してきたことや、利用料の徴収時の対応に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-43号
 公園管理に関する規程が市からもらえないという苦情申立てについて、取り下げられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29−61号
 タクシー乗務員が、人通りが多い公園トイレについては、冬期間も閉鎖しないようしてほしいとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

◎消防・救急に関する苦情

第28-88号
 自宅アパートでガス漏れ事故が生じた際、現場を訪問した消防局職員が居住者である申立人に対し状況説明をしなかったことについて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29−6号
 (ア)職員が生活保護受給者に対し、年金受給について問い合わせた際の対応が威圧的であったこと、(イ)自宅アパートでガス漏れ事故が生じた際に現場を訪問した消防局職員が居住者である申立人に対し状況説明をしなかったこと、(ウ)本件苦情を申し立てる際に受け付けた職員が専門用語を知らなかったことついて、苦情申立てがなされたケース。
 当該苦情申立てにつき、(ア)(イ)については、すでに同趣旨の苦情申立てに対する調査が終了していること、(ウ)については、申立人に利害関係がないとして、調査を実施しない旨が通知された。(担当オンブズマン:岩田雅子)

第29−28号
 救急搬送を受けた際の救急隊員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)


◎除雪・道路管理に関する苦情

第28−90号
 除雪作業により自宅カーポート前に段差が生じたため除雪センターに問い合わせたところ、玄関ポストに伝言メモが置かれていたものの、その説明だけでは納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。
 なお、「除雪」と「排雪」ではその意味するところを異にするが、本件苦情のきっかけとなったのは、通常の除雪作業ではなく、「除雪パートナーシップ制度」を利用した「排雪作業」の模様である。(担当オンブズマン:杉岡直人)

第29−17号
 中央区南2条西4丁目の市道に設けられた(緑色に塗装された)荷さばきエリアに駐車したにもかかわらず、警察から駐車違反の取り締まりを受けたのは、警察が設けた駐車違反の標識の場所がおかしいからであるとして、市が公安委員会に対し標識の位置を適正な位置に変えるよう働きかけてほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
 
第29−27号
 自転車等放置禁止区域に駐輪して自転車が撤去された際、ダイヤルを回さずに施錠して、引くとすぐに外れるようにしておいたワイヤー錠を切断されたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)


◎都市・環境問題に関する苦情

第28−85号
 他者から財産権を委譲された物品を適法に廃棄することができずに困っているため、適法に物品を廃棄できる方法を回答してほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第28−93号
 市長に対し不満を訴えたにもかかわらず、市の環境事業部廃棄物課から回答文書が寄せられたこと及び回答文書の内容に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-14号
 市長宛の手紙に対する市の回答文書が訴えた内容に対応していないとして、苦情が申し立てられたケース。申立人の苦情は、オンブズマンによる調査がすでに実施されているとして、調査をしない旨が通知されている。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-48号
 札幌版次世代住宅補助制度の申請期間が限られていることや、申請額が予算を超えた場合に抽選となることに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-49号
 近隣の住民が自宅敷地内に野鳥の餌付けをしていることに関し、市の鳥獣保護の担当部局に生態系破壊行為等の相談を行い、行政指導を行うよう依頼したが、当該部局としての対応は困難であるとの対応であった。そのため、市としてこの問題に真摯に対応してほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-62号
 住宅地近隣でキツネが営巣・徘徊していることにつき、市に捕獲等の対応を求めたが応じられないと回答されたことをはじめとする、市の一連の対応はエキノコックス対策として十分ではないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29−63号
 マンションの管理組合法人が、当該マンション内で旅館業を営む者がいることに関し、当該事業者が建築基準法や旅館業の許可条件に違反しているとして、営業停止又は営業許可の取り消しを求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29‐65号
 市の指定のごみ袋を購入する際に誤って多く購入したため、店舗に返金するよう求めたところ、市の通達により返金できないという説明を受けたことから、返金を認めない不合理な市の通達を改めることを求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

◎まちづくり・市民参加に関する苦情

第29−7号
 札幌地域ポイントが事前の告知がないままにポイント付与が終了したことは会員の信頼を裏切るものであり、断じて許されるものではないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

◎競争入札に関する苦情

第29-25号
  市の一般競争入札において最低落札者として保留通知を受けた後、担当課から入札を中止する旨の連絡を受けたことについて納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-55号
 一般競争入札の対象である運搬業務において、市が積算した発注額は人件費や燃料費の高騰等の事情を考慮すると適正な価格とは思われないとして、発注額の増額を検討することを求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

◎学校教育に関する苦情

第29−33号
 息子が通う中学校の部活における顧問の指導や日常の教科における指導に関し、学校及び教育委員会の対応について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29−40号
 中学校の給食の献立について、当該中学校に通う生徒から苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

◎経済施策に関する苦情

第29−5号
 札幌市の公衆wi-fiが地下歩行空間や札幌市役所本庁舎1階でつながらず、不便を被っているとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

◎病院事業に関する苦情

 市立札幌病院に入院した際における、公費負担医療に関する説明が十分ではなかったとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

◎広報・広聴に関する苦情

第28−93号
 市長に対し不満を訴えたにもかかわらず、市の環境事業部廃棄物課から回答文書が寄せられたこと及び回答文書の内容に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

◎職員対応に関する苦情

第28−86号
 滞納している法人市民税の納付に関し、市税事務所職員の一連の対応に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第28−94号
 児童会館職員の対応及び利用時間がわずかに有料時間帯にかかったとして直ちに利用料負担を求められたことについて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29−6号
 (ア)職員が生活保護受給者に対し、年金受給について問い合わせた際の対応が威圧的であったこと、(イ)自宅アパートでガス漏れ事故が生じた際に現場を訪問した消防局職員が居住者である申立人に対し状況説明をしなかったこと、(ウ)本件苦情を申し立てる際に受け付けた職員が専門用語を知らなかったことついて、苦情申立てがなされたケース。
 当該苦情申立てにつき、(ア)(イ)については、すでに同趣旨の苦情申立てに対する調査が終了していること、(ウ)については、申立人に利害関係がないとして、調査を実施しない旨が通知された。(担当オンブズマン:岩田雅子)

第29−20号
 区の保健福祉課で精神保健福祉相談員に相談しようとした際に対応した別の職員の対応及び後日、精神保健福祉相談員に電話した際の対応に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-21号
 他の部局の職員の対応について、職員部人事課の職員に苦情を述べるために訪れた際の人事課職員の対応が誠実とはいいがたいものであったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29−28号
 救急搬送を受けた際の救急隊員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

第29−30号
 市立札幌病院に入院した際における、公費負担医療に関する説明が十分ではなかったとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-37号
 住所地を異にする配偶者と子の所得証明の発行を求めたところ、委任状が必要であるとして発行が受けられなかったこと及びその際の職員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-38号
 生活保護受給者が、担当ケースワーカーから電話連絡があった際の対応が保護受給者を嘲笑するようなものであったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

第29-45号
 生活保護を受給している申立人が、申立人が保護課職員の電話対応について不快な思いをしたことを担当ケースワーカーに伝えたことが複数回あったところ、担当ケースワーカーからはそのたびに、「広聴課には絶対に訴えないでほしい」と要望されたとして、苦情が申し立てらたケース。調査は申立人が苦情を取り下げたことにより終了している。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-46号
 障害等級の認定に関し、市の担当職員から等級が下がる旨の連絡を受けて以降の一連の市の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-49号
 生活保護を受給する申立人が、担当ケースワーカーに住居や通院の相談をしても十分な対応を受けられないとして、苦情が申し立てられたケース(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-50号
 近隣の住民が自宅敷地内に野鳥の餌付けをしていることに関し、市の鳥獣保護の担当部局に生態系破壊行為等の相談を行い、行政指導を行うよう依頼したが、当該部局としての対応は困難であるとの対応であった。そのため、市としてこの問題に真摯に対応してほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-51号
 申立人の子が児童相談所に一時保護されたこと及び児童相談所職員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-60号
 会社の従業員が市税を滞納している件で市税事務所から連絡を受けた会社の担当者から、市税事務所職員の電話対応が一方的かつ横柄であるとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

◎その他の苦情

第29-16号
 何某かの給付金が本来支給される期日に支給されなかったとして、苦情が申し立てられたケース。本件苦情がオンブズマンの所轄事項に該当しないとして、調査をしない旨が通知されている。(担当オンブズマン:杉岡直人)
第29-29号
 平成28年に国民生活基本調査の統計調査員として勤務したが、その際の手当の算出根拠が不明であり、納得のいく説明も得られていないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-35号
 申立人の子の訴訟において、市が提出した記録に事実に反する記録がなされていたほか、申立人の氏名という個人情報が黒塗りされていなかったことから第三者に個人情報が漏洩する可能性があるとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-39号
 消防団在団中に支払った金員の返還を求めたが未だ返還されないとして、苦情が申し立てられたケース。なお、当該金員は消防団員を会員とする私的団体の親睦会費であり、その取り扱いは市の機関の業務の執行に該当しないとして、調査が中止された。(担当オンブズマン:岩田雅子)
第29-42号
 オンブズマンによる「苦情等調査結果通知書(第28−58号)」の記載において、担当の職員が申立人に謝罪した旨の記載に疑義があることを契機として、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-44号
 苦情申立ての趣旨の主張部分が非公開とされたため、その趣旨を判読できないケース。なお、調査については、「調査することが相当でない特別の事情がある」(札幌市オンブズマン条例16条2項)として、調査しない旨が通知されている。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29-71号
 過去、オンブズマンに苦情を申し立てた調査結果が申し立ての趣旨からかけ離れた的外れのものであることから、オンブズマン事務局に対し調査手法の改善を求めたが、オンブズマン事務局は積極的に改善しようとしないとして、そうしたオンブズマン事務局の対応及び調査手法の改善を求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
第29‐72号
 オンブズマン調査の2件の結果通知書における市の回答内容に齟齬があるとして、市に回答を求めたが適切な回答がなく、ようやく受けた口頭での回答も合理性を欠くとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

◎オンブズマンの自己の発意による調査

第28−発2号
 札幌市における、避難行動要支援者名簿作成等への取り組み状況及びその課題について、オンブズマンが自己の発意により調査を実施したケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

2018/04/25

平成30年3月に調査を終了したケース

平成30年4月1日、平成30年3月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、同年4月16日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(平成30年3月)に調査を終了した4件で、調査結果が通知されている。

①第29-71号
 過去、オンブズマンに苦情を申し立てた調査結果が申し立ての趣旨からかけ離れた的外れのものであることから、オンブズマン事務局に対し調査手法の改善を求めたが、オンブズマン事務局は積極的に改善しようとしないとして、そうしたオンブズマン事務局の対応及び調査手法の改善を求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
 なお、オンブズマン事務局の対応については、当ブログ開設者も平成29年度に2件の苦情をオンブズマンに申し立て、すでに調査が終了している(第29-42号第29-72号)。この案件は、本ブログ開設者とは別の人物が申し立てたものである。

②第29−73号
 精神障害者保健福祉手帳の更新手続きをしたところ、申立人が手続きを行った区では「1か月半ほどかかる」として有効期間内に完了しなかったが、他の区では「1か月」で更新手続きが完了したという話も聞いており、申立人の区でも有効期間内に更新手続きが完了するようにしてほしいとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

③第29−74号
 個人の国民健康保険料の未納分を窓口で支払ったにもかかわらず、納付を督促されることに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

④第29−77号
 固定資産税を滞納している申立人が、1回ごとの支払額の減額及び担当職員の交代を求めるとともに、差し押さえを受けた際に車のミラーを破損されことを不満として、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

 今回公開された結果通知書のうち、特に注目されるのが、①第29-71号である。それは、この調査においてオンブズマンは、オンブズマンによる調査手法に関する苦情について、自ら判断をしているものの、札幌市オンブズマン条例では、「オンブズマン・・・(中略)・・・の行為に関する事項」がオンブズマンの所轄事項から除外されており(同条例3条6号)、そのために、この調査におけるオンブズマンの判断がいかなる権限に基づくものであるのか、疑念を生じさせるからである。

 この点、この調査でオンブズマンが判断すべきであったのは、オンブズマンとオンブズマン事務局の関係性を明らかにした上で、オンブズマン事務局の対応の適否についてであったと、当ブログ開設者は考えている。

 すなわち、申立人は、オンブズマンによる調査手法を改善するようにオンブズマン事務局に求めているが、議会におけるオンブズマン事務局の職務に関する説明によると、オンブズマン事務局はオンブズマンを補佐する立場から、苦情申し立ての受け付けや事務手続に関することなどを行っているということである。したがって、オンブズマン事務局は、あくまでオンブズマンを「補佐」する立場にあり、オンブズマンに対し指揮監督する立場にはないのである。

 そうであるならば、申立人によるオンブズマンによる調査手法の改善要望が満たされなかったとしても、それはあくまで、「オンブズマンの行為」が改善されなかったことを意味するのである。「オンブズマンの行為」がオンブズマンの所轄事項とならないことは、前述した

 これに対し、オンブズマンの調査手法を改善することがオンブズマン事務局の業務であるならば、オンブズマンの所轄事項になるわけであるが、オンブズマン事務局がオンブズマンを指揮監督する立場にないことも、前述のとおりである。

 ところで、この調査の「市の回答」では、①「オンブズマン事務局がオンブズマンの調査・判断に直接関与することはでき」ないこと、②「本件申立人や他の利用者からいただくご意見・ご要望については、お伝えして」いることが、回答されている。オンブズマンの所轄事項(「市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為」(札幌市オンブズマン条例3条))を考慮するならば(ただし、「オンブズマンの行為」は除外されることは前述)、オンブズマンは、オンブズマン事務局の対応について判断すべきであった。

 以上のことから、オンブズマンとオンブズマン事務局の両者の関係性を意識することなく、オンブズマンによる調査手法について判断しているこの調査は、オンブズマンが自らの所轄事項を理解しないまま、調査を行ったというそしりを免れないであろう。

2018/04/15

無許可架橋に関するオンブズマン調査について(第27−126号、第28−発1号)

朝日新聞デジタルに、札幌市内で市が管理する普通河川に架けられた橋1660カ所のうち、約500カ所が無許可であることが分かった、という記事が掲載された(2018年4月14日付)。記事の中でも紹介されているが、市の河川管理課が無許可で架けられた橋について調査する契機となったのが、市民による札幌市オンブズマンへの苦情申し立てに基づく調査(第27−126号)及びオンブズマンが自己の発意に基づく調査である(第28−発1号)。

今回の朝日新聞の報道により、札幌市オンブズマンに興味を持たれた方への情報提供のため、公文書公開請求により取得した各調査の調査結果通知書をここに示し、若干のコメントを付すことにする。

①苦情等調査結果通知書(平成28年5月10日付・第27−126号)
 この苦情は、札幌市が管理する普通河川に架橋しようとした市民が、市から許可を受けるとともに、占用料の支払いが必要である旨の説明を受けたことから、無許可で架橋している者との公平な取り扱いを求め、申し立てられたものである。
 申立人の具体的な主張は、(ア)許可を受けて架橋しても無許可者同様に占用料を徴収しない、(イ)許可を受け占用料を支払うが、無許可架橋者からも架橋時点に遡って占用料を徴収することの確約、(ウ)無許可架橋の黙認、いずれかの対応を求めるものである。
 これに対し、市は、(あ)当初の説明に加え、(い)無許可の橋が設置されている状況を是正していくこと、(う)占用料の納付義務は許可を受けてから発生するので、無許可の橋の設置者から過去に遡って占用料を徴収することはできない、と回答している。
 以上をふまえ、オンブズマンは、市が申立人に対し、条例の取り扱いを説明し、理解を求めたことについて問題があったとはいえないが、無許可で橋を設置した者と不公平にならないよう、早期に状況が是正されるよう、適切な対応がなされることを期待する旨の判断を行った。

②苦情等調査結果通知書(平成29年3月24日付・第28−発1号)
 この調査は、上記の苦情調査の後、オンブズマンが自己の発意に基づき、札幌市が管理する普通河川に設置された橋の管理の実態について、調査したものである。
 この調査において、市は、(あ)無許可で設置された橋の全体数は把握しておらず、今後の調査により把握していく、(い)無許可の橋は、正規の手続きを経て占用料を納付している市民との公平性を保てないため是正していかなければならない、(う)今後のスケジュールとしては、平成28年度には河川巡視を実施し、平成29年度からデータとの照合、権利関係の調査及び治水上の安全性の把握に着手するとともに、平成30年度までに指導・是正に着手する予定である旨の回答を行っている。
 これに対し、オンブズマンは判断において、(ア)今後の対応は是正へ向けてスピート感をもって取り組むこと、(イ)いつまでに是正を完了するか目標を立てて取り組むことを要請している。


以上のオンブズマンによる調査をふまえ、札幌市が管理する普通河川に無許可で架けられた橋について把握した実態が、今回、報道されたわけである。法令に則り適切な河川管理を行うという観点からは、札幌市の今回の取り組みは、評価されるべきである。

しかしながら、今般の札幌市の対応は、将来へ向けて改善をはかるものであるとはいえ、第27−126号の申立人が求める「公平な取り扱い」という観点からは、なお課題が残るといわざるを得ない。苦情等調査結果通知書第27−126号における市の回答にあるように、「占用料の納付義務は許可を受けてから発生するので、無許可の橋の設置者から過去に遡って占用料を徴収することはできない」ならば、現在、無許可で橋を架けている者は、過去分の占用料のみならず、今後も許可を受けるまでの期間、占用料の支払いを免れることになるからである。

こうした事態を看過できないとするならば、過去、無許可のまま普通河川に架けられた橋が放置された結果、占用料が徴収されず市に財産的な損害が発生したことは「財務会計上の怠る事実」であるとして、その是正を求める住民監査請求を行うということも、一つの対応となるかもしれない。

2018/03/23

平成30年2月に調査を終了したケース

平成30年3月1日、平成30年2月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、平成30年3月15日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(平成30年2月)に調査を終了した案件は全6件で、うち5件において調査結果が通知されている。また、残る1件は、申立人の取り下げにより調査が終了している。

①第29-62号
 住宅地近隣でキツネが営巣・徘徊していることにつき、市に捕獲等の対応を求めたが応じられないと回答されたことをはじめとする、市の一連の対応はエキノコックス対策として十分ではないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

②第29‐64号
 生活保護受給者が、社会福祉協議会から緊急援護資金の貸し付けを受けた場合に収入認定される旨の説明を受けたことを契機とする、市の一連の対応に納得がいかないとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

③第29‐65号
 市の指定のごみ袋を購入する際に誤って多く購入したため、店舗に返金するよう求めたところ、市の通達により返金できないという説明を受けたことから、返金を認めない不合理な市の通達を改めることを求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

④第29‐70号
 生活保護の受給者が入院する医療機関から、当該受給者が退院後に介護保険を利用するための手続きや転居するにあたっての敷金支給の可否についての判断に時間がかかる等、市の一連の対応について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

⑤第29‐72号
 オンブズマン調査の2件の結果通知書における市の回答内容に齟齬があるとして、市に回年以上答を求めたが適切な回答がなく、ようやく受けた口頭での回答も合理性を欠くとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑥第29‐75号
 以前通っていた福祉事業所に対し、市が平成28年に4回ほど行った調査がどのようなものであったかの調査を求めて苦情が申し立てられたが、すでに市の調査から1年以上が経過しており調査対象外であることを説明したところ、苦情が取り下げられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)