2020/06/30

2020年5月に調査を終了したケース

2020年6月1日、同年5月に札幌市オンブズマンによる調査が終了した案件の調査結果等について公文書公開請求を行ったところ、同年6月15日、同月24日及び同月30日に(一部)公開決定がなされた。決定が複数回にわたるのは、当初の公開決定に対象公文書の漏れがあり、当ブログ開設者の指摘により公開対象公文書が追加されたためである。

上記の期間(2020年5月)に調査を終了したのは10件で、このうち8件で調査結果が通知されている。また、残る2件のうち、1件は調査中止、1件は調査しない旨が通知され、調査が終了している。

このうち、もっとも興味深いのが、第2020−4号である。この案件は、「札幌市芸術の森」の指定管理者による施設管理についての苦情であるが、住民監査請求がなされていることを理由として、調査が中止されている。当ブログ開設者としては、この理由による調査中止(または調査の不実施)は初見である。

なお、上記・住民監査請求については、2020年6月17日付で「住民監査請求監査結果」が通知されている(webでも公表)。監査結果は一部棄却、一部却下であるが、監査委員の意見が付されている(「苦情等調査中止通知書」とあわせて以下に掲載した)。

また、調査結果が通知された案件では、札幌市を含む8団体が主催するイベントにおいて、個人情報を取り扱う上での対応に不備があったことが判明した第2020−1号が注目される。この案件では、市が改善へ向けて取り組む旨の回答をしているが、個人情報の提供に応じられない場合に参加を一律に拒否する取扱いについて、オンブズマンがさらに立ち入った判断を行っている。その内容は、苦情等調査結果通知書で確認していただきたい(2020年6月30日・案件追加のため一部修正)。

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①第2019−115号
 介護保険サービスを利用することに関連し、地域包括支援センターのケアマネージャーの対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

②第2019−116号
 申立人の子どもが市立幼稚園に入園するに際し「特別支援枠」で入園したことや、退園するに際しての園の一連の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

③第2019−117号
 戸籍謄本等を請求した際、必要部数の交付が受けられなかったこと等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

④第2019−119号
 市道を車で走行中、道路にできた穴が原因で左後輪がパンクしたが、市の担当部署から補償はできないという説明を受けたことに納得がいかないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

⑤第2019−120号
 元勤務先のグループホームが不正請求を行っていると公益通報を行った後、市がどのような対応を行ったのか問い合わせても回答が得られないとして、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑥第2020−1号
 札幌市ほかの団体が主催する「北海道を歩こう」というイベントの申込規約の内容及び規約に同意しない限り参加できない取扱い等について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

⑦第2020−3号
 市が国から送付を受けたエタノールを医療的ケア児に配布した際の一連の対応について、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:房川樹芳)

⑧第2020−4号
 札幌市芸術の森の木工房が、「準備日」「メンテナンス日」等の虚偽の理由で休館しているとして、苦情が申し立てられたケース。住民監査請求がなされているとして、調査は中止された。(担当オンブズマン:八木橋眞規子)

(⑧参考・住民監査請求監査結果)

⑨第2020−6号
 住居の隣接地の公園の騒音に悩まされているとして、サッカーボールの使用禁止や利用時間を制限すること等を求めて、苦情が申し立てられたケース。(担当オンブズマン:原俊彦)

⑩第2020−8号
 苦情等調査結果通知書第2019-113号には「B係長及びC係長が私に謝罪した」とあるが事実に反しているため、札幌市オンブズマンが、虚偽DVを作出した札幌市職員の責任を認めて誠意ある対応を行うよう勧告することを求めて、苦情が申し立てられたケース。申立て内容についてはすでに調査ずみであり、「オンブズマンの行為」はオンブズマンの所轄外の行為であるとして、調査しない旨が通知された。(担当オンブズマン:房川樹芳)