2017/10/29

平成29年9月に調査を終了したケース

平成29年10月1日、同年9月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、10月13日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(平成29年9月)に調査を終了した案件は全9件で、うち6件において調査結果が通知されている。また、残る3件のうち調査が中止されたものが1件、苦情について調査しない旨が通知されたものが1件、申立人の取り下げにより調査が終了したものが1件となっている。

①第29−32号
 申立人の子が利用するデイサービスの事業所において、その子が虐待を受けていることや事業所が不正を行っていることについて相談したが、市の調査はずさんなものであり、調査が終了した旨の連絡もなかったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

②第29−35号
 申立人の子の訴訟において、市が提出した記録に事実に反する記録がなされていたほか、申立人の氏名という個人情報が黒塗りされていなかったことから第三者に個人情報が漏洩する可能性があるとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

③第29−36号
 生活保護受給者が、娘のアルバイト収入について自動車免許取得費用に充てることを目的とする収入認定除外が受けられなかったことから、適切な説明をするよう求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

④第29−37号
 住所地を異にする配偶者と子の所得証明の発行を求めたところ、委任状が必要であるとして発行が受けられなかったこと及びその際の職員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑤第29−38号
 生活保護受給者が、担当ケースワーカーから電話連絡があった際の対応が保護受給者を嘲笑するようなものであったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

⑥第29−39号
 消防団在団中に支払った金員の返還を求めたが未だ返還されないとして、苦情が申し立てられたケース。なお、当該金員は消防団員を会員とする私的団体の親睦会費であり、その取り扱いは市の機関の業務の執行に該当しないとして、調査が中止された。(担当オンブズマン:岩田雅子)

⑦第29−42号
 オンブズマンによる「苦情等調査結果通知書(第28−58号)」の記載において、担当の職員が申立人に謝罪した旨の記載に疑義があることを契機として、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑧第29−43号
 公園管理に関する規程が市からもらえないという苦情申立てについて、取り下げられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

⑨第29−44号
 苦情申立ての趣旨の主張部分が非公開とされたため、その趣旨を判読できないケース。また、調査についても、「調査することが相当でない特別の事情がある」(札幌市オンブズマン条例16条2項)として、調査しない旨が通知されている。(担当オンブズマン:房川樹芳)

2017/10/09

平成29年8月に調査を終了したケース

平成29年9月1日、同年8月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、9月15日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(平成29年8月)に調査を終了した案件は全7件で、うち6件において調査結果が通知されている。また、残る1件は、苦情について調査しない旨が通知されている。

①第29−25号
 市の一般競争入札において最低落札者として保留通知を受けた後、担当課から入札を中止する旨の連絡を受けたことについて納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)



②第29−26号
 生活就労支援センター・ステップで就職相談をしてきた際の担当職員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)
※生活就労支援センター・ステップについては、札幌市の説明および受託事業者による説明を参照されたい。

③第29−27号
 自転車等放置禁止区域に駐輪して自転車が撤去された際、ダイヤルを回さずに施錠して、引くとすぐに外れるようにしておいたワイヤー錠を切断されたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

④第29−28号
 救急搬送を受けた際の救急隊員の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

⑤第29−29号
 平成28年に国民生活基本調査の統計調査員として勤務したが、その際の手当の算出根拠が不明であり、納得のいく説明も得られていないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑥第29−30号
 市立札幌病院に入院した際における、公費負担医療に関する説明が十分ではなかったとして苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

⑦第29−34号
 特定口座の分離課税に関し、平成29年度の税制改正による、納税通知書の送達前に住民税申告書を市税事務所に提出することにより、特定口座の配当・譲渡所得がなかったものとして取り扱うという扱いに苦情が申し立てられたケース。
 税制改正はオンブズマンの調査対象に該当せず、住民税の算出方法については第29-19号により調査を終了しているとして、申立人には苦情について調査しない旨が通知されている。(担当オンブズマン:杉岡直人)

2017/08/22

平成29年7月に調査を終了したケース

平成29年8月1日、同年7月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、8月15日に一部公開決定がなされた。

上記の期間(平成29年7月)に調査を終了した案件は全9件で、うち8件において調査結果が通知されている。また、残る1件は、申立人の取り下げにより調査が終了している。

①第29-17号
 中央区南2条西4丁目の市道に設けられた(緑色に塗装された)荷さばきエリアに駐車したにもかかわらず、警察から駐車違反の取り締まりを受けたのは、警察が設けた駐車違反の標識の場所がおかしいからであるとして、市が公安委員会に対し標識の位置を適正な位置に変えるよう働きかけてほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
※札幌市による「荷さばきスペース」についての説明はここ

②第29-18号
 滞納していた市民税を約束していた期限までに納付したにもかかわらず預金口座を差し押さえられたことに納得がいかないとして、差し押さえられた金額の返還等を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

③第29-19号
 これまで、保有する特定口座から分離課税で住民税が課税されてきたところ、今回、確定申告をしたところ、特定口座の住民税に不足額があるとして請求が来たが、このような取り扱いは、札幌市による住民税の分離課税の取扱いに誤りがあるためであるとして、その是正を求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
※国税庁による「特定口座制度」についての解説はここ

④第29-20号
 区の保健福祉課で精神保健福祉相談員に相談しようとした際に対応した別の職員の対応及び後日、精神保健福祉相談員に電話した際の対応に納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

⑤第29-21号
 他の部局の職員の対応について、職員部人事課の職員に苦情を述べるために訪れた際の人事課職員の対応が誠実とはいいがたいものであったとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

⑥第29-22号
 これまで、さる体育振興会が管理していた小学校の体育館が使用できなくなったことから、市が振興会に対する調査を行うとともに、今後の改善点を示すことを求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑦第29-23号
 生活保護の受給者が、担当のケースワーカーが発言する際にはきちんと調べてから発言することと、書類を郵送する際にはきちんと届くようにすることを求め、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

⑧第29-24号
 生活保護受給者が、未申告の預貯金について生活保護法63条に基づいて返還を求められたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)

⑨第29-31号
 生活保護受給者が、転居に伴い大家から水回り清掃料等の支払いを求められたところ、当該金額について保護費として支給することはできないという説明を受けたことについて苦情が申し立てられたが、オンブズマンの判断に強制力がない旨を説明したところ、申立てが取り下げれらたケース。(担当オンブズマン:岩田雅子)

2017/07/31

札幌市オンブズマン苦情処理日数の状況(オンブズマン別・平成28年度まで)

(※最新のオンブズマン別の処理状況は、このエントリーで紹介している。)

前回のエントリーでは、年度別の処理状況を紹介したが、このエントリーでは、オンブズマン別の処理状況を紹介する。

繰り返しの説明になるが、札幌市オンブズマンの制度が発足したのは、平成13年3月であり、それ以来、各オンブズマンが任用されるのは、各々の任用年度の3月1日付となっている。そのため、オンブズマンが任用された初年度は、その年度の3月の1か月間に苦情が申し立てられた案件についてのデータである。

また、以後の年度は最終年度を除き、当該各年度の12か月の間に苦情が申し立てられた案件のデータであり、最終年度については、4月から2月末までの11か月間に苦情が申し立てられた案件のデータである。

このエントリーでは、初年度については1か月間のみのデータを掲載したが、データの信頼性という観点から、任用初年度は翌年度と合算し、13が月分を一まとめにすることについては今後の検討課題としたい(掲載した表やグラフは、オンブズマン事務局から提供を受けたデータをもとに、本ブログ作成者が集計、作成したものである)。

①廣岡得一郎(弁護士・平成13年3月1日〜平成17年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成12年度
15
7
69.71
71.4%
平成13年度
42
32
37.97
53.1%
平成14年度
33
27
28.85
66.7%
平成15年度
32
29
26.38
53.8%
平成16年度
28
18
29.11
66.7%
通算
150
113
33.37
64.6%

②長井敬子(札幌地方・簡易裁判所民事調停委員、人権擁護委員・平成13年3月1日〜平成17年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成12年度
19
12
44.17
41.7%
平成13年度
43
30
35.93
50.0%
平成14年度
41
32
31.88
68.8%
平成15年度
39
26
33.73
38.5%
平成16年度
23
20
33.10
55.0%
通算
165
120
34.73
52.5%

③三谷鉄夫(北海道大学名誉教授・平成13年3月1日〜平成16年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成12年度
15
9
32.00
66.7%
平成13年度
43
30
54.80
50.0%
平成14年度
37
29
32.45
62.1%
平成15年度
32
26
29.50
53.8%
通算
127
94
38.72
56.4%

④佐藤譲治(元会社役員・平成16年3月1日〜平成20年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成15年度
3
2
43.50
0.0%
平成16年度
33
29
30.72
69.0%
平成17年度
35
30
22.73
96.7%
平成18年度
39
33
23.42
93.9%
平成19年度
30
26
24.00
92.3%
通算
140
120
25.48
86.7%

⑤文仙俊一(弁護士・平成17年3月1日〜平成21年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成16年度
5
5
29.20
60.0%
平成17年度
36
31
27.16
77.4%
平成18年度
38
32
27.03
90.6%
平成19年度
37
28
24.50
89.3%
平成20年度
33
29
31.14
75.9%
通算
149
125
27.54
82.4%

⑥杉野目康子(翻訳家、元北海道教育委員・平成17年3月1日〜平成21年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成16年度
4
2
27.50
50.0%
平成17年度
32
27
24.33
74.1%
平成18年度
38
27
25.59
92.6%
平成19年度
39
31
24.90
87.1%
平成20年度
31
29
34.48
69.0%
通算
144
116
27.37
80.2%

⑦前野正明(元会社役員・平成20年3月1日〜平成24年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成19年度
5
5
28.20
80.0%
平成20年度
43
41
32.12
78.0%
平成21年度
43
36
38.36
38.9%
平成22年度
46
37
34.12
45.9%
平成23年度
35
27
45.78
18.5%
通算
172
146
36.56
49.3%

⑧岩本勝彦(弁護士・平成21年3月1日〜平成25年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成20年度
5
4
30.75
50.0%
平成21年度
49
39
32.56
59.0%
平成22年度
43
37
35.54
51.4%
平成23年度
46
43
35.77
39.5%
平成24年度
42
36
25.56
80.6%
通算
185
159
32.49
56.6%

⑨井上宏子(消費生活アドバイザー・平成21年3月1日〜平成25年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成20年度
5
5
32.40
60.0%
平成21年度
41
34
39.44
32.4%
平成22年度
41
35
34.69
51.4%
平成23年度
40
37
37.78
35.1%
平成24年度
33
25
27.28
80.0%
通算
160
136
35.27
47.8%

⑩相澤重明(札幌家庭裁判所家事調停委員・平成24年3月1日〜平成28年2月29日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成23年度
4
4
37.50
25.0%
平成24年度
42
35
33.74
57.1%
平成25年度
42
35
31.11
57.1%
平成26年度
46
39
34.15
51.3%
平成27年度
31
26
36.92
23.1%
通算
165
139
33.90
48.2%

⑪三木正俊(弁護士・平成25年3月1日〜平成29年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成24年度
10
8
28.38
75.0%
平成25年度
40
35
29.91
71.4%
平成26年度
43
35
34.57
45.7%
平成27年度
51
40
32.35
55.0%
平成28年度
25
22
33.55
31.8%
通算
169
140
32.26
58.5%

⑫吉田かよ子(北星学園大学教授・平成25年3月1日〜平成27年2月28日)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成24年度
8
6
33.00
66.7%
平成25年度
40
34
28.44
76.5%
平成26年度
34
28
32.96
50.0%
通算
82
68
30.71
64.7%

⑬岩田雅子(札幌地方・簡易裁判所民事調停委員・平成27年3月1日〜現職)

取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成26年度
6
5
22.80
100.0%
平成27年度
40
36
31.86
58.3%
平成28年度
34
31
34.26
58.1%
通算
80
72
32.26
61.1%

⑭杉岡直人(北星学園大学教授・平成28年3月1日〜現職)
取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成27年度
8
7
28.71
42.9%
平成28年度
34
29
36.28
48.3%
通算
42
36
34.81
47.2%

⑮房川樹芳(弁護士・平成29年3月1日〜現職)
取扱件数
結果通知
処理件数
結果通知
平均処理
日数
結果通知
30日以内
処理率
平成28年度
7
6
43.33
16.7%
通算
7
6
43.33
16.7%

続いて、年度別の処理状況の例にならい、各オンブズマンの処理日数区分ごとの度数分布の表を作成した。

(表1)
   
20日
以内
 21日〜
30日
 31日〜
45日
46日〜
60日
61日〜
90日
91日
以上
30日
以内
処理率
30日
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
件数
処理率
廣岡
23
20.4%
50
55.6%
24
21.2%
9
8.0%
2
1.8%
5
4.4%
64.6%
35.4%
長井
16
13.3%
47
39.2%
39
32.5%
7
5.8%
8
6.7%
3
2.5%
52,5%
47.5%
三谷
18
19.1%
35
37.2%
24
25.5%
5
5.3%
7
7.4%
5
5.3%
56.4%
43.6%
佐藤
22
18.3%
82
68.3%
12
10.0%
3
2.5%
1
0.8%
0
0.0%
86.7%
13.3%
文仙
20
16.0%
83
66.4%
17
13.6%
3
2.4%
1
0.8%
1
0.8%
82.4%
17.6%
杉野目
25
21.6%
68
58.6%
14
12.1%
6
5.2%
3
2.6%
0
0.0%
80.2%
19.8%
前野
13
8.9%
59
40.4%
40
27.4%
22
15.1%
10
6.8%
2
1.4%
49.3%
50.7%
岩本
20
12.6%
70
44.0%
48
30.2%
15
9.4%
6
3.8%
0
0.0%
56.6%
43.4%
井上
13
9.6%
52
38.2%
47
34.6%
17
12.5%
5
3.7%
2
1,5%
47.8%
52.2%
相澤
7
5.0%
60
43.2%
52
37.4%
18
12.9%
2
1.4%
0
0.0%
48.2%
51.8%
三木
7
5.0%
69
49.3%
52
37.1%
10
7.1%
2
1.4%
0
0.0%
54.3%
45.7%
吉田
3
4.4%
41
60.3%
21
30.9%
2
2.9%
1
1.5%
0
0.0%
64.7%
35.3%
岩田
5
6.9%
39
54.2%
20
27.8%
7
9.7%
1
1.4%
0
0.0%
61.1%
38.9%
杉岡
1
2.8%
16
44.4%
12
33.3%
6
16.7%
1
2.8%
0
0.0%
47.2%
52.8%
房川
0
0.0%
1
16.7%
2
33.3%
3
50.0%
0
0.0%
0
0.0%
16.7%
83.3%
通算
193
12.1%
772
48.6%
424
26.7%
133
8.4%
50
3.1%
18
1.1%
60.7%
39.3%

(表1)よりもさらに、度数分布を細かく区分し、平均処理日数の短い順に並べたのが、以下の(グラフ1)である。オンブズマンごとの処理件数の違いを捨象し、トータル100%になるよう短い処理日数の度数から順に、下から積み上げたのは、年度別の処理状況と同様である。

現役のオンブズマンについては、就任間もないオンブズマンは別にして、就任から丸1年経過したオンブズマンが、やや迅速な苦情処理に苦戦している模様がうかがえる。ただし、個別の案件のデータでは、平成28年度後半(申し立て分)は、年度前半(申し立て分)よりも処理が迅速化しており、平成29年度も引き続き、迅速な処理が期待される。

また、就任から丸2年が経過したオンブズマンは、データ上では順調に苦情処理しているように見えるものの、個別の案件のデータでは、平成29年に入ってからの(申し立て分)処理状況において、30日以内の処理率の低下が顕著であり、何らかのテコ入れが必要であるように思われる。

(グラフ1)

札幌市オンブズマンの職務の一つとして、市の業務に関する苦情を受け付け、簡易迅速に処理することが定められているが(札幌市オンブズマン条例4条1号参照)、実際に「迅速」な処理が行われるためには、データに基づく検証が有意義であろう。

このエントリーで提供するデータが、そうした検証に有意義なものであることを願っている。