(※最新の年度別の処理状況は、このエントリーで紹介している。)
札幌市オンブズマンの平成28年度活動状況報告書(リンク先はpdfファイル:3MB)が公表されたのが、6月の末。そこに掲載された苦情処理日数の状況は、大まかな日数区分ごとの処理状況が掲載されているのみである。また、過去の処理状況との比較も困難であることから、オンブズマン事務局から提供を受けたデータに基づいて、以下の表を作成した。
作成した表は、各年度に申し立てられた苦情に対し、オンブズマンが「苦情等調査結果通知書」により申立人および市の担当部局に調査結果を通知した案件の処理日数のデータである。したがって、申立人が苦情を取り下げたり、オンブズマンが調査を実施しない旨を申立人に通した事案等については、平均処理日数や処理率の算定からは除外してある。
また、制度が発足したのは平成13年3月であり、平成12年度のデータは、平成13年3月の1か月の間に苦情が申し立てられた案件のものである。以後の各年度は当該年度12か月の間に苦情が申し立てられた案件のものである。したがって、苦情が申し立てられた時点をベースに件数を計上しているため、調査終了が翌年度に及ぶ案件も存在する。
さて、前置きはこのくらいにして、平成28年度の処理状況、平成27年度と比較した顕著な特徴は、苦情申立件数および結果通知処理件数の大幅な減少である。また、結果通知の平均処理日数が5年ぶりに「35日」の大台に乗ったことも見逃せない。さらに、平成24年度以降、一貫して結果通知の30日以内処理率が低下する傾向からすると、平成29年度に申し立てられた案件の処理が終了した時点において、全期間を通算した30日以内処理率が60%を割ることが危惧されるところである(今年度の調査担当者の奮起が期待される)。
札幌市オンブズマンの平成28年度活動状況報告書(リンク先はpdfファイル:3MB)が公表されたのが、6月の末。そこに掲載された苦情処理日数の状況は、大まかな日数区分ごとの処理状況が掲載されているのみである。また、過去の処理状況との比較も困難であることから、オンブズマン事務局から提供を受けたデータに基づいて、以下の表を作成した。
作成した表は、各年度に申し立てられた苦情に対し、オンブズマンが「苦情等調査結果通知書」により申立人および市の担当部局に調査結果を通知した案件の処理日数のデータである。したがって、申立人が苦情を取り下げたり、オンブズマンが調査を実施しない旨を申立人に通した事案等については、平均処理日数や処理率の算定からは除外してある。
また、制度が発足したのは平成13年3月であり、平成12年度のデータは、平成13年3月の1か月の間に苦情が申し立てられた案件のものである。以後の各年度は当該年度12か月の間に苦情が申し立てられた案件のものである。したがって、苦情が申し立てられた時点をベースに件数を計上しているため、調査終了が翌年度に及ぶ案件も存在する。
さて、前置きはこのくらいにして、平成28年度の処理状況、平成27年度と比較した顕著な特徴は、苦情申立件数および結果通知処理件数の大幅な減少である。また、結果通知の平均処理日数が5年ぶりに「35日」の大台に乗ったことも見逃せない。さらに、平成24年度以降、一貫して結果通知の30日以内処理率が低下する傾向からすると、平成29年度に申し立てられた案件の処理が終了した時点において、全期間を通算した30日以内処理率が60%を割ることが危惧されるところである(今年度の調査担当者の奮起が期待される)。
(表1)
苦情申立
件数
|
結果通知
処理件数 |
結果通知
平均処理
日数
|
結果通知
30日以内
処理率
|
|
平成12年度
|
49
|
28
|
46.64
|
57.1%
|
平成13年度
|
128
|
92
|
42.79
|
51.1%
|
平成14年度
|
111
|
88
|
31.14
|
65.9%
|
平成15年度
|
113
|
83
|
30.07
|
54.2%
|
平成16年度
|
93
|
74
|
30.78
|
63.5%
|
平成17年度
|
103
|
88
|
24.78
|
83.0%
|
平成18年度
|
115
|
92
|
25.32
|
92.4%
|
平成19年度
|
111
|
90
|
24.70
|
88.9%
|
平成20年度
|
117
|
108
|
32.45
|
73.1%
|
平成21年度
|
133
|
109
|
36.62
|
44.0%
|
平成22年度
|
130
|
109
|
34.79
|
49.5%
|
平成23年度
|
125
|
111
|
38.94
|
32.4%
|
平成24年度
|
135
|
110
|
29.16
|
71.8%
|
平成25年度
|
122
|
104
|
29.84
|
68.3%
|
平成26年度
|
129
|
107
|
33.45
|
51.4%
|
平成27年度
|
130
|
109
|
33.05
|
47.7%
|
平成28年度
|
100
|
88
|
35.36
|
45.5%
|
全期間
通算 |
1944
|
1590
|
32.52
|
60.7%
|
ところで、前述の平成28年度札幌市オンブズマン活動状況報告書では、処理日数の区分の細分化が図られ、31〜60日が一つの区分にされていたのが、31〜45日と46〜60日に区分された(それ以外は、30日以内および61日以上という30日単位の区分である)。
そこで、以下の(表2)では、多少なりとも詳細なデータを提供すべく、30日以内の区分についても、20日以内と21〜30日に区分するとともに、61日以上の区分についても、61〜90日と91日以上に区分することにした。
(表2)
20日
以内
|
21日〜
30日
|
31日〜
45日
|
46日〜
60日
|
61日〜
90日
|
91日
以上
|
30日
以内
処理率
|
30日
超
処理率
| |||||||
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
|
件数
|
処理率
| |||
12
年度
|
5
|
17.9%
|
11
|
39.3%
|
4
|
14.3%
|
1
|
3.6%
|
4
|
14.3%
|
3
|
10.7%
|
57.1%
|
42.9%
|
13
年度
|
15
|
16.3%
|
32
|
34.8%
|
22
|
23.9%
|
9
| 9.8% |
5
|
5.4%
|
9
|
9.8%
|
51,1%
|
48.9%
|
14
年度
|
20
|
22.7%
|
38
|
43.2%
|
17
|
19.3%
|
5
|
5.7%
|
7
|
8.0%
|
1
|
1,1%
|
65.9%
|
34.1%
|
15
年度
|
13
|
15.7%
|
32
|
38.6%
|
33
|
39.8%
|
5
|
6.0%
|
0
|
0.0%
|
0
|
0.0%
|
54.2%
|
45.8%
|
16
年度
|
7
|
9.5%
|
40
|
54.1%
|
21
|
28.4%
|
4
|
5.4%
|
2
|
2.7%
|
0
|
0.0%
|
63.5%
|
36.5%
|
17
年度
|
20
|
22.7%
|
53
|
60.2%
|
15
|
17.0%
|
0
|
0.0%
|
0
|
0.0%
|
0
|
0.0%
|
83.0%
|
17.0%
|
18
年度
|
21
|
22.8%
|
64
|
69.6%
|
5
|
5.4%
|
1
|
1.1%
|
0
|
0.0%
|
1
|
1.1%
|
92.4%
|
7.6%
|
19
年度
|
21
|
23.3%
|
59
|
65.6%
|
7
|
7.8%
|
2
|
2.2%
|
1
|
1.1%
|
0
|
0.0%
|
88.9%
|
11.1%
|
20
年度
| 7 |
6.5%
|
72
|
66.7%
|
15
|
13.9%
|
8
|
7.4%
|
4
|
3.7%
|
2
|
1,9%
|
73.1%
|
26.9%
|
21
年度
|
7
|
6.4%
|
41
|
37.6%
|
34
|
31.2%
|
20
|
18.3%
|
7
|
6.4%
|
0
|
0.0%
|
44.0%
|
56.0%
|
22
年度
|
14
|
12.8%
|
40
|
36.7%
|
35
|
32.1%
|
14
|
12.8%
|
5
|
4.6%
|
1
|
0.9%
|
49.5%
|
50.5%
|
23
年度
|
6
|
5.4%
|
30
|
27.0%
|
51
|
45.9%
|
15
|
13.5%
|
8
|
7.2%
|
1
|
0.9%
|
32.4%
|
67.6%
|
24
年度
|
20
|
18.2%
|
59
|
53.6%
|
20
|
18.2%
|
10
|
9.1%
|
1
|
0.9%
|
0
|
0.0%
|
71.8%
|
28.2%
|
25
年度
|
8
|
7.7%
|
63
|
60.6%
|
28
|
26.9%
|
4
|
3.8%
|
1
|
1.0%
|
0
|
0.0%
|
68.3%
|
31.7%
|
26
年度
| 1 |
0.9%
|
54
|
50.5%
|
39
|
36.4%
|
10
|
9.3%
|
3
|
2.8%
|
0
|
0.0%
|
51.4%
|
48.6%
|
27
年度
|
8
|
7.3%
|
44
|
40.4%
|
45
|
41.3%
|
12
|
11.0%
|
0
|
0.0%
|
0
|
0.0%
|
47,7%
|
52.3%
|
28
年度
| 0 |
0.0%
|
40
|
45.5%
|
33
|
37.5%
|
13
|
14.8%
|
2
|
2.3%
|
0
|
0.0%
|
45.5%
|
54.5%
|
全期間
通算 | 193 |
12.1%
|
772
|
48.6%
|
424
|
26.7%
|
133
|
8.4%
|
50
|
3.1%
|
18
|
1.1%
|
60.7%
|
39.3%
|
(表2)よりもさらに、度数分布を細かく区分したのが以下の(グラフ1)である。各年度ごとの処理件数の違いを捨象し、トータル100%になるよう短い処理日数の度数から順に、下から積み上げた(また、各年度には当該年度の平均処理日数を記した)。
制度発足以来、20日以内に処理した案件がはじめて0になったこと、30日以内の処理率が4年連続で低下していること、31日以上の区分においても処理が遅滞化している傾向などが看取できよう。
(グラフ1)
市の業務に関する苦情を受け付け、簡易迅速に処理することが札幌市オンブズマンの職務の一つであることからすると(札幌市オンブズマン条例4条1号参照)、処理の遅滞化傾向は、制度の根幹に関わる由々しき問題であるように思われる。
のみならず、オンブズマンには、市の担当部局に何らかの改善、対応を求める役割が期待されている。にもかかわらず、オンブズマンが自らの業務に関しては漫然と遅滞化するに任せたままであるならば、市の担当部局に対するオンブズマンの説得力は、著しく毀損されるであろう。