2019/09/25

2019年8月に調査を終了したケース

2019年9月1日、同年8月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、9月17日に一部公開決定がなされた。 

上記の期間(2019年8月)に調査を終了したのは11件で、このうち8件で調査結果が通知されている。また、残る3件のうち2件は申立人による苦情申し立ての取り下げ、1件は申立人の死亡により調査が終了している。


このうち、第2019−30号は、市にカラスの巣の撤去を求めて苦情が申し立てられた案件である。札幌市オンブズマンは、2018年度に「カラスによる被害と対策の周知啓発」と題する発意調査を行っているところ、市民向けの周知がいかに困難であるかを如実に示しており、たいへん興味深い。


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①第2019−16号
 かつて市立札幌病院に勤務していた申立人が、配偶者の勤務先の理事長等に申立人を誹謗中傷する発信人不明の怪文書が送付されたことについて、病院の職員が関与した疑いがあるとして病院が調査を実施したものの満足のいくものではないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)


②第2019-26号
 市立札幌病院に勤務していた申立人が任期満了により退職した後、新たな勤務先の関係者に申立人を誹謗中傷する発信人不明の怪文書が送付されたため病院に問い合わせたところ、内部調査を行い結果を報告するということであったが、発信人を特定することは困難であるという回答であったことから、怪文書の発信者が誰であるか徹底な調査を行うことを求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

③第2019−30号
 自宅近くにカラスが営巣し、申立人を含む通行人を威嚇したり攻撃することから、早急に巣の撤去すること等を求めて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
 
④第2019−32号
 申立人の子が児童相談所に一時保護されたこと及び一時保護に至る経緯に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑤第2019−33号
 生活保護を受給している申立人が、通所していたデイケアでトラブルに巻き込まれたにもかかわらず、担当ケースワーカーが十分な対応をしてくれないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑥第2019−36号
 認可保育所の近隣住民が、当該保育所の建設工事の開始前に、保育所を建設する法人による地域住民に対する十分な説明と質問に対する明確な回答を求めたいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

⑦第2019−37号
 市民プールの更衣室に職員が入室してきた(当ブログ開設者注:当該部分が非公開とされているが、利用対象の性別とは異なる性別と思われる。)として、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

⑧第2019−39号
 自宅向かいのマンションが市道に雪出しをしていることについて、市の回答文書には「雪出しは行われていないことを確認している」とあるが、このような回答は虚偽であるとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑨第2019−40号
 市の委託業務を行っているNPO法人の運営に問題があるとして市の所管課に相談したが、担当者が積極的に関わろうとしないこと等について苦情が申し立てられたケース。申立人の苦情取り下げにより、調査は終了している。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑩第2019−43号
 被相続人が死亡した直後、市税事務所から被相続人の未払住民税の見込額の通知があり、その後、確定した未払額を記載した納税通知が送られてきたが、未払額を把握した時点で相続人に連絡していれば、正しい遺産分割協議と相続税の申告納税手続きができたとして、苦情が申し立てられたケース。申立人の死亡により調査を終了している。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑪第2019−44号
 事前の案内がなく、突然歩道の工事が開始されたとして、苦情が申し立てられたケース。申立人の苦情を取り下げにより、調査は終了している。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

2019/08/26

2019 年7月に調査を終了したケース

2019年8月1日、同年7月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、8月15日に一部公開決定がなされた。 

上記の期間(2019年7月)に調査を終了したのは12件で、このうち8件で調査結果が通知されている。また、残る4件のうち2件は申立人による苦情申し立ての取り下げ、2件は申立人に調査しない旨が通知され、調査が終了している。


このうち、(オンブズマン判断の妥当性が疑わしいという意味で)興味深いのが、第2019-34号である。この案件は、札幌市役所に臨時職員として勤務していた申立人が、アルバイトに応募した際の書類を見た職員から連絡がきたことを契機に申し立てられた苦情である。担当オンブズマンは、連絡をした職員の行為は、「市の機関の業務の執行に関する」ものではないとして、調査を行わない旨を決定した。

しかしながら、札幌市個人情報保護条例は、「個人情報取扱事務の目的に照らし保有する必要がなくなった個人情報については、確実に、かつ、速やかに廃棄し、又は消去すること」を規定するとともに(同条例11条1項3号)、「実施機関の職員(…中略…)又は職員であった者は、その事務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。」と定めている(同条例11条2項)。

当ブログ開設者としては、アルバイトに応募するために提出した書類を見た職員が私的にその情報を利用することは、札幌市個人情報保護条例が禁ずる「不当な目的」による使用に他ならず、「個人情報の適正管理」という、まさに「市の機関の業務の執行」に不備があった事例であると考えている。

また、オンブズマンは、申立人に対し、札幌市が設ける「ハラスメント」の相談窓口を紹介しているが、市職員が申立人に連絡したことが、オンブズマンのいうように「市の機関の業務の執行」でないならば、当該相談窓口が想定する「ハラスメント」に該当するかの否かも疑問である。すなわち、市職員の業務外の行為も、当該窓口の相談対象となるのか、ということである(ただし、申立人が相談窓口で話を聞いてもらうことにより、一定の効用が得られる可能性はあるかもしれない)

したがって、申立人の苦情が個人情報を記載した書類の廃棄を求める内容であることからすると、オンブズマンはむしろ、札幌市個人情報保護条例が規定する「利用停止請求権」(同条例33条1項)を紹介すべきであったと思われる。

もっとも、この「利用停止請求権」を行使するとしても、まずは個人情報の開示決定を受ける必要がある。そのため、あえてこうした迂遠な手続きを利用することなく、オンブズマンに苦情を申し立てることには十分な理由がある。それにもかかわらず、オンブズマンがこの案件の調査を実施しないのでは、「市民の権利利益を擁護する」(札幌市オンブズマン条例1条)制度が泣こうというものである。


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①第2019-11号
 自宅周辺部の除雪方法及びその後の職員の一連の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

②第2019-19号
 生活保護の受給している申立人から、保護費の支給を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

③第2019−20号
 国民健康保険の被保険者証が郵送されてこないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)



④第2019−23号
 児童クラブの利用料の口座引き落とし手続きを完了しているにもかかわらず、当該利用料の督促状が届いたとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)




⑤第2019−24号
 生活保護を受給している申立人から、転居の関連する費用のうち現住居から退去する費用についても保護費を支給してほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)




⑥第2019−25号
 入居しているグループホームから満足のいくサービスを受けられないでいると市に訴えているにもかかわらず、市の対応が不十分で何ら改善が図られないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)


⑦第2019−27号
 生活保護を受給している申立人から、担当ケースワーカーによる公的年金に関する説明をはじめとする一連の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑧第2019−28号
 建築計画概要書と異なる建物が建っていることに対する市の担当課の対応について、苦情が申し立てられたケース。オンブズマンが既に調査を行った内容と重複する苦情であるとして、申立人に調査を実施しない旨が通知された。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑨第2019−29号
 市営住宅の居住者と同居していたと主張する申立人が、同住宅の共同物置に保管されていた申立人の荷物が何の断りもなく市の倉庫に移動されたのみならず、荷物の量も減っていたとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑩第2019-31号
 突然に生活保護が打ち切られたとして、苦情が申し立てられたケース。申立人による苦情の取り下げにより、調査を終了している。(担当オンブズマン:杉岡直人)

⑪第2019−34号
 臨時職員として勤務していた札幌市の職員から電話がきたが、アルバイトに応募した際の書類から電話番号を知ったということだったとして、個人情報の管理の徹底を求めて苦情が申し立てられたケース。申立人に対しては、調査を実施しない旨が通知された。
(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑫第2019−35号
 電話を受けた保護課の職員が、勝手に電話を担当ケースワーカーに転送したとして、苦情が申し立てられたケース。申立人による苦情の取り下げにより、調査を終了している。(担当オンブズマン:杉岡直人)

2019/07/22

2019年6月に調査を終了したケース

2019年7月1日、同年6月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、7月16日に一部公開決定がなされた。 

上記の期間(2019年6月)に調査を終了したのは11件で、このうち8件で調査結果が通知されている。また、残る3件は申立人による苦情申し立ての取り下げにより、調査が終了している。


ところで、今回公開された調査のうち、最も興味深いのが第2019-14号である。この案件は、札幌市が障がい者を対象として実施する「交通費助成」と、各交通事業者が実施する「福祉割引」の制度では、その対象者を異にしていることから(精神障がい者は、各交通事業者による「福祉割引」の対象外となっている)、申立人が苦情を申し立てた案件である。札幌市としては、各関係機関に対し、精神障がい者に対する「割引運賃」制度の導入を要望しているそうだが、速やかに実現してほしいものである。また、この案件では、交通事業者による福祉割引が「市の事業ではない」ことを理由として、オンブズマンが苦情申立を門前払いをしていないことにも好感が持てる。

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①第2019-5号
 娘がBCGワクチンを接種した際、ヒ素が混入していないワクチンを摂取することもできるという情報提供が不十分であったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

②第2019-8号
 施設に入所する生活保護受給者が、指定難病の診察を受けられずにいるとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

③第2019-9号
 市営住宅に入居する申立人が、団地の指定管理者である管理体制がずさんであるとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

④第2019-10号
 国民健康保険加入手続きについて、必要書類についての説明のほか、対応した職員の一連の対応について苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑤第2019-12号
 通所していた就労移行支援事業所で虐待を受けていたことを市の担当課に通報したにもかかわらず、その後、十分な対応がなされていないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

⑥第2019-14号
 精神障害者についても、他の障害者同様にタクシー料金の福祉割引の対象としてほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑦第2019-15号
 自宅に隣接する地区センター駐車場から、車の出入りや風により埃が舞い込み、暮らしに支障が生じているとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑧第2019-17号
 子どものマイナンバーカードを受け取りに行った際、担当者が本人確認書類の取り扱いを誤ったため、自宅と区役所間をもう一往復することを余儀なくされたとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
⑨第2019-18号
 生活保護を受給する母が入所する施設を移動する際、申立人が立て替えた敷金について、母が退所した際に施設から返金されたところ、保護課から当該敷金を返還するよう求められたとして、苦情申し立てられたケース。申立人による苦情の取り下げにより、調査は終了している。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

⑩第2019-21号
 札幌市の集会施設で行われている活動が政教分離原則に違反するとして、苦情が申し立てられたケース。当該集会施設の運営は町内会で行われており、市の業務ではない旨を説明したところ、申立人が苦情を取り下げ、調査が終了した。(担当オンブズマン:房川樹芳)


⑪第2019-22号
 自動車販売業の店舗前の道路改修により段差が大きくなり、車が損傷する恐れがあるとして市に改善を求めたが取り合ってもらえないとして、苦情が申し立てられたケース。その後、修復工事がなされて段差が解消したことにより、申立人が苦情を取り下げ調査は終了した。(担当オンブズマン:杉岡直人)


2019/07/21

札幌市オンブズマン苦情処理日数の状況(オンブズマン別・2018年度まで)

前回のエントリーでは、年度別の処理状況を紹介したが、このエントリーでは、オンブズマン別の処理状況を紹介する。「年度別」の処理日数の状況と同様に、新たに「中央値」についても掲載している。

札幌市オンブズマンの制度が発足した2001年3月(年度としては2000年度)以来、オンブズマンは、各年度の3月1日付で2年任期で任用されていることから、初年度の任用期間は当該年度の3月、1か月間だけである。そこで、データとしての信頼度を高めるため、以下の表では、任用初年度は2年度目と合算し、13か月間に申し立てられた苦情の処理状況について計上した。

また、オンブズマンの任用期間の最終年度は、4月から翌年2月末までの11か月間の任用となる。したがって、まるまる1年には1か月不足することになるが、最終年度については、この11か月間に申し立てられた苦情の処理状況について計上した(それ以外の年度については、4月から翌年3月までの12か月間に申し立てられた苦情の処理状況について計上してある)。

このほか、「取扱件数」のうち、「結果通知処理件数」に計上した件数は、「苦情等調査結果通知書」が発送された案件のものである。そして、「平均処理日数」、「中央値」及び「30日以内処理率」のデータは、この苦情等調査結果通知が発送された案件について、算出したしたものである。

札幌市オンブズマン制度史上最も愚鈍なオンブズマンが誰か、以下のデータから探求するのも一興であろう。

(1) 廣岡得一郎(弁護士・2001年3月1日〜2005年2月28日)


取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2000/01年度
57
39
43.67
29
56.4%
2002年度
33
27
28.85
26
66.7%
2003年度
32
29
26.38
25
53.8%
2004年度
28
18
29.11
26
66.7%
通算
150
113
33.37
28
64.6%

(2) 長井敬子(札幌地方・簡易裁判所民事調停委員、人権擁護委員・2001年3月1日〜2005年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2000/01年度
62
42
38.29
31
47.6%
2002年度
41
32
31.88
28
68.8%
2003年度
39
26
33.73
31
38.5%
2004年度
23
20
33.10
30
55.0%
通算
165
120
34.73
30
52.5%

(3) 三谷鉄夫(北海道大学名誉教授・2001年3月1日〜2004年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2000/01年度
58
39
49.54
29
53.8%
2002年度
37
29
32.45
28
62.1%
2003年度
32
26
29.50
30
53.8%
通算
127
94
38.72
29
56.4%

(4) 佐藤譲治(元会社役員・2004年3月1日〜2008年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2003/04年度
36
31
31.55
29
64.5%
2005年度
35
30
22.73
22
96.7%
2006年度
39
33
23.42
25
93.9%
2007年度
30
26
24.00
22
92.3%
通算
140
120
25.48
25
86.7%

(5) 文仙俊一(弁護士・2005年3月1日〜2009年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2004/05年度
41
36
27.44
27.5
75.0%
2006年度
38
32
27.03
26.5
90.6%
2007年度
37
28
24.50
23.5
89.3%
2008年度
33
29
31.14
28
75.9%
通算
149
125
27.54
27
82.4%

(6) 杉野目康子(翻訳家、元北海道教育委員・2005年3月1日〜2009年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2004/05年度
36
29
24.55
27
72.4%
2006年度
38
27
25.59
27
92.6%
2007年度
39
31
24.90
23
87.1%
2008年度
31
29
34.48
29
69.0%
通算
144
116
27.37
27
80.2%

(7) 前野正明(元会社役員・2008年3月1日〜2012年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2007/08年度
48
46
31.70
27.5
78.3%
2009年度
43
36
38.36
35
38.9%
2010年度
46
37
34.12
35
45.9%
2011年度
35
27
45.78
44
18.5%
通算
172
146
36.56
31.5
49.3%

(8) 岩本勝彦(弁護士・2009年3月1日〜2013年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2008/09年度
54
43
32.40
30
58.1%
2010年度
43
37
35.54
29
51.4%
2011年度
46
43
35.77
35
39.5%
2012年度
42
36
25.56
22.5
80.6%
通算
185
159
32.49
29
56.6%

(9) 井上宏子(消費生活アドバイザー・20009年3月1日〜2013年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2008/09年度
46
39
38.54
36
35.9%
2010年度
41
35
34.69
30
51.4%
2011年度
40
37
37.78
35
35.1%
2012年度
33
25
27.28
27
80.0%
通算
160
136
35.27
31
47.8%

(10) 相澤重明(札幌家庭裁判所家事調停委員・2012年3月1日〜2016年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2011/12年度
46
39
34.13
30
53.8%
2013年度
42
35
31.11
30
57.1%
2014年度
46
39
34.15
30
51.3%
2015年度
31
26
36.92
36
23.1%
通算
165
139
33.90
31
48.2%

(11) 三木正俊(弁護士・2013年3月1日〜2017年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2012/13年度
50
43
29.63
28
72.1%
2014年度
43
35
34.57
33
45.7%
2015年度
51
40
32.35
30
55.0%
2016年度
25
22
33.55
32.5
31.8%
通算
169
140
32.26
30
58.5%

(12) 吉田かよ子(北星学園大学教授・2013年3月1日〜2015年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2012/13年度
48
40
29.13
28
75.0%
2014年度
34
28
32.96
31
50.0%
通算
82
68
30.71
29
64.7%

(13) 岩田雅子(札幌地方・簡易裁判所民事調停委員・2015年3月1日〜2019年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2014/15年度
46
41
30.76
28
63.4%
2016年度
34
31
34.26
30
58.1%
2017年度
28
20
36.25
34.5
35.0%
2018年度
20
17
39.35
41
17.6%
通算
128
109
34.10
31
49.5%

(14) 杉岡直人(北星学園大学教授・2016年3月1日〜現職)
取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2015/16年度
42
36
34.81
32
47.2%
2017年度
27
24
37.71
35.5
20.8%
2018年度
26
20
42.60
38
15.0%
通算
95
80
37.56
35
31.3%

(15) 房川樹芳(弁護士・2017年3月1日〜現職)
取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2016/17年度
34
29
35.38
30
51.7%
2018年度
28
26
*37.62
*36
19.2%
通算
62
55
*36.44
*35
34.5%
*を付したデータは、2018年度の案件のうち1件について推定値に基づくことを示している。


(16) 八木橋眞規子(札幌地方・簡易裁判所民事調停委員・2019年3月1日~現職)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
処理日数
中央値
結果通知
30日以内
処理率
2018年度
3
3
48.33
53
0.0%
通算
3
3
48.33
53
0.0%

続いて、年度別の処理状況と同様に、各オンブズマンの処理日数区分ごとの度数分布の表を作成した。


(表1)
   
20日
以内
 21日〜
30日
 31日〜
45日
46日〜
60日
61日〜
90日
91日
以上
30日
以内
処理率
30日
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
廣岡
23
20.4%
50
55.6%
24
21.2%
9
8.0%
2
1.8%
5
4.4%
64.6%
35.4%
長井
16
13.3%
47
39.2%
39
32.5%
7
5.8%
8
6.7%
3
2.5%
52,5%
47.5%
三谷
18
19.1%
35
37.2%
24
25.5%
5
5.3%
7
7.4%
5
5.3%
56.4%
43.6%
佐藤
22
18.3%
82
68.3%
12
10.0%
3
2.5%
1
0.8%
0
0.0%
86.7%
13.3%
文仙
20
16.0%
83
66.4%
17
13.6%
3
2.4%
1
0.8%
1
0.8%
82.4%
17.6%
杉野目
25
21.6%
68
58.6%
14
12.1%
6
5.2%
3
2.6%
0
0.0%
80.2%
19.8%
前野
13
8.9%
59
40.4%
40
27.4%
22
15.1%
10
6.8%
2
1.4%
49.3%
50.7%
岩本
20
12.6%
70
44.0%
48
30.2%
15
9.4%
6
3.8%
0
0.0%
56.6%
43.4%
井上
13
9.6%
52
38.2%
47
34.6%
17
12.5%
5
3.7%
2
1,5%
47.8%
52.2%
相澤
7
5.0%
60
43.2%
52
37.4%
18
12.9%
2
1.4%
0
0.0%
48.2%
51.8%
三木
7
5.0%
69
49.3%
52
37.1%
10
7.1%
2
1.4%
0
0.0%
54.3%
45.7%
吉田
3
4.4%
41
60.3%
21
30.9%
2
2.9%
1
1.5%
0
0.0%
64.7%
35.3%
岩田
5
4.6%
49
45.0%
39
35.8%
16
14.7%
1
0.9%
0
0.0%
49.5%
50.5%
杉岡
1
1.3%
24
30.0%
40
50.0%
10
12.5%
5
6.3%
0
0.0%
27.5%
72.5%
房川
0
0.0%
19
34.5%
26
47.2%
10
18.2%
0
0.0%
0
0.0%
34.5%
65.5%
八木橋
0
0.0%
0
0.0%
1
33.3%
2
66.7%
0
0.0%
0
0.0%
0.0%
0.0%
通算
193
11.2%
808
46.9%
495
28.7%
155
8.2%
54
3.0%
18
1.0%
58.1%
41.9%

(表1)よりもさらに、度数分布を細かく区分し、平均処理日数の短い順に並べたのが、以下の(グラフ1)である。

(グラフ1)


以上のデータからは、現役のオンブズマンが、年数を重ねるほど、処理に時間を要するようになっている。

「事案によっては、1か月で調査を結果を出すことは、困難なケースも増えてきている」(平成30年度札幌市オンブズマン活動状況報告書・巻頭言・実質1頁)と泣き言をいうオンブズマンもいるところ、"愚鈍なオンブズマンもいたものだ"と嘲笑されないためにも、処理が遅滞化する原因を探求し、対策を講じることが求められているように思われる。