2020年2月1日、同年1月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、2020年2月17日に一部公開決定がなされた。
上記の期間(2020年1月)に調査を終了したのは10件で、このうち6件で調査結果が通知されたほか、3件は申立人の取り下げ、1件は調査をしない旨が通知され、調査が終了している。
このうち、興味深いのが、市立図書館の利用者が職員の対応等について苦情を申し立てた、第2019−76号の案件である。この案件は、申立人が職員に対し、他の利用者のマナーの改善を指導するよう求めたことが端緒となっているが、結果的に、市は閲覧室の4人用机の一部に仕切りを設置するという対応をとった。このような対応は、従来ならば、空いている時に広く使えた机のスペースに制約を生じさせるものであり、利用者の利便性の低下をもたらしていないかが懸念される。
なお、第2019−85号の苦情は、当ブログ開設者が申し立てた苦情である。苦情の内容は、札幌市オンブズマンの活動状況報告書の内容及び公開方法についてであるが、調査しない旨が通知され調査終了となっている。この案件については、機会を改め、検討する予定である(追記:ここに公開した)。
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①第2019−72号
婚姻届の提出をする際、受付の担当職員が行った戸籍謄本の提出の要否に関する説明内容等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
⓶第2019−75号
申立外の生活保護受給者の入院に対し支給される給付金について、その掛金の負担をしていた申立人が、給付金からこれまで負担してきた掛金の半額の支払いを受ける約束であるとして、生活保護法63条に基づいて入院給付金から保護費の返還を求める市に対して苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
全文参照
③第2019−76号
市立図書館の職員が利用者による閲覧室のマナー違反行為を放置したり、申立人に対する示威行為を行うこと等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
市立図書館の職員が利用者による閲覧室のマナー違反行為を放置したり、申立人に対する示威行為を行うこと等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
④第2019−77号
申立会社が昨年度まで受注していた業務を今年度は別企業が受注したが、その業務が適切に遂行されていないとして、業務が適切に遂行されるよう市が対応することを求めて苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:杉岡直人)
⑤第2019−82号
市民向けの啓発物の受注について市に問い合わせをしてきたが、結果的に他者が受注することになった経緯における市の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
⑥第2019−83号
交換前の水道メーターが異常値を示していたことについて、市はメーターに異常はなかったと主張しているため、異常はなかったのであればその証拠を示してほしいとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)
⑦第2019−85号
札幌市オンブズマンの活動状況報告書の内容及び公開方法の改善を求めて、苦情が申し立てられたケース。活動状況報告書の作成及び公表は「オンブズマンの行為」でありオンブズマンの所轄外の事項であるとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:房川樹芳)
⓼第2019−88号
市営住宅の自治会から嫌がらせを受けているため、管理会社から自治会に対して嫌がらせをやめるよう指導してほしいとして、苦情が申し立てられたケース。申立人の苦情取り下げにより、調査は終了している。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)
⑨第2019−89号
自宅近くの樹木にカラスが営巣しているため市の担当課に撤去を求めたが断られたとして、苦情が申し立てられたケース。申立人の苦情取り下げにより、調査は終了している。(担当オンブズマン:杉岡直人)
⑩第2019−90号
担当ケースワーカーの説明が理解できなかったので再度連絡をくれるよう伝えたにもかかわらず、連絡がないとして苦情が申し立てられたケース。申立人の苦情取り下げにより、調査は終了している。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)